ITTFプロツアー・ジャパンオープン2008
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ニュース  5月25日

男子シングルス決勝 〜技の対決を馬琳が制す〜


ジャパンオープン初優勝の馬琳


 男子決勝は、ディフェンディングチャンピオンの王皓対馬琳。オリンピックイヤーだからだろうか、これまで幾度となく見てきた同士打ち決勝にも、いつも以上の緊迫感が漂っている。ライバル王励勤を倒して決勝の舞台に残った馬琳と、若手馬龍に実力差を見せて勝ちあがった王皓との対決。実力伯仲の二人のペン裏面バックドライブ型の勝負をどちらが制するのか?
 立ち上がりから馬琳は弾道の低い両ハンドドライブと素早い回り込みでリード。裏面バックハンドドライブの強化に加え、レシーブでの裏面フリックなど、馬琳は裏面技術の幅を広げてきたようだ。9−10からの一本は王皓のサーブを馬琳がフェイントを入れてフォア前にストップ。3球目攻撃に備えてフォア側に深く構えた王皓は、台上でツーバウンドするボールを見送るしかなかった。
 2ゲーム目は馬琳の回り込みをけん制した王皓が馬琳のフォア側を重点的に攻めだす。馬琳にミスが増えると11−5で王皓がこのゲームを取り返す。果敢な回り込みフォアハンド攻撃の手を緩めない馬琳が第3ゲームをジュースで制し2−1とすると、第4ゲームも競り合う展開から再びジュースへ。13−12のゲームポイントでこのゲームを落としたくない馬琳がタイムアウト。しかしこの後、裏面ドライブを2球続けてオーバーミスして王皓がゲームポイントを握ると、フォアの大きなドライブの引き合いを王皓が制しゲームカウントは2−2。
 第5ゲーム、出だしで馬琳は目の覚めるような3球目の回り込みドライブで連続得点。しかし、王皓も攻め気の馬琳に厳しいボールを送りミスを誘う。9−9でサーブを持った王皓はここで2ポイント連続のミス。馬琳が優勝にリーチをかける。
 第6ゲーム、ハイレベルな台上技術と両ハンドを駆使した両者の攻防が続くも、積極的に攻める馬琳にやや分がある。5−7とリードを許したところで、流れを変えたい王皓がタイムアウト。次のポイントで王皓はチャンスボールをきっちり決めて6−7とするが、この後馬琳がサービスエースを含む4連続ポイントで優勝を手にした。
 試合後の記者会見で、今大会の団体とシングルスでの2種目制覇についての感想を求められた馬琳は「それは全中国人民が求めている結果だろう。卓球は何十年も中国がリードしてきた、国内でも注目されている競技なのだから」 と静かに語った。


馬琳(11-9,5-11,12-10,13-15,11-9,11-6)王皓



馬琳は裏面ドライブも強化

馬龍を制した台上も馬琳には及ばず



女子シングルス決勝 〜李暁霞、張怡寧に惜敗〜


張怡寧は今シーズン4度目の優勝!


 女子決勝は李暁霞が張怡寧に肉薄したハイレベルな試合となった。台から離れずにライジングボールをとらえハイピッチなラリーで得点したい張怡寧と回転量の多いバックハンドドライブを武器にする李暁霞との争いは、序盤から行方の分からない展開。1ゲーム目を張怡寧が11−5と苦労せずに取るが、すかさず李暁霞は次のゲームを取り返すと、第3ゲームも6−5と競る展開から張怡寧のミスが重なり5ポイント連取と勢いに乗る。
 しかし、第4ゲームに入り、張怡寧が積極的なフォアハンドドライブで攻めて、5−1とリードするとそのまま11−7と取り返し、2−2に追いつく。第5ゲーム、3−3からやや守勢に回った李暁霞は4連続失点。しかし10−5から10−8とポイントを縮められた張怡寧はここでタイムアウト。ベンチには誰もいない同士打ちだが、ドリンクを手にして頭を整理して台に戻ると、バッククロスに深く入ったボールを李暁霞がバックドライブでオーバーミス。ゲームカウント3−2で張怡寧が優勝にリーチをかける。実力的には拮抗する二人だが、流れをつかんだのは張怡寧。
 第5ゲーム、両者譲らぬ7−7から張怡寧の強打がフォアクロスに決まると、勢いに乗って10−8とリード。2本のマッチポイントで勝利は張怡寧の手中にほとんど収まっているかに見えた。しかし、ここからの展開がすさまじい。後がない李暁霞は攻めの姿勢を崩さず、フォアクロスにドライブを決めて1点差、長いラリーの末に張怡寧のミドルを的確に攻めてジュースに持ち込むと、ゲームポイントが両者の間を何度も行き来しながら19−19へ。ここで李暁霞が3球目をフォアクロスにたたき込み20−19とすると、次のポイントで張怡寧のバックハンドドライブがわずかにオーバー。勝負は最終ゲームにもつれ込んだ。
 第7ゲーム、張怡寧は気合いの入ったロングサービスをクロスに放つが、李暁霞は素早い回り込みでこれをストレートに強打してレシーブエース。しかし、冷静な張怡寧が回転のかかったドライブで李暁霞のバックを攻め5−2とリード。張怡寧はリードを保ちながら、10−5とすると李暁霞のバックドライブがオーバー。最後は貫録の試合運びを見せた張怡寧が優勝を手にした。
 オリンピックの開催地北京は張怡寧の故郷でもある。その地でオリンピック2連覇の偉業は達成されるのだろうか。


