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大会最終日:1月23日
男子シングルス、水谷隼が史上初の5連覇達成 ~前人未到の金字塔~
水谷隼が史上初の5連覇
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男子シングルス決勝は、大会史上初の5年連続優勝を目指す水谷隼(明治大)と、初めて決勝に進出した張一博(東京アート)が対戦した。両者は昨年の準決勝で対戦しており、そのときは張が水谷を追い詰めたが、土俵際で踏ん張った水谷が逆転勝利を収めている。
注目の立ち上がり、いきなり水谷が3球目ドライブを左右に連続して決める。ここからサービスからの展開で得点し合って2-2、4-4、6-6と競り合う。ここで水谷がうまくしのいで8-6とすると、10-7から回り込んでストレートにドライブを打ち抜いて、第1ゲームを先行した。
これで流れをつかんだ水谷が、張の両ハンド攻撃を中陣から打ち返して4-2とリード。するとカウンター気味のブロックで押し込んで8-2と引き離した。これで目が覚めた張、前陣に張り付いて両ハンドドライブを連発して8-6まで戻すと、上からブロックでかぶせて8-8に追いついた。しかし、せっかくの好機で張の攻めにミスが出て10-8となると、水谷がサービスエースを決めて第2ゲームも連取した。
このまま一気に行きそうな雰囲気の第3ゲーム。立ち上がりは探り合いで3-3。ここから水谷がバッククロスでバックハンドの応酬に持ち込んで6-3、8-4と点差を広げる。するとここが攻め所と見てスパートをかけ、水谷が早くも大記録に王手をかけた。
いよいよ史上初の偉業が目前に迫った水谷。第4ゲームは立ち上がりから足を使ってループドライブで攻めて3-0として、張がたまらずタイムアウト。しかし、水谷はまったく緩めずギアを入れて、一気に9-2と引き離した。
結局、最後は水谷が台上ドライブで打ち抜いて、圧倒的な強さで完封勝利を飾った。そしてこの瞬間、大会史上初めてとなる男子シングルス5連覇が達成された。
≫この一戦から今日のナイスゲームを選出
水谷は70回目を数えた節目の全日本で、これまで誰も果たせなかった大偉業を成し遂げた。かつて史上最強と謳われた藤井則和や史上最多8回の優勝を誇る斎藤清、そして7名の世界チャンピオンたちですら果たせなかった金字塔を打ち立てた。そして、誰も知らない高嶺に登り詰め、日本中の卓球人から特別視される存在となった。
しかし、水谷の歩みは未だ道半ばだ。彼の視線の先には、日本が30年前になくした大切な宝物が見えていることだろう。それはオランダ・ロッテルダムにあるはずだ。そして今、水谷の手に届く場所にグッと近づいている。
■優勝インタビュー
試合前は待ち時間が苦しくて、早く試合が終わったらいいなと思っていたので、試合が終わって一気に解放された気がします。張選手との過去の対戦は2回とも接戦だったので、竸ったときにどのように戦うかということだけを準備してきました。第2ゲームに8-2から8-8に追い付かれましたところで、振り切れたのが勝因だと思います。
卓球で一番大事なのは自信です。だから自信を持っている選手に勝つことは本当に苦しいことで、今日は1本の差で勝つことができました。昨年は世界の強豪を何人も破ることができて、世界ランキングも自己最高の7位まで上げることができました。今年は、この壁を破ってもうひとつ上を目指したいです
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水谷がエンジン全開で終始圧倒 |
張は一方的に攻められて・・・ |
大偉業を成し遂げ、歴史に名を刻んだ
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準決勝第1試合:水谷隼vs高木和卓 ~水谷が高木和との打ち合いを制す~
準決勝第1試合は青森山田高の先輩・後輩として、ジュニア時代に雌雄を争った水谷と高木和卓(東京アート)の対戦となった。
今大会、久々の大当たりを見せている高木和は、大会前の練習試合で水谷に2戦2勝しており、どのような戦いを見せるかにに注目が集まった。
試合は出足から素晴らしいラリーの応酬となった。第1ゲームは水谷がジュースから攻め込んで先行するが、第2ゲームは高木和が上からフォアハンドで押し込んで9-11で競り勝って、1-1に戻した。
第3ゲームは水谷が終盤にループドライブをうまく使って取り返すと、ここから激しい打ち合いが展開される。第4ゲームは高木和は両ハンドドライブをクロスに決めて0-4とリードするが、水谷も譲らずラリーで打ち返してジュースにもつれ込む。ここで高木和にミスが出て、水谷が3-1と王手をかけた。
すると第5ゲームは中盤から水谷が両ハンドドライブの連打を見せて、粘る高木和を振り切った。
惜しくも水谷には及ばなかった高木和だが、世界代表2011内定組の松平兄弟を連破するなど、絶好調のプレーで大会を大いに盛り上げた。
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水谷がラリーではね返した |
高木和は必死に攻めたが・・・ |
準決勝第2試合:吉田海偉vs張一博 ~張が元王者を圧倒~
準決勝第2試合は、吉田(個人)と張が対戦した。前回準優勝の吉田と、打倒水谷の旗印と目される張の対戦は意外な形で進行した。
