バタフライ情報 "フットワーク"


 オリンピック 男子は柳承敏が金メダル!!!

 〜韓国に16年ぶりの金メダルをもたらす〜


柳承敏、歓喜の金メダル!!

 第28回アテネオリンピック競技大会の第10日目はいよいよ最終日。
 男子シングルス決勝、3位決定戦が行われ、全日程を終えた。

 男子シングルスは王皓(中国)vs柳承敏(韓国)の対決となり、4−2で柳承敏が勝利を収めて、韓国に16年ぶりの金メダルをもたらした。

 決勝に先立って行われた3位決定戦は、王励勤(中国)がワルドナー(スウェーデン)を4−1で下して銅メダルを獲得した。

●各競技の記録は以下の通り。
 ■男子シングルス ■女子シングルス ■男子ダブルス ■女子ダブルス
 ●競技日程

●前日までの記事はこちらへ
 ≫8/22 ≫8/21 ≫8/20 ≫8/19 ≫8/18 ≫8/17 ≫8/16 ≫8/15 ≫8/14


 男子シングルス 柳承敏が歓喜の金メダル!!

 〜王皓とのペンドラ対戦を制す〜


柳承敏が新王者に!!

 聖地・アテネの神々は、やはり努力の人を裏切らなかった。男子シングルスで韓国の若獅子・柳承敏が金メダルを手にした。1ジャーナリストとして、この瞬間をガラチ・オリンピックホールで迎えられたことに心の底から感謝したい。

 今大会の組み合わせは、柳承敏にとって決して恵まれているとはいえなかった。「実はまだボル(ドイツ)と馬琳(中国)には勝ったことがないんです」という柳承敏は、順当に行けば準決勝でボル対馬琳の勝者と対戦するはずだった。しかし、意外にもベスト8決定戦で馬琳に完勝し、準々決勝ではボルの攻撃を封じたワルドナー(スウェーデン)が準決勝に勝ち上がってきた。ワルドナーの状態はほぼ完璧で、その強さがよみがえっていた。しかし、準決勝で柳承敏はワルドナーを上回る速さと威力のあるドライブで圧勝し、大きな山場を超えた。

 そして迎えた今日の決勝戦。王皓の裏面打法への対策はパーフェクトだった。
 クロス方向にしか来ない打球を読んで、時に目の覚めるようなバックプッシュでストレートに抜き去り、時に回り込んで1発のフォアハンドドライブを相手コートに打ち込んだ。守勢のプレーは1度もなかった。相手に攻め込まれてもブロックせず、果敢にカウンタープッシュで攻め返した。ドライブの引き合いになっても、中国製の重い用具でズシリとくる王皓のドライブに対し、飛距離のある強烈な回転がかかった伸びるドライブを打って押し返し、王皓の体勢を崩した。
 ペンドライブ主戦型としては、世界で最も弾む用具を使っている柳承敏のプレーは超攻撃的で、決勝戦にふさわしい緊迫した好ゲームを展開した。

 シェーク両ハンド攻撃型が全盛といわれる現代卓球の中、まさに韓国の伝統を引き継ぐペンドライブ主戦型の柳承敏が快足のフットワークを生かして威力のあるフォアハンドドライブを連発した決勝戦。
 最後のラリーでは、柳承敏が回り込んで得意のフォアハンドドライブをバックストレートに突き刺し、王皓の、いや中国の夢を打ち砕いた。

柳承敏が金メダルを決めたラリー
ペンドラの打撃戦、最後は柳承敏が打ち抜いた!!


あふれる闘志で勝利を手に!!


強敵・王皓を圧倒した!!

柳承敏が金メダルを決めたラリー
先輩・金擇洙とともに戦った!!

