2008年に登場し、卓球をより回転量の多い、よりスピードの あるスポーツに変えた『テナジー』。バタフライの研究開発 部はその『テナジー』が大ヒットラバーの称号を獲得する前 に、次のラバーに向けて早くも動き出していました。それは、 「今までにないものを」「世界の先端を」そして「選手を勝利 へと導くより高性能なラバーを」という純粋な思いが突き動 かすものでした。 『テナジー』の開発で蓄積した多くのノウハウをもとに研究 は進められました。目標とする性能に到達するために約5年、 その後、安定した品質を追求するために4年という時間を必 要としました。それは、性能と品質は相反関係にあることが 多く、たとえ目標の性能値に達しても、品質を追い求めると 性能が落ち、配合の種類や生産条件を変えればゼロからの スタートになるからです。品質を保ちつつ、目標の性能に再 度近づける作業を、根気強く繰り返しました。 作製されたスポンジとシートの組み合わせサンプルは500 種類を超えました。バタフライの研究員はもちろん、張継科、 水谷隼、ティモ・ボル、荘智淵などトップ選手たちが携わった 試打にも、何百時間も費やされています。良い性能の値を示 したり、試打で良い感触を得られたりしても、品質面をクリ アできずにお蔵入りになったサンプルは少なくありません。 そうした長く厳しい道のりを歩んだ末、『ディグニクス』は 2019年に誕生したのです。9年という歳月の間に、研究の評 価・測定方法が細かくなり、正確さが向上したことは、高性 能ラバーの開発成功の大きな要因となりました。樊振東、オ フチャロフ、林昀儒らは、進化した用具を使いこなし、他を圧 倒するような、鋭くて力強いプレーを見せています。今後は 彼らのようなスーパースターたちと『ディグニクス』が、卓球 をよりダイナミックなスポーツに進化させるでしょう。 進化が圧倒する。 「 回自 ス転 分 ピ にの ー と融 ド っ合 と てが完璧」 ―樊振東(中国) 37
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