用具を分析する企画「ギア・アナライズ」

 卓球レポート2008年1月号から始まった新企画「ギア・アナライズ」。  ラバーとラケットの組み合わせによって、用具の性能は大きく変わる。あのラバーにあのラケットを組み合わせると、どのような性能になるのか?
 バタフライ研究開発チームによる科学的な実験と、トップ選手の試打などから、ラバーとラケットの組み合わせによる性能の違いを分析・紹介しよう。
※掲載全文は、卓球レポート2008年1月号をご覧ください。


ひきつれ効果とは

 打球するとき、ボールはラバーに食い込みます。このとき、ラバーはボールの威力や回転の影響を受けて“ひきつれ”という現象を起こし、一瞬にして元の形に戻ります(イラスト)。この、“ひきつれ”が起きて元に戻るという一連の作用によって、ボールには強い回転がかかります。  “ひきつれ”によってボールにかかる回転の量は、ラバーの性能によって異なってきます。一般的に、ボールが食い込みやすく、なおかつ、食い込んで変形した形が元に戻ろうとする力(弾性)が強いラバーほど、“ひきつれ”によって回転をかけやすくなります。
 つまり、“ひきつれ”によってボールに強い回転をかけやすいラバーとは、「へこみやすいラバー」で、なおかつハイテンション・ラバーなどのように「弾性が高いラバー」になります。

ひきつれ効果


実験の概要

   ラバーを張った状態で45度に傾けて静止させているラケットに、1秒間に60回転しているボールとナックル(無回転)性のボールを時速27キロ(ツッツキ程度の速度)で衝突させる。
 エネルギー効率は、ボールがラケットに衝突する直前と衝突した直後の運動エネルギー(スピードおよび回転)の差異から算出する。数値が大きいほど、打球前のボールの運動エネルギーを効率よく打球後の運動エネルギーに変換していることを示す。

◇ボールの速度の前後比は、ボールがラケットに衝突する直前と衝突した直後の速度の割合から算出する。数値が大きいほど、打球後のボールのスピードが速いことを示す
●ボールの速度の前後比=V’/V

◇ラケット面に垂直方向の反発係数は、ボールがラケットに衝突する直前と衝突した直後の、ラケットの打球面の垂直方向に対する速度の割合から算出する。数値が大きいほどラケットの打球面の垂直方向によく弾むことを示し、打球面を立てた打法に向いているといえる
●ラケット面に垂直方向の反発係数=u’/u

◇ラケット面に平行方向の反発係数は、ボールがラケットに衝突する直前と衝突した直後の、ラケットの打球面の平行方向に対する速度の割合から算出する。数値が大きいほどラケットの打球面の平行方向によく弾むことを示し、打球面をかぶせた打法に向いているといえる
●ラケット面に平行方向の反発係数=v’/v

◇ボールの回転の前後比は、ボールがラケットに衝突する直前と衝突した直後の回転数の割合から算出する。数値が大きいほど、打球に回転をかけやすいことを示す
●ボールの回転の前後比=ω’/ω

実験の概要