試合は立ち上がりから張がペースを握る。サービスからの展開で1-4とリードを奪うと、張に苦手意識のある吉田は動きに硬さが見えてラリーに持ち込めず2-7と離されてて、張が先行する。
すると第2ゲームと第3ゲームは中盤から張が一方的な展開で連取して、一気に吉田を追い詰めた。
あとがない吉田だが、まったく勝機を見いだせない。持ち前のフットワークも影を潜め、張に5-8とリードを許す。いよいよ追い詰められた吉田は、ようやく開き直って躍動的に攻め込んでなんとかジュースに持ち込んだ。しかし、肝心のこの場面で台上のチャンスボールを打ち切れず、最後は張にバックドライブをクロスに決められた。
なすすべもなく敗れた吉田は、苦手の相手に対して活路を見いだせないという課題が重くのしかかった。
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張が切れの良い攻守で圧勝 |
吉田、苦手の相手になすすべなく・・・ |
ベスト8は丹羽、松平賢二、岸川、笠原の4選手 ~丹羽は水谷に敗れる~
ベスト8は、丹羽(青森山田高)、松平賢二(青森大)、岸川聖也(スヴェンソン)、笠原弘光(早稲田大)の4選手。
丹羽は水谷のパワープレーに完敗
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岸川は張のブロックに屈す |
笠原は吉田を打ち抜けず |
賢二は健太に続いて高木和卓に・・・
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準々決勝第1試合:水谷隼vs丹羽孝希 ~水谷がジュニア王者を圧倒~
準々決勝第1試合は今大会注目のカードとなった。前回、両者は6回戦で対戦したが、丹羽が高い潜在能力で水谷を苦しめている。
試合は立ち上がりから水谷がラリー戦に持ち込んで優勢に進める。速さで押してくる丹羽のドライブを下からズドーンと打ち返して、第1ゲームを11-2で圧倒。第2ゲームは、長いラリーにしたくない丹羽がバッククロスの攻防に持ち込むが、要所で水谷がフォアクロスに打ち込んで2-0とリードする。
すると、ここら水谷のワンマンショーに。第3ゲームは一方的に攻め立てて11-2で王手とすると、第4ゲームは丹羽のドライブを左右に動き回って打ち返して7-1とする。ここで水谷が丹羽のドライブをビューンと飛びついてフォアクロスに打ち抜いて、会場がどよめいた。
結局、天才サウスポー対決は水谷が丹羽に力の差を見せつけて、圧巻のストレート勝ち。試合後、丹羽は「水谷さん、強すぎませんか?」と思わず舌を巻いた。
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丹羽は懸命に攻め込んだが・・・ |
水谷が全力ではね返した |
準々決勝第2試合:松平賢二vs高木和卓 ~高木和が逆転勝利~
第4シードの松平賢二(青森大)は、6回戦で弟の松平健太(早稲田大)を倒した高木和と対戦。
試合はフォアハンドの打撃戦となり、松平が上から叩いて2-0とリードする。しかし、高木和がバッククロスにボールを散らして松平を動かして2-2に追い付く。第5ゲームは松平がストップから先手を取って3-2とするが、第6ゲームは高木和はフリックからのラリーで押し込んでゲームオールにもつれ込んだ。
最終ゲームは高木和ペースで進んで2-5でチェンジエンド。松平がフォアクロスに意地で打ち込んで9-9と追い付くが、高木和が動き回って強打を連発して、松平を振り切った。
高木和がすさまじい打撃戦の末に松平を下す
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準々決勝第3試合:張一博vs岸川聖也 ~張がブロックで岸川を完封~
準々決勝第3試合は世界卓球2011モスクワ代表同士の対決となった。両者は昨年の6回戦で対戦しており、そのときは張がゲームオールで岸川に競り勝っている。
試合は立ち上がりから張がペースを掴む。鉄壁のブロックで岸川の両ハンドにミスを誘って6-0、8-2として先行すると、第2ゲームは中盤から攻め立てて、いきなり2ゲームを連取した。第3ゲームに入っても張のプレーは揺るがず、パーフェクトなブロックで岸川に隙を与えず8-2として、一気に王手をかけた。
あとがなくなった岸川は、バックハンドのポイントを前にして応戦してなんとかジュースに持ち込むが、余力を残した張がしっかり攻め込んで、あっさりと土俵から押し出した。
張が鉄壁のブロックで岸川をシャットアウト
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準々決勝第4試合:吉田海偉vs笠原弘光 ~吉田が学生王者を圧倒~
第2シードの吉田は、学生王者の笠原弘光(早稲田大)と大きな打ち合いを展開した。笠原が前陣で先手を取って攻めるものの、ボールの威力が落ちる位置で吉田に打ち返される。
いずれのゲームも終盤まで競り合うが、大事な場面で吉田が粘り強くラリーを展開して笠原のミスを待つ。笠原はあと一歩打ち切れず、吉田が学生王者にストレート勝ちを収めた。
吉田は学生王者をラリー戦で完封
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女子ダブルス、藤井寛子・若宮三紗子が2連覇達成 ~阿部・小野に逆転勝ち~
