世界卓球2010モスクワ
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大会4日目:5月26日

日本女子、ルーマニアに完全勝利 ~グループリーグ1位が確定~

日本女子、グループ1位決める


 5大会連続でのメダル獲得を目指す日本女子。第4戦はルーマニアと対戦。
 ルーマニアは世界卓球2007年ザグレブ大会で日本を震撼させたドデアンとサマラを擁する強敵。日本はここで勝利を収めれば、Dグループ1位が決まる重要な一戦だ。

 日本のトップは昨日のヒロイン・平野だ。
 平野はパワフルなバックハンドを持つドデアンに対して、上から押し込んでラリーの主導権を握り8-3。このまま押し切って第1ゲームを先行する。続く第2ゲームは1-4とされるが、バックハンドの硬いブロックでドデアンの強打を受け止めて6-4と逆転し、2-0とあっさり王手をかけた。
 第3ゲームに入るとドデアンが意地を見せて平野に襲いかかり8-8。このあとジュースにもつれたが、最後は平野がしっかりと止めてドデアンをシャットアウト。
 平野は日本に流れを導く完璧な戦いぶりで先取点を挙げた。


平野がバックハンドでかぶせた

ドデアンの攻め、通じず


 2番はエース福原が登場。
 第1ゲーム、福原はサマラの左利きから外に切れ込むドライブに手を焼いてジュースに持ち込まれる。しかし、14-14からバックハンドの変化でマッチポイントを握ると、ドライブをフォアストレートにビシッと決めて先行する。これでリズムをつかんだ福原は、バックハンドの速攻で圧倒して8-2として、2ゲームを連取した。
 すると、第3ゲームは立ち上がりから勢いに乗り、フォアドライブとバック強打を決めて9-3として勝負を決めた。
 日本はドデアンとサマラの2枚看板にストレート勝ちで連勝する最高の展開で王手をかけた。


福原が速攻で圧倒

サマラは防戦に・・・


 この上ない流れでバトンをもらった石川。余裕のある場面で復調のキッカケをつかみたい展開だ。
 第1ゲームはスッチのパチパチと打ち返すカウンターに苦戦して10-10。しかし、強気で両ハンドドライブのコンビネーションを決めて、なんとか1ゲームを先行する。これで落ち着いた石川は、スッチのバックサイドにボールを集めて攻めやすくなり、7-3と引き離して2-0と王手をかけた。
 余裕が出てきた石川は、第3ゲームはフォアハンドで厳しく攻めて9-3と一気に引き離して勝負を決めた。
 最大の山場と見られた第4試合。日本はルーマニアに完全勝利を収めて4連勝を飾り、グループリーグ1位通過を決めた。


石川がフォアハンドで決めた


日本男子、ドイツに一歩及ばず・・・ ~2008年広州大会のリベンジ許す~

日本男子、ドイツに惜敗・・・

 2大会連続でのメダル獲得を目指す日本男子。第4試合はグループリーグ第1シードのドイツだ。
 前回2008年広州大会では日本が勝ってメダルに前進した。しかし、北京オリンピックでは日本はドイツに敗れた。まさに因縁の相手と呼べるだろう。

 4日連続でトップはエース・水谷。
 ジュニア時代からしのぎを削り合うオフチャロフとの一戦は激しい打ち合いとなる。第1ゲームは水谷が台上から先手を取って5-2とするが、オフチャロフがフルスイングで攻め返して、いきなりジュースにもつれる。攻めと守りを繰り返しながら12-12となるが、水谷が先に攻めてゲームポイントを握ると、オフチャロフにうまく打たせてミスを誘って1ゲームを先取した。
 しかし、第2ゲームはオフチャロフのペースで2-6。水谷は受け身に回ってミスが続いて2-9、5-10と離された。あきらめない水谷は位置取りを前にして8-10と追いすがり、オフチャロフがタイムで流れを変えようとする。しかし、ボールが見えてきた水谷は巧みなブロックで2本加えてジュースに追いついた。すると3球目ドライブをフォアストレートに打ち抜くと、レシーブドライブを決めて大逆転で王手をかけた。
 こうなると完全に水谷ペースとなり、第3ゲームは立ち上がりから5-0と一気に引き離しにかかる。しかし、このまま完敗する訳にはいかないオフチャロフに捨て身の攻撃を浴びて8-6とされ、タイムアウトで一息入れる。ここで水谷は回り込みドライブを2本続けて決めて決着を付けた。
 日本はエースがまたとない形で幸先よく先取点を挙げた。