張怡寧(11-5,9-11,5-11,11-7,11-8,19-21,11-5)李暁霞



最後まで集中力は途切れなかった

女王に肉薄した李暁霞



男子シングルス準決勝第1試合 〜王皓の技術が馬龍を圧倒〜


 男子準決勝第1試合は、王皓対馬龍。若い馬龍が先輩の王皓に挑む形だ。得意のフォアハンドドライブで勝負したい馬龍を、王皓がストップやフリックなど台上でけん制し、先手を取って両ハンドドライブで決める。フォアクロスで大きなドライブの引き合いになると、馬龍に分があるが、馬龍はなかなか仕事をさせてもらえない。結局馬龍はこの流れを変えることができずに、ベスト4で姿を消した。昨年のジャパンオープンに続き、王皓が決勝の舞台に立つことになった。


王皓(12-10,11-8,12-10,11-8)馬龍



先輩の風格を見せた王皓

フォアドライブには自信のある馬龍だが



男子シングルス準決勝第2試合 〜馬琳が王励勤に快勝〜


 男子準決勝第2試合は、馬琳対王励勤。同士打ちとはいえ、この二人の対決には緊迫感が漂う。手の内を知り尽くした二人だが、サーブ・レシーブの技術で勝る馬琳が先手を取る展開で1ゲーム先取。王励勤は馬琳のサーブをストップしようとして大きく浮かすという場面が何度か見られた。チームメイトにも分からないサービスとは一体どんなサービスなのか。王励勤も馬琳のフルスイングのドライブをブロックでカウンターするなど、堅い守備でゲームを取り1−1とする。スーパーブロックで観客を沸かせたものの、馬琳の台上技術に比べて王励勤の攻撃の精度が低く、それが勝負の分かれ目となった。決勝は王皓対馬琳のペン裏面バックハンド対決だ。


馬琳(11-4,5-11,11-9,11-7,11-8)王励勤



台上の精度が際立った馬琳

抜群のブロック力を見せた王励勤



女子シングルス準決勝第1試合 〜張怡寧が郭炎に貫録勝ち〜


 女子準決勝の第1試合は今シーズンのプロツアーですでに3勝し今大会でも好調の張怡寧と、ここまで1ゲームも落とさずに勝ち上がってきた郭炎の対決だ。立ち上がり、深いバックハンドドライブでポイントをあげる郭炎が6−3とリードするものの、ピッチの速いラリーでは抜群の安定感を誇る張怡寧がポイントを重ね、11−8と逆転。第2ゲームも6−3と郭炎のリードから、今度は張怡寧が堅実なラリーで8ポイント連取。第3ゲームも失い後がなくなった郭炎は積極的に攻めて第4ゲームをものにするが、スピードと安定感で勝る張怡寧が決勝への切符を手にした。


張怡寧(11-8,11-6,11-9,6-11,11-8)郭炎



張怡寧は抜群の安定感

パワーでは勝る郭炎だが



女子シングルス準決勝第2試合 〜好調の李暁霞が郭躍を圧倒〜


 女子準決勝の第2試合は、現世界卓球シングルスのチャンピオンでもある郭躍と、その決勝で郭躍の後塵を拝した李暁霞。立ち上がり硬さの見える郭躍に対して、のびのびと両ハンドを振る李暁霞。 第1ゲームを11−8で李暁霞が取ると、第2ゲームはあわやラブゲームかという一方的な展開で、郭躍は完全に流れを失う。後がない郭躍は第4ゲームを11−4で取り意地を見せるが、攻守ともに冴えた李暁霞の前にはなすすべなく撃沈。決勝で張怡寧に挑むのは李暁霞となった。


李暁霞(11-8,11-1,11-3,4-11,11-8)郭躍



終始浮かない表情の郭躍

調子の上がらない郭躍を圧倒



横浜市民がオリンピック代表を激励 〜子どもたちの応援に愛ちゃんも笑顔〜


市民の応援に笑顔で応える選手団


 男女決勝の表彰式終了後、日本代表選手団の壮行会が開催された。日本選手のオリンピックでの活躍に期待を寄せる子どもたちの言葉に選手たちは笑顔で応えた。また、愛ちゃんが四川省地震の被災者への義援金を呼び掛けると多くの観客が義援金箱に集まった。



今大会の模様は・・・ 〜卓球レポート7月号に掲載〜

  今大会の詳しい模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。

現地取材班:小畑賢二(卓球レポート編集部)、佐藤孝弘(バタフライ・ホームページ)