 思い起こせば昨年末、卓球レポートに連載中の「戦型別STEP UP LESSON ペンドライブ主戦型」の取材でソウルに柳承敏を訪ねた。技術の取材が終わった後に彼の中学時代の話を聞いた。「私が中学生のころは、気が遠くなるほど練習に明け暮れました。特に夏休みの合宿は、自分でも本当によく練習したと思います。毎朝6時に起床、そしてトレーニング。朝食を食べた後は午前の練習。そして昼食を食べて、午後の練習……。その後に夕食を食べて、また練習。そして、その日の練習は毎日午前1時まで続きました。合宿所の宿舎に戻るのは、午前1時過ぎ。そして、翌日はまた午前6時に起床。毎晩、クタクタになってわずかな睡眠時間を泥のように寝ていました(笑)。一緒に練習していた友人たちは、コーチに『なんでこんなにも練習しなくちゃいけないんだ』と詰め寄ることもありました。でも、私は自分の将来を信じて、毎日毎日練習に励みました。今自分が世界のトップまで勝ち上がることができたのは、あの時代の猛練習があったからこそです」。
 そして、オリンピックが開催される約2月前、再び柳承敏を取材するためにソウルに飛んだ。6月6日(日)のこと。柳承敏は、オリンピックまでに最後の休日というこの日、我々の取材に快く応じてくれた。別れ際、彼は「私は世界ランキングでは4位(当時)ですが、実力はまだまだ足りません。でも、明日からオリンピックに向けた合宿があるので一生懸命練習して、オリンピックではぜひメダルを獲得したいと思います。そのために、これからの2カ月で自分の技術を磨き込みたいです。結果はどうなるか誰にもわかりませんが、とにかく一生懸命にがんばります」と話してくれた。
 その後、ここアテネで再会。柳承敏は、2カ月前より大きく見えた。韓国の関係者によると「柳承敏はオリンピックに向けた合宿中、誰よりも練習していた」という。昨日、女子マラソンで金メダルを獲得した日本の野口みずき(グローバリー)は「(練習で)走った距離は裏切らない」と語った。まさに今回の柳承敏にも、その言葉が当てはまるだろう。練習に費やした時間は、決して自分を裏切らない・・・。


国旗を手に、感謝の笑顔!!


たゆまぬ努力で栄冠を勝ち取った!!



 男子シングルス 決勝

王皓
(CHN)

2

3-11
11-9
9-11
9-11
13-11
9-11

4
柳承敏
(KOR)

top△


 男子シングルス 王励勤が銅メダル獲得!!

 〜ワルドナー、奇跡起こせず〜


王励勤が銅メダルを死守!!

 男子シングルス3位決定戦はPM1時からスタート。
 第1シード、世界ランキング1位の王励勤(中国)と、前回銀メダルのワルドナー(スウェーデン)が銅メダルをかけて対戦した。

 ともに元世界王者の対決は、両者意地のぶつかり合いでいきなりジュースに。まずはワルドナーが10-12で制して1ゲームを先行。2ゲーム目は
王励勤が攻めて立てて11-3で快勝しタイに。続く3ゲーム目、流れを渡したくない王励勤が5-1とリード。ワルドナーが盛り返して8-8と挽回するが、王励勤が突き放して11-8でこのゲームも連取した。4ゲーム目は一進一退、6-7から王励勤が5連続ポイントして11-7で銅メダルに王手をかけた。
 あとがなくなった皇帝、4-2と苦しい立ち上がり。ここで意地を見せて4-4にすると、5-5、6-6、7-7、8-8と競り合う。10-9と王励勤リードでタイムアウト。ここでワルドナーがサービスミスし、あっけない幕切れに。王励勤が11-9で取り、4−1で勝利を手にした。

 王励勤はシングルス初出場で銅メダルを獲得し、なんとか面目躍如。
 ワルドナーは、92年・金、00年・銀、に続いてすべての色のメダルコレクターとはならなかった。しかし、敗れはしたがが、今大会を大いに盛り上げた。


中国の意地で攻めた!!


ワルドナー神話、再来せず・・・


敗れたが、惜しみない拍手が・・・


 男子シングルス 3位決定戦

王励勤
(CHN)

4

10-12
11-3
11-8
11-7
11-9

1
ワルドナー
(SWE)

top△


 今大会の模様は・・・

 〜9月20日をお楽しみに〜

●各競技の記録は以下の通り。
 ■男子シングルス ■女子シングルス ■男子ダブルス ■女子ダブルス ●競技日程

●期間中の記事はこちらへ
 ≫8/23 ≫8/22 ≫8/21 ≫8/20 ≫8/19 ≫8/18 ≫8/17 ≫8/16 ≫8/15 ≫8/14


 詳しい記録は、国際卓球連盟のHPをご覧下さい。
 http://www.ittf.com

 今大会の詳しい模様は、10月号に掲載予定です。

現地取材班:山松謙三(卓球レポート編集長)

(8月24日掲載)


ページトップへ

≫go to menu