Tリーグの地道な取り組み

 12月某日、観客としてTリーグを観戦した。その時、何枚かのチラシを受け取ったのだが、そのうちの1枚が印象に残った。

「みなさまのご意見をお聞かせください」という言葉で始まるそのチラシには、QRコードが印刷されており、来場者向けのウェブアンケートにアクセスできるようになっている。アンケートの狙いは「お客様満足度向上のため」と書かれていた。
 このチラシを受け取った人のうち、一体どのくらいの人がアンケートに協力してくれるのかは分からない。それでも、Tリーグは、地道に、実際に試合会場を訪れた人たちの声を拾おうとしている。そこには、"世界ナンバーワンのリーグ"を目指して、これからもどんどん変わっていこうとする、Tリーグの松下浩二チェアマンの強い思いが表れているように感じた。

 変わっていこうとするTリーグの姿勢として思い出されるのは、ルール変更。2018年10月24日に開幕したTリーグは、11月8日の実行委員会でルール変更を決定した。当初のルールでは、1試合の中で、同一選手がダブルス・シングルス・ビクトリーマッチ(延長戦)の3回出場できる可能性があったが、開幕から10月28日までの男女合計12試合を終えると、1試合の中で同一選手は2回までしか出場しないようルールを改め、11月の最初の試合(11月15日)から新たなルールを実施。ルール変更の理由を次のように説明した。

「従来のルールの下では、1人の選手が3マッチに出場できることとなり、1人で3勝することでチームマッチの勝利を得られることになり、チーム戦の意味合いが薄れてしまうとの指摘が多数寄せられました。
 開幕シリーズの男女全12試合を通じて、Tリーグがチーム戦であることによる試合展開が見られ、観客の皆様からも試合内容に関しても一定の評価をいただきました。しかし、今後もより "チーム戦の面白さ、醍醐味" を感じていただく為には、複数の選手がマッチで勝利をあげることがチームマッチの勝利のために必要となる制度とすべきと考え、実行委員会の決議を経て、ルールの変更に至りました。
 今後もTリーグではよりエキサイティングなプレイを届けるべく、検討を続けてまいります」

 開幕から1カ月もたたずにルール変更をした時、Tリーグは柔軟な組織だと思ったが、先日受け取ったアンケートのチラシを見て、また同じ思いを抱いた。

文=川合綾子

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