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インターハイ三冠王渋谷浩が見た郡山大会<4> 男女学校対抗決勝

【男子学校対抗決勝】

 愛工大名電(愛知) 3-0 遊学館(石川)
○宮本 7,-11,-12,9,8 川村
○木造 5,6,4 三上
○木造/髙見 10,-6,7,10 出雲/五十嵐
 

 トップは同じタイプの戦型の宮本と川村の対戦でした。川村はかなり思い切った攻めを見せましたが、最後は要所でポイントを取れる宮本が実力で上回ったという形でしたね。技術・戦術というよりも勝負強さ、ここ一番の強さという点で宮本が優っているという印象でした。
 ここまで、準決勝では失点するなど少し不安定な木造でしたが、この試合は、とにかく早い打球点で先手を取って三上に試合をさせませんでした。三上はほとんど自分の思い通りのプレーができなかったのではないでしょうか。それくらい木造は隙のないほぼ完璧なプレーだったと言