水谷が同世代を圧倒

オフチャロフは持ち味出せず

エースの気迫で先取点


 日本はボルに相性がいい岸川を2番手に起用した。
 岸川はドイツ・ブンデスリーガのデュッセルドルフでチームメートのボルに主導権を握られる。立ち上がりからうまく攻められて2-6、3-8とリードを許す。岸川は得意のラリーに持ち込めずに第1ゲームを先行された。しかし、第2ゲームに入ると岸川はうまくフォアサイドに揺さぶって5-3とリードする。このまま7-5、8-6、10-8と点差を保ち、岸川が1-1の五分に戻した。第3ゲームはクロスの打ち合いとなり6-6となるが、ボルが動いて7-9とリードを奪う。しかし岸川がフォアで攻め返して9-9に追いつくと、レシーブからドライブで攻めて11-9で競り勝ち、ドイツのエースを追い詰めた。
 ここで押し切られてしまうと0-2とされるボルが、第4ゲームは攻撃モードに入って2-11で奪い返されて、ゲームオールに持ち込まれた。
 勝負の最終ゲーム。北京オリンピックのラストでもゲームオールとなったが、そのときはボルが岸川を押し切っている。前のゲームで流れを止められた岸川、ラブオールでまさかのサービスミス。続いてボルにバックサイドを攻められて0-3となり、たまらずタイムアウト。しかし、点差が詰まらず1-5でチェンジエンド。開き直りたい岸川はバックに長くなるボルのつなぎを攻めこんで4-6と追いすがる。ここで2本続けて雑なミスが出て4-8とリードを広げられると、挽回のチャンスを失ってしまった。
 結局岸川は2-1のリードを生かせずボルに無念の逆転負けを喫し、日本は1-1のタイに戻された。


岸川、2-1とリードするも・・・

ボルが攻撃モードで逆転


 日本は2008年広州大会と同様に3番手に吉田を持ってきた。
 ズュースとは同じく3番で対戦して圧勝し、日本のグループリーグ1位をたぐり寄せた。
 吉田はそのときの流れのままに、序盤から主導権を握る。吉田はバックサイドに強さを発揮するズュースに対してフォア側をうまく突いて7-3として、第1ゲームを先取。続く第2ゲーム、吉田とズュースが互いに譲らず5-5、7-7、9-9と競り合う。ここで吉田がサービスエースを奪って11-9でこのゲームも連取。勝利にグッと近づいたかと思われた。
 このまま決めてしまいたい吉田だが、ラリーでミスが出て4-6とされると、6-7で間合いが長いとイエローカードを出された。一旦7-7と追いつくも、ズュースに先に攻められて1ゲームを落としてしまった。続く第4ゲームは先手の探り合いとなり3-3。7-7からズュースにバックに攻められてからフォアを突かれる展開で7-9とされると、9-10でチャンスボールをミスして2-2に追いつかれてしまった。
 お互いのどから手が出るほどほしい最終ゲーム。吉田はレシーブに苦しんでズュースの攻撃を浴びて1-4でタイムアウト。しかし悪い流れは止まらず1-6と点差を広げられる。吉田は台上をすっきり処理できず、プレーに躍動感を失って4-8とされてしまった。
 吉田は2-0のリードを押し切れず、まさかの敗戦。日本は悔やまれる2試合連続逆転負けでドイツに王手をかけられた。


吉田、2-0からまさか・・・

ズュースがあきらめなかった


 日本がドイツに追い詰められて迎えた4番は、水谷とボルのエース対決だ。
 これまでボルに勝ったことがない水谷だが、グッと実力と世界ランキングを上げた今、ボルを下して新世代の幕開けをアピールしたいところだ。
 注目の一戦は水谷が好調な滑り出しを見せる。ボルとのラリー戦でフォアハンドで押し込んで7-4とリードを奪った。しかし、ボルも負けじと攻め返して9-8と点差を詰めると、水谷にサービスミスとレシーブミスが続いて9-10と逆転される。ここで水谷はうまくブロックでかわしてジュースに持ち込むと、バッククロスにライジングを決めて11-10とゲームポイントを握る。ここで回り込んでストレートに決めて、水谷がボルから1ゲームを先取した。続く第2ゲームはボルにバックハンドでチャンスを作られて1-4とリードされる。しかし、水谷が動き回って7-7と五分に持ち込むと、10-9からサービスエースを奪ってボルから2ゲームを連取した。
 第3ゲームは追い詰められたボルが意地を見せる。水谷のフォアを攻めて2-8と引き離して、1ゲームを奪い返した。
 この流れだとやられる水谷は、第4ゲームに猛然とスパートをかける。動きの大きさと厳しいコース取りで3-0とすると、ドイツがタイムアウト。しかし、水谷は勢いを止めずに両ハンドドライブを放って5-0と引き離した。ピンチに動じないボルは、ポジションを前にして5-3とすると、そのまま攻め込んで6-6に追いついた。このままポイントを取り合って9-9になるが、ボルにレシーブから先手を取られてフォアに決められて、2-0から2-2に追いつかれた。
 このままだと3試合続けて逆転負けを喫してしまう日本。しかし、エース水谷がそれを防いでラストにつなぐべく奮闘する。序盤から両エースとも譲らない攻防で一進一退となり3-3、4-4、5-5、6-6、7-7、8-8、9-9と点差が広がらない。勝負のこの場面、水谷はフォアで回って柔らかいレシーブでボルのミスを誘い10-9とマッチポイントを握る。すると最後はボルの連続ドライブをファインブロックでしのいだ。勝利の瞬間、両手を高く上げて叫び、そのままコートに倒れ込んだ。
 ドイツ・デュッセルドルフで修行を積んだ水谷にとって、ボルはあこがれであり目標でもあった。ヨーロッパを代表するサウスポーを打ち下して、水谷が真のトッププレーヤーとして認められた瞬間だ。そして、バトンを僚友・岸川につなぎ、勝利を託した。


