わたしの練習70葛巻まゆみ ピッチの早い速攻型に

「ウチは受験校ですからね。卓球じゃ、私立校や実業高校にかないませんよ」という声をよく聞く。ここに登場していただいた葛巻選手は、県立の受験高校の選手。校内女子で学業はトップ、県の学力コンクールでも30番台なそうだ。そして、卓球の方はインターハイで準々決勝まで進み、有望選手という声もきく。勉強と卓球をどのようにして両立させているか―そのへんに触れながら、「私の練習」を書いていただいた。(編集部)

 ◇卓球と勉強の切りかえ
 ―練習のあと、夜8時から又は午前3時から勉強―


 何とはなしに入部した中学校の卓球クラブでした。確かにその頃は、特に冬季など、おもしろい競技なので、レクリエーション的な気分でやっていました。
 花巻北高に進学してからも、中学の延長という形で卓球部に入部しました。しかし、日がたつにつれて、私の心は「おもしろい」という感情から「好き」という感情に、さらに「やるぞ」という感情にはっきり変わってきたのです。
 “努力”の二字が心の支え
 よく物事の結果を評する時、得意だから、いや素質があるからなどという言葉を耳にしますが、それらは決して突如として降ってきたものでも、湧(わ)いてきたものでもなく、その人が意図的に努力した結果得た貴重な宝だと思います。何百万円というダイヤだって原石のままでは誰が美しいとめではやしてくれましょうか。私はたゆまぬ努力がすぐれた技術を生み、貧しい素質も光り輝くダイヤとなるのだと思います。“努力”の二字こそ、私の心の支えとなっている唯一の言葉です。
 受験戦争のさ中に立たされている進学高校の運動クラブ員の数は言わずと知れたもの、わが卓球部もその例に洩(も)れず、わずかに、6、7名を数えるのみです。この中にあって、卓球の競技成績で人並以上に抜きんでたいと思う気持ちと、優秀な学力で進学をなしとげたいというさけがたい現実の対立に、何度か挫折(ざせつ)をせまられました。幸い顧問の及川先生の異常なまでの卓球に対する情熱で卓球を通じての物の考え方、人生のあり方等を教えられ、また、先輩伊藤さんの強力なコーチのおかげで、ゆらぐ心も何とか支えられ、ここまでやってくることができました。
 1週間の重点目標をはっきり決めて練習する
 よく、どんな練習法や勉強法ですかと聞かれますが、特別なものは持ち合わせていません。ただ、その時、その時を一生懸命徹し、時間の浪費をなくし、けじめをはっきりさせるようにしています。なんと言っても、勉強と卓球の“きりかえ”が必要だと思います。これは何事にも言えることだと思います。重点的な練習内容については、あとで箇条書きしますが、練習する場合、一日の練習量と、その日、その週間の重点目標をはっきりと決めてかかります。時には、始業前練習となることもありますが、どんな時でも決して開始、終わりの時間をおろそかにしないことをモットーにしています。
 帰宅後の学習時間は、午後8時頃から3時間ぐらい、または午前3時頃からの二通りにしています。練習がきつい時は、どうしても後者の勉強法になりますが、やはり毎日続けることはできませんでした。でも、授業をたいせつにして、足りない時間は、日曜とか土曜を利用しました。
 以上、とりとめなく勉強とクラブ活動の両立を中心に書き述べましたが、東北の一小都市の普通高校の部員が激しい揺籃(ようらん)の時期に、このような姿で青春の価値を見出そうとしていることが、少しでも理解いただければ幸いと思います。

 ◇重点的な練習内容
 ―カット打ち、3球目攻撃、ツッツキ打ち…―


1.フットワーク
 ○ショートでオールコートにまわしてもらう。これをできるだけフォアで返す。毎日、オールコートで練習できないので、時間は土曜、日曜に多くし平日は10分か15分ぐらい。
2.カット打ち
 ○ある程度、続けることができるのだが、スマッシュできないので困った。これはパンチ力が欠けているためというので、なんとかして、パンチ力をつけたいと思う。カット打ちをする時に注意していることは…。
 (1)足をよく動かす
 (2)ボールをよく見る
 (3)いつも同じ打球点で打つ
 (4)ミートを強くする
 (5)スマッシュの時左足を踏みこんでからだを前に倒す
 ○カットマン攻略については、私の課題なので、いろいろ研究していきたい。
3.三球目攻撃
 ○おもに、ドライブ性ロングサービス、横回転ぎみのロングサービス、相手のフォアに横回転のショートサービスから攻撃の練習をする。ドライブ性ロングサービスの時は三球目をショート(プッシュ性)を使うこともある。
4.レシーブ
 ○特にフォアのショートサービスの処理に重点を置き、なるべくレシーブをツッツかないようにしている。
 ○まわってフォアハンドで打つか、ショートで返す。
5.ツッツキ打ち
 ○バック側にまわりこんで打つのがおそいので、早くまわりこんで打ちバッククロスに打ったボールはこちらのフォアへストレートに返してもらう。
 ○ツッツキをフォアにまわしてもらいスマッシュ。
6.強打対強打
7.ショート打ちとショート
8.試合形式練習
 ○一応の練習が終わったあと、毎日必ずゲームをする。
 以上です。
 特にこれからは、前陣速攻をめざして、ピッチの速い卓球をすることと、カット打ちを練習の目標にしたいと思っています。

くずまき まゆみ 岩手・花巻北高3年。
表ソフトの攻撃選手。ショートとストレート打ちがうまい


(1969年11月号掲載)
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