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渋谷浩が見たパリ大会<17>男子単決勝、張継科が優勝

shibu.jpg男子シングルス決勝は、両選手とも素晴らしいプレーを見せてくれました。この試合を表現するのには、「緊張感」という言葉が最もふさわしいのではないでしょうか。
お互いに手の内を知っている2人ですから、両者とも、来たボールに対して最善の選択肢を瞬時に考えて実行しなければなりません。いかに失点を防ぐか、いかに得点につなげるボールを打てるかを、瞬時に考えなければいけないのです。なおかつ、妥協は許されません。わずかでも妥協して打球点が落ちたりコースが甘かったりすると、すぐに仕留められてしまう2人ですから、ものすごい緊張感がありました。例えば台上技術でも、1球も浮くボールがないという印象でした。
その緊張感の中で冷静にプレーすることが求められますが、2人とも冷静なプレーをしていたと思います。見た目にはあまりラリーが続きませんから、味気ないように感じられる方もおられるでしょうが、両者の妥協のないプレーに注目すると、1球1球が見ているだけで疲れるような緊張感のある試合でした。
王皓は、いろいろ試行錯誤しながらやっていたように感じます。あるときは速攻を仕掛けたり、あるときは台から少し距離を取って粘ったりしていました。それが試行錯誤なのか作戦なのかはわかりませんが、いろいろなポジションで戦っていました。一方、張継科の方は常に自分のポジションで戦っており、台から全然下がりませんでした。それが、よいかよくないかは別として、2人の異なる点でした。
タイムアウトは、2人とも早いタイミングで取っていました。中国の選手はみな早い段階でタイムアウトを取る傾向があります。1ゲームごとに「このゲームを取る」という気持ちがあるのではないでしょうか。日本の一般的な考え方としては、どうしようもなくなったときにタイムアウトを取りますが、中国の発想はそうではないようです。1ゲーム1ゲームで「このゲームを取る」という意識を持っているからなのか、早ければ第2ゲームくらいでタイムアウトを取ることもあります。これも、よいかどうかは別として、考え方の違いがあるように感じました。


渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト




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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
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