平成21年度全日本卓球選手権大会
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大会最終日:1月17日

男子シングルスは水谷隼が4連覇 ~史上3人目の大偉業~

水谷隼が史上3人目の4連覇を達成!

 男子シングルス決勝は、大会4連覇を目指す水谷隼と、4年ぶり3度目の天皇杯奪回を狙う世界卓球2009横浜ベスト8の吉田海偉が対戦した。両者の全日本での対戦成績は水谷が2勝0敗、いずれも決勝で吉田を下している。

 ゲームは対戦成績が示す通りの展開となった。水谷は、表情の硬い吉田に対して揺さぶりをかけて5-1とリードする。吉田はいまひとつ乗り切れず凡ミスが出て7-2となり、水谷が第1ゲームを先行した。行き遅れた吉田だが、第2ゲームは水谷のバックサイドに攻め込んで2-6とリードを奪う。ここで水谷がフォアハンドでしっかり動いて流れをつかんで7-7に追い付くと、下回転サービスで2本連続サービスエースを奪って9-7と逆転に成功。しかし、吉田がサービスで2本取り返して9-9に追い付くと、交互に攻め合ってジュースにもつれこんだ。ここで水谷が4球目回り込みドライブをクロスに決めると、続くラリーでうまくしのうで12-10で競り勝って、2-0とリードを広げた。
 こうなると完全に水谷のペース。立ち上がりから先手を取って5-1とする。このままズルズル行きたくない吉田は、我慢してつないで7-6と追いすがる。詰め寄られた水谷だが、冷静に攻めて吉田を後ろに追いやって9-6と再び引き離して、早くも大記録に王手をかけた。
 第4ゲームは、ここで決めてしまいたい水谷と逆転の糸口を見いだしたい吉田が互いに探り合う展開。中盤まで短いラリーで一進一退となり、1-1、2-2、3-3、4-4、5-5、6-6とどちらも抜け出せない。ここで吉田がサービスからの攻撃で6-8と2本リードするが、今度は水谷がサービスを利して取り返して8-8と再び追い付いた。流れが決まる重要な局面、水谷が激しいフォアハンドの打ち合いを制して9-8と1歩リード。続いて絶妙のストップからチャンスを作って4球目で回り込んでストレートに打ち抜いて、いよいよチャンピオンシップポイントを手にした。結局、最後も水谷が吉田のドライブを中陣から打ち返して勝負を決めた。
 ≫この一戦から今日のナイスボールを選出

 これで水谷は、昭和21~24年度の藤井則和、昭和57~60年度の斎藤清に並ぶ史上3人目の4連覇という大記録を達成した。卓球史に名を残す偉大な先人に肩を並べた水谷は、4年前に初優勝したときの世界ランキングは98位だった。それが今や世界のトップ選手として称えられるベスト10入りを果たした。前回準決勝で敗れて中国に届かず、悔し涙を飲んだ広州大会から2年。にわかに現実味を帯びてきた目標を胸に、ターゲットが中国に絞られた。

【優勝インタビュー】
 決勝戦はサービスが効いたので、自分のペースで試合ができました。4連覇できるかは少し不安でしたが、しっかり練習をやってきてその成果が出たと思います。世界卓球で中国を倒して優勝したいです。


水谷が的確な攻撃で強敵を圧倒

吉田は王座奪回を狙ったが・・・

大偉業を手中にして、吠える!

準決勝第1試合:水谷vs張 ~水谷が土俵際で踏みとどまる~


 第1シードの水谷と、世界卓球2010モスクワ代表選考会優勝の張(東京アート)の試合は、予想外の展開となった。
 立ち上がりは水谷がバッククロスの攻防で上回って10-6とするが、張がしつこく粘って逆転して先行する。続く第2ゲームは気持ちを入れ直した水谷が要所でフォアを攻めて取り返して1-1に戻した。このままの展開だと水谷に持って行かれる張は、強気の両ハンドで第3・4ゲームを連取して、王者を追い込んだ。
 いきなり後がなくなった水谷だが、張の硬いブロックにドライブをシャットアウトされてリードを奪えず7-7に。ここで再び強気の張が攻めて7-9と引き離して、たまらず水谷がタイムアウト。いよいよ土俵際まで追い込まれた水谷、ここからアドレナリンが大放出されて動きにキレが出る。フォアハンドで攻めて9-9に追い付くと、張に打ち込まれても後陣から盛り返して逆転した。すると第6ゲームを緩急自在なプレーで奪って、ようやく3-3に追い付いた。
 最終ゲームは、序盤のようにバッククロスの攻防で一進一退となり5-5に。緊迫のこの場面で王者の底力が出る。張の猛攻を硬いブロックで防いで7-5とすると、一気に10-6と引き離した。ここで張の粘りに10-9まで追いすがられるが、最後はチキータを決めてなんとか激戦を振り切った。