藤井寛子・若宮三紗子が女王の座を死守
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女子ダブルス決勝は、2年連続優勝を狙う前回王者の藤井寛子・若宮三紗子(日本生命)と、全日本社会人優勝の阿部恵・小野思保(サンリツ)が対戦した。両ペアは2010年の日本リーグで3度戦っており、阿部・小野が2勝1敗と勝ち越している。
試合はいきなり藤井が3球目ドライブを2本決めてスタートする。若宮も回り込みドライブを決めるなど、ニッセイペアが4-0ととリード。しかし、慌てないサンリツペアはじっくりとミドルを突いて7-7に追いつくが、藤井・若宮が台上でうまく払って10-7として、第1ゲームを11-9で競り勝った。
第2ゲームはニッセイペアが右のバックサイドを詰めて5-0、8-2と引き離す。サンリツペアはリードされても諦めず、捨て身の強打を放って10-9と追いすがる。しかし、チャンスで小野がバックドライブをミスして、藤井・若宮が早くも連覇に王手をかけた。
このまま押し切ってしまいたいニッセイペアだが、藤井に緊張が見えてミスが出て0-5となると、サンリツペアが長いラリーに持ち込ませず、ようやく1ゲームを奪い返した。
これで気持ちに余裕ができたサンリツペアは一発攻撃で3-6とリードする。しかし、ニッセイペアが台上で優位に立ってラリーを制御して7-7に追いつくと、8-8から連続ドライブを決めて9-8と逆転したところで、たまらずサンリツがタイム。なんとかジュースに追いつくと、ニッセイペアが押し切れず、最後は打ちミスが出てまさかのゲームオールとなった。
こうなると阿部・小野に勢いが付く。立ち上がりから藤井・若宮の強打を弾き返して0-3としたところで、ニッセイペアが苦し紛れのタイム。しかし、サンリツペアが気迫を込めてリードを広げて1-5でチェンジエンドした。なんとか追いつきたい藤井・若宮だが、2-5から不運なネットインに見舞われて2-6とされる。ここで苦境に追い詰められた藤井・若宮が再びパワーを振り絞る。台上で厳しく揺さぶってチャンスを作って左右の連打で4ポイント連取して6-6に追いつくと、我慢してしのいでからの反撃で8-7と逆転した。このままリードを保ってチャンピオンシップポイントを握ると、最後は若宮がフォアで鋭いレシーブを決めて、見事な逆転勝ちで2年連続優勝を勝ち取った。
■優勝インタビュー
藤井「最終ゲームは負けていたので途中に何度もあきらめかけましたが、そこで頑張れたのが成長した部分かもしれません。」
若宮「気持ちの面で負けていて弱気になった部分がありました。優勝しなければという重い気持ちだったのが、第5ゲームに1-5とリードされ、やるしかない!と気持ちが軽くなりました。」
ニッセイペアが土俵際から王者の意地を見せた
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サンリツペアは栄冠が目前に迫ったが・・・
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苦境を乗り越え、歓喜の抱擁
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3位は藤沼・福平と照井・中島 ~2年振りに学生ペアが入賞~
3位には藤沼・福平(日立化成)と照井・中島(早稲田大)が入賞した。
準決勝第1試合は、JTTLファイナル4の決勝の再現となった。藤井・若宮は左利きコンビの藤沼・福平を片方のサイドに詰めて第1ゲームを先行するが、第2ゲームは藤沼・福平が強打を止めて1-1に追いつく。序盤から探り合いとなった第3ゲームは9-9にもつれるが、ニッセイペアが強打を放って10-9とすると、藤沼・福平のブロックにミスが出て、藤井・若宮が2-1と王手をかけた。
すると、第4ゲームは藤井・若宮が一気にスパートして勝負を決めた。
準決勝第2試合は第2シードの照井・中島と第3シードの阿部・小野という上位シードの対決となった。
試合は早稲田ペアが見事なコンビ攻撃でリードを奪って2ゲームを連取した。しかし、阿部・小野が第3ゲームをなんとか競り勝つと、第4ゲームも打ち気にはやる学生ペアの気持ちをそらして2-2に追いついた。
こうなると社会人優勝ペアの本領が発揮される。最終ゲームは立ち上がりから台上プレーで先手を取って3-0と引き離す。早稲田ペアはタイムアウトで流れを変えようとするが、経験に勝る阿部・小野のリズムは変わらず、このままリードを保って会心の逆転勝利を収めた。
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サウスポーペアがベスト4入り |
早稲田ペアが社会人の4強独占阻止 |
今大会の模様は、卓球レポート3月号に掲載
激戦を終え、東京体育館に静寂が戻る
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水谷の5連覇や石川の高校生優勝など、多くのドラマを生んだ平成22年度の全日本選手権大会が閉幕した。
6日間の戦いが終え、東京体育館のメインフロアに一瞬の静寂が戻った。
果たして、来年はこの場所でどんな熱戦がわたしたちを待ち構えているのだろうか。
今大会の模様は
3月号(2/20発売予定)に掲載予定。











