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元日本代表が世界卓球を語る「梅村礼の眼」⑪

世界卓球2016クアラルンプールでは、全日本チャンピオンの座に2度輝き、日本代表としても活躍した梅村礼がその鋭い目で見た世界卓球を語る。ここでは日本女子の決勝トーナメント準々決勝となるドイツ戦について話を聞いた。


ayazo.jpg  日本は昨日のドイツ戦で、福原が2点を落として敗れたので、やはり2点使いは怖い、ということで3番に下げました。ドイツはそれを読んで、福原に勝ったシルバーアイゼンを3番にぶつけてきました。オーダーではドイツの読み勝ちといったところでしょう。
 1番の伊藤が、先陣を切って本当にいい試合をしてくれました。15歳らしからぬ試合運びでした。相手をよく見て前後左右にヴィンターを動かしていました。特に今日は強打で相手を振り回している印象があってとても力強さを感じさせました。1発の威力のあるヴィンターに十分な体勢で打たせないような配球は、この1日で戦術をしっかり立ててきたことがうかがえました。3ゲーム目は落としましたが、終始攻めていて、本当にいいトップバッターだったと思います。
 2番の石川も昨日の対戦を踏まえてこの試合に臨んだことが出だしからよくわかりました。石川は序盤からゾルヤのミドルを意識させるような配球に変えていました。それで、バックハンドが得意なゾルヤはレシーブの位置を少しフォア側に移動して構えていました。これで、ゾルヤの得意なバック側にスペースができるので、石川はミドル、フォアを攻めて、両サイドに決めるという戦術がはまっていました。自分の得意なバック側を抜かれたゾルヤは精神的にも大きなダメージを負っていたと思います。ゾルヤは台上があまり得意ではないので、相手に持ち上げさせたボールをカウンターしたいと考えていますが、石川はゾルヤのハーフロングサービスに対して的確なストップで対応していたので、ゾルヤはとてもフラストレーションのたまる試合だったと思います。3ゲーム目で石川がリードを逆転されて落としたときは、1本ロングサービスを使っておくべきでした。というのは、ゾルヤが短いサービスに対応するために前に出てきていたので、ロングサービスを出すことによって、レシーブ位置を元に戻させて、ショートサービスだけに的を絞らせないようにすれば、もっと楽な試合展開にできたと思います。
 3番の福原は、昨日はシルバーアイゼンにツッツキされたボールに対して強打できなかったと言いましたが、今日は合わせるボールと強く打つボールをうまく使い分けていましたし、持ち上げたあとはラケットを高い位置に保って、打たれることを想定してブロックの体勢に入っていました。あれだけブロックが止まると、シルバーアイゼンにも打ち急ぎが出てきてミスも多かったです。昨日の負けを生かして勝ちに結びつけた素晴らしい試合でした。
 明日の準決勝はシンガポールと朝鮮民主主義人民共和国の勝者と対戦します。どちらが勝ち上がってきてもおかしくありませんが、今まで以上に厳しい戦いになることが予想されます。しっかりいい準備をして試合に臨んでもらいたいですね。


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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC

 

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