張が会心のプレーで追い詰めたが・・・

驚異の粘りで盛り返した

激戦を終え、健闘を称える

準決勝第2試合:吉田vs松平 ~吉田が貫録の完封勝ち~


 世界卓球2009横浜ベスト8の吉田と、初のベスト4入りを果たした松平賢二(青森大)の試合は吉田の一人舞台だった。
 吉田は序盤から動きが冴えて、松平のドライブをクロスに打ち抜く。第1ゲームを11-5で圧倒すると、第2ゲームはしっかり動いてラリーで圧倒して11-3で簡単に連取した。松平はなんとか流れを変えようとして前陣で捨て身の攻撃を繰り出すが、吉田が中陣からはね返して早くも3-0と王手をかけた。第4ゲームも終始吉田のプレーが輝きを放って松平を圧倒して、4-0で完封勝利を収めた。


吉田が動きの良さでシャットアウト

賢二はなすすべなく・・・

ベスト8は大矢、高木和、韓、田勢の4選手 ~準々決勝は全員完敗~


 ベスト8は、大矢(東京アート)、高木和卓(東京アート)、韓(東京アート)、田勢(協和発酵キリン)の4選手。準々決勝は全4試合とも4-0で終わる意外な展開となった。
 ベスト4返り咲きを狙った大矢は、吉田のサイドスピンショートとフィッシュをうまく打たされて無念のストレート負け。
 5年ぶりにベスト8に復帰した高木和だが、同僚・張との打撃戦で後ろに下げられた。
 韓は王者・水谷と対戦。好試合が期待されたが、韓は水谷の落ち着いた攻守に勝機を見いだせず完敗。
 2年ぶりの準決勝進出を目指した田勢は、松平の思いきりの良い攻撃を受け止めきれなかった。


大矢は打たされて・・・

高木和は防戦になり・・・

韓は王者・水谷に完敗

田勢、松平の攻めを防げず


女子ダブルス、藤井寛子・若宮三紗子が初優勝 ~強豪ペアを連破~

若宮三紗子と藤井寛子の新ペアが王座に

 女子ダブルス決勝はともに優勝経験を持つ選手がいるペアの対決となった。
 東アジア大会2位の藤井・若宮(日本生命)は、上位シードを次々と連破して決勝に駒を進めた。一方の平野・樋浦(ミキハウス)は先週のプロツアー・グランドファイナルに出場した実績で初の栄冠を狙う。
 ゲームは序盤から緊迫の接戦となる。第1ゲームは中盤から交互にポイントを重ねてジュースにもつれる展開となる。12-12でニッセイペアがエッジでポイントすると、台上で攻めて1ゲームを先行する、続く第2ゲームも攻守が目まぐるしく入れ替わって7-7と競り合うが、9-10からニッセイペアが強気に攻めて2-0と王手をかけた。
 第3ゲームは追い込まれたミキハウスペアは捨て身の攻めを繰り出して8-3とリード。しかし、ニッセイペアがジリジリと粘って8-8に追い付いつくと、ジュースにもつれ込む。後がないミキハウスペアは、平野の攻撃で連続ポイントを挙げてなんとか1ゲームを取り返した。
 第4ゲームは先手争いとなるが、左右コンビの藤井・若宮がコンビの利点を生かして7-3とリードする。ミキハウスペアは意地のカウンターで7-6と追いすがるが、ニッセイペアが前陣で連続攻撃を放って9-6として勝負を決めた。
 これで藤井は平成18年度以来3年ぶりに女子ダブルスを制覇した。一方の若宮は夏にニッセイに加わってわずか半年での栄冠となった。


ニッセイペアが左右のコンビで強豪を連破

ミキハウスペア、必死の反撃も・・・

結成からわずか半年で日本一に

3位は河村・福平と坂本・阿部 ~社会人勢が4強を独占~


 3位には河村・福平(日立化成)と坂本・阿部(サンリツ)が入賞し、3年ぶりに社会人がベスト4を占めた。
 準決勝第1試合は、左右ペア同士での激しい攻防が展開されたが、打点の高さで勝る藤井・若宮が河村・福平を3-1で下した。
 第2試合は、序盤から平野・樋浦の連続ドライブが坂本・阿部の速攻を上回って、3-0で快勝した。


攻めの速さで押し切られた

得意の速攻が通じず・・・

福原・石川はベスト8に終わる ~藤井・若宮に敗れる~


 優勝候補として注目を集めた福原・石川(ANA・ミキハウスJSC)は、準々決勝で藤井・若宮に敗れてベスト8に終わった。
 両ペアは昨年12月の東アジア大会決勝で対戦しているが、その時は福原・石川が競り勝っている。今回も第1ゲームは福原・石川が連続ドライブで先行したが、第2ゲームに入ると要所で藤井・若宮にカウンター攻撃を決められる。第2・3ゲームを9本で競り負けると、第4ゲームも最後まで押しられて、無念の準々決勝敗退となった。


注目の石川と福原はまさかのベスト8に


今大会の模様は、卓球レポート3月号に掲載

天皇杯は今年も同じ主の元へ

 天皇陛下御在位20年記念となった今大会。天皇杯は今年も同じ主の元に戻っていった。
 来年は前人未到の記録がかかる大会となるが、果たしてその行方ははいかに?

 今大会の模様は 3月号(2/20発売予定)に掲載予定。