1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国際大会
  4. 世界卓球
  5. 2015蘇州
  6. 世界卓球2015蘇州大会7日目④ ボル、樊振東に惜敗

世界卓球2015蘇州大会7日目④ ボル、樊振東に惜敗

世界卓球2015蘇州大会7日目、男子シングルス準々決勝4試合のうち3試合が先に行われた。いずれの試合も中国勢が相手選手を圧倒。ベスト4経験者のボルは樊振東と熱戦を繰り広げるが、牙城の一角を崩すにはいたらなかった。
 

馬龍のフォアドライブに唐鵬は自分のプレーができず
 
許昕を破った方博はフランチスカを圧倒
 
ボルは超攻撃的なプレーで樊振東に挑んだ
 
樊振東はフォアハンドドライブでラリーを制した
 
怪童・樊振東が初の4強入り


<男子シングルス準々決勝>
馬龍(中国) 6,7,9,1 唐鵬(香港)


5回戦で朱世爀のカットを打ち抜いてベスト8入りを決めた馬龍と、単複で勝ち残り勢いに乗る李尚洙を退けた唐鵬との一戦は、馬龍が威力と安定感を兼ね備えたフォアハンドドライブで攻めて、唐鵬に反撃のチャンスを与えなかった。優勝候補の馬龍が危なげなくベスト4入りを決めて、初優勝に向けて1歩あゆみを進めた。

方博(中国) 5,9,-8,5,5 フランチスカ(ドイツ)

3回戦で世界ランキング8位のフレイタスを破り荘智淵の崩れたパートを勝ち上がってきたウクライナのコウを倒して準々決勝に勝ち上がってきたフランチスカ。方博は初の世界卓球で肩を痛めた先輩の許昕を破りベスト8入り。
第1ゲームは、両者ともに様子を見ながらフォアハンドの威力で優る方博が11-5で先行。
第2ゲームはフランチスカも方博のチキータレシーブを狙い打つなど互角の展開となるが、方博のチキータ、フォアハンドの威力に一歩及ばず9-11。
第3ゲームは台上からチャンスをつくったフランチスカが8-5とリード、しかし、ここから方博が打球点の高いフォアハンドで8-7と追い上げるとフランチスカがタイムアウト。方博がチャンスボールをミスしてフランチスカがゲームポイントを握ると、方博の鋭いフォアハンドドライブにバックハンドカウンターを決めて11-8でフランチスカが1ゲーム返す。
台上では分があるフランチスカだが、長いラリーになると方博のフォアハンドドライブを止められない。11-5で方博が3対1。
方博の安定感の高いフォアハンドカウンターに、フランチスカは厳しく攻めようとしてミスが出る。11-5で方博が準決勝進出を決めた。

樊振東(中国) 10,9,-8,7,-13,7 ボル(ドイツ)

3回戦でモンテイロ(ポルトガル)との死闘をくぐり抜け、4回戦で香港の若手ウォン・チュンティンを下して勝ち上がってきたボルに対して、パリ大会では張継科に敗れたが、もはや優勝候補の一角としての貫禄すら身に付けてきた樊振東。
第1ゲームは樊振東のドライブにすべてカウンターで対応。昨日までとはボルの雰囲気が違う。強気の攻めで4-1とリードするが、ネットインが2本続き4-4に。両者が集中した中、9-8からボルがサービスミス。痛い失点だが、次のポイントでボルはラリーを制してゲームポイントを握る。樊振東の3球目バックドライブが深くに入り10-10に。樊振東は台上で先手を取って2点連取。
エッジなどアンラッキーなポイントが多いが、集中力を切らさずプレーするボルが7-5とリード。樊振東はボルのカウンターを警戒してか、全力のドライブでボルのコートを強襲し7-7に。樊振東のレシーブミスで9-7とするが、ボルのカウンターをさらにカウンターした樊振東が追いつき9-9。樊振東のチキータからの展開で2点連取し、このゲームも樊振東。
第3ゲームも4-4とポイントは競るが、内容的には樊振東が押している。4-6と樊振東がリードしたところでボルがタイムアウト。樊振東はタイムアウト明けのサービスミス。ボルの回転量の多いループにカウンターがオーバー。ボルはフォアハンド強打で連続攻撃を仕掛け8-6とリード。再び樊振東が追いつき8-8。ここで樊振東が2本チキータミスして、ボルが10-8。樊振東のバックドライブがオーバーしてボルが1ゲーム返し、1対2。ここまでで既に今大会屈指の名試合という印象だ。
第4ゲームは樊振東のフォアハンドドライブが火を吹き、8-4とリード。ボルの表情が曇る。10-6とゲームポイントを握った樊振東が11-7とし、メダル獲得に王手。
あとがなくなったボルは攻めたい気持ちが逸り、3-3から2本レシーブミス。しかし、勝ちが見えてきた樊振東にもミスが出る。ハイレベルなラリーの応酬で8-8になるが、樊振東のカウンターがボルのフォア側を抜いて9-9に。バッククロスへのシュートドライブを決めて10-9としたボルだが、樊振東もバックドライブでボルのフォア側を抜いて10-10。台上のボールをボルが空振りして樊振東にマッチポイント。ボルが回転のかかったループでミスを誘い1本しのぐ。ボルはゲームポイントを落として12-12となるが、三度ゲームポイントを握るも樊振東のフォアハンドドライブが決まる。4度目のゲームポイントを握ったボルは大きなラリーから回り込んでバックストレートにフォアハンドドライブを放ち、樊振東のバックカウンターがオーバー。勝負に出たボルが望みをつないだ。
樊振東はボルの捨て身のカウンターにもフルスイングのカウンターをオープンコートに決めるなど、もはや怪童は怪物としかいいようのない選手にまで成長した。思い切ったプレーはミスも出るが、相手には脅威でしかないだろう。エッジボールやボルのミスも出て9-5と樊振東がリード。チキータをミスし9-6となったところで樊振東ベンチの呉敬平がタイムアウトを指示。信じられないラリーから樊振東がボルをフォア側に飛びつかせてからバック側を攻めて10-7とすると、ボルがレシーブでチキータをネットにかけて大熱戦は幕を閉じた。
世界ジュニア選手権ハイデラバード大会で優勝した樊振東を初めて目にしたときにはどのような選手になるのか、脅威と期待を感じたが、それからわずか2年でこのような強い選手に変貌を遂げるとは誰が予想しただろうか。馬龍との準決勝も熱い試合になることは間違いない。

 

今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2015蘇州/公式サイト(中国語/英語):http://www.suzhou2015.org/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2015蘇州(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2503&category=WTTC

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事