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インターハイ三冠王渋谷浩が見た北九州大会<5> 男子シングルス決勝 

shibu01.jpg決勝は森薗(青森山田)が準々決勝、準決勝と動き回って相当体力的に消耗していたと思いますが、彼の特長であるファイティングスピリットを前面に出して、力を出し切ったということに尽きますね。戦術的には、森薗が一番避けたいのは、及川に早いタイミングでフォアストレートを突かれて大きくフォア側に振られることです。こうなると森薗はバック側に大きなオープニングができてしまうので、この状況をいかに避けるかということを考えていたと思います。そのため、とにかく及川のバック側を攻めて、逆に相手のフォア側を空けてそこを攻めるという戦術を取っていました。森薗としても回り込んでバッククロスにフォアハンドドライブを決めるというのが最も得意のパターンなので、この戦術はうまく行っていたと思います。
及川は前半コース取りを意識していたと思いますが、そこに神経を使いすぎてプレーのスケールが小さくなっていました。及川はやはり先に森薗のフォア側を攻めて、バックをつぶしたかっんだと思いますが、それに気を取られすぎてプレーが消極的になっているように感じました。それでも1年生で決勝進出は大健闘でしょう。

田添(希望が丘)は準決勝で及川に敗れました。この試合では及川が前陣、田添が中陣になりましたが、及川は持久戦に近いようなやり方で、無理に攻めずに粘り勝ちしましたね。田添は男子ダブルス、学校対抗と決勝まで勝ち残って相当数の試合をこなしていますから、疲れがたまっていたのでしょう。昨日までよりもちょっとスイングが鈍いように見えました。このレベルではボール1個分打球点が遅れるだけで勝敗を左右するということも少なくありません。
渡辺(明徳義塾)は得意の両ハンドの速攻で、昨年ベスト4の松下(愛工大名電)を攻め抜きました。松下は日本式ペンホルダーの両面という変わったプレースタイルですが、流れるような両ハンドドライブはいいですね。ただ、ラリー志向が強すぎるようなので、もう少しバリエーションが増えてくると楽しみな選手です。
堀(明徳義塾)は両ハンドとも威力があって打ち合いに強い選手です。その強さを生かすためのプレーができればもっと上を狙えるでしょう。
吉村(野田学園)は準々決勝で田添に敗れましたが、ミスが減って順調に伸びています。リスキーな卓球ですが、どこからでも広角に打てるキレのある両ハンドを武器に、まさかこのボールを打ってくるのか、このコースに打ってくるのかと、人が驚くようなプレーを見せてくれるおもしろい選手ですね。

渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
第52回インターハイ名古屋大会(1983年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス2位、男子ダブルス優勝
第53回インターハイ横手大会(1984年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝
第54回インターハイ鶴来・野々市大会(1985年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝

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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
平成25年度全国高等学校総合体育大会:http://www.fukuoka-koutairen.com/2013ih/
全国高等学校体育連盟卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/

今大会の模様は卓球レポート9月号(8/20発売)、および10月号(9/20発売)に掲載。
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