水谷が渾身のドライブで攻め込んだ

ボルは意地で追いすがったが・・・

初めての勝利に叫ぶ!


 いよいよ勝負はラストに持ち込まれた。日本は岸川にすべてを託す。ドイツはオフチャロフにゆだねた。
 第1ゲームの立ち上がりはオフチャロフにペースを掴まれる。岸川は短くつないだボールをバックハンドで攻め込まれて2-6。そのまま引き離されて6-11で先行を許す。第2ゲームも岸川が3-6とリードを許すが、開き直ってフォアハンドで攻め込み9-6とひっくり返して1-1に戻した。
 ここでリードしたい両者、一進一退で3-3、4-4、5-5、6-6。ここでオフチャロフにサービスから攻められて6-8とされると、点差を縮められず8-11で失って、日本が土俵際に追い詰められた。
 ついにあとがなくなった岸川は、先手を取って動いて攻めて5-2とリード。オフチャロフにしのがれて5-5に戻されるが、前で攻撃して8-6、10-7とゲームポイント。しかし、ここで攻め切れずにジュースに追いつかれると、最後は岸川が勝負をかけたレシーブドライブがミスして万事休す。
 これで日本はドイツに3-2で敗戦し、グループリーグ1位がなくなった。


岸川、最後に詰め切れず・・・

オフチャロフが日本に立ちはだかった

2008年のリベンジ許す・・・


日本男子、第5試合でスペインに逆転勝ち ~グループ2位が決定~


 ダブルヘッダーとなった第5試合は、グループリーグ突破をかけてスペインと対戦。勝てばグループ2位通過、3-0で敗れると4位となり、グループリーグ敗退となる大事な最終戦だ。
 この局面で日本は水谷と岸川を下げる思い切ったオーダー。吉田と松平を2試合に起用して、今大会初出場の張を3番手にした。

 注目の一戦は予想外の形で進行する。
 トップは復調が待たれる松平。スペインは表ソフトのカンテロ。ゲームは立ち上がりから松平に硬さが見られて、カンテロに強打を浴びる。松平はまさかのストレート負けを喫して、日本が先取点を奪われた。

 続く2番は吉田vsマチャド。吉田は手堅いマチャドのバックハンドを打ち抜けず、ゲームオール9本で競り負けた。日本は想定外の0-2という展開で、一気に追い込まれた。

 3番は初登場の張。世界卓球のデビュー戦がとんでもないシチュエーションとなった。しかし、張はカルネロスを素早い両ハンドで圧倒して日本に流れを引き戻す会心の勝利を挙げた。

 4番は松平vsマチャド。吉田戦でのマチャドのプレーぶりに苦戦が予想された松平だが、ようやく本来の速さと多彩さがよみがえる。完全にラリーを支配して3-0で圧倒して、世界卓球の団体戦で初勝利。

 いよいよラスト。2番で不甲斐ない敗戦を喫した吉田だが、切れのあるドライブでカンテロの強打を打ち返す。吉田らしい中陣からのパワフルプレーで押し切って、日本が3-2でスペインを下した。
 これで日本はCグループ2位を決めた。ドローの結果、日本はDグループ1位の香港のゾーンに入り、決勝トーナメント1回戦でシュラガーを擁するオーストリアと対戦することが決まった。北京オリンピックでメダルを阻まれた相手にリベンジを期す。


カンテロが松平を圧倒

マチャドが吉田を封じる

張一博が流れを変えた

松平は本来のプレーが復活

最後は吉田が豪快に決めた


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

ロシア応援団が奮闘

 地元ロシア男子が中国に挑戦して会場は大興奮に。
 スカチコフが世界王者・王皓にゲームオールと肉薄するなど大いに盛り上げた。

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。