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早くから潜在能力が高く評価され、「ヨーロッパの大器」と言われたサムソノフ(ベラルーシ)は97年世界2位、98年ヨーロッパ優勝をピークに低迷期が続き、周りの期待を満足させるだけの結果を残せなかった。「40ミリボール」「1ゲーム11本制」とめまぐるしく変化する時代の中で、ラリー志向型を貫いていた彼は、自分自身のプレーを見失っていたのかもしれない。
98年ヨーロッパ選手権大会で初優勝した彼は、その直後のインタビューで「卓球は相手と対戦するスポーツ。だから常に相手のことを考え、一発で決めることより、どこにどんなボールを送れば自分が有利なラリー展開になるかを考えている。消極的に見えるかもしれないが、これが僕のプレースタイルだ」と答えた。しかし時代は、このような彼のスタイルを否定するかのように超攻撃的な方向へと流れ始めた。そして最近の彼の試合を振り返ると、「相手に攻め込まれて中陣でしのぐシーン」が数多く見られていた。
ところが、今回のヨーロッパ選手権大会で見せたサムソノフのプレーは、それまでの彼とは別人のようだった。常に前陣でのプレーを心がけ、ボールを強くインパクトして一発で得点を狙う攻撃的なラリーを展開した。
連続写真は男子シングルス準決勝でボル(ドイツ)と対戦したときのラリー。相手の体勢を見て効果的なコースに送球するサムソノフに、積極的な攻撃力が加わっているシーンだ。
サムソノフ(向こう側)はミドル前に来る左利きの横下回転サービスに対し、レシーブしやすいバックハンドで相手のフォア前にストップ。この試合ではやや長くなることが多かったサムソノフのストップだが、ここでは台上に小さく止めた。この予想以上に短いストップに対してボルは左足を大きく踏み込んでダブルストップを試みたが、ボールが高く浮いた。サムソノフはこれを見逃さず、ボルが得意とする両ハンドカウンターを封じるように的確にフォアミドルを狙った強打で得点した。
40ミリボールで勝ち抜くには、前陣での力強い攻撃力が必要。そのことを、2度目のヨーロッパチャンピオンに輝いたサムソノフが身をもって証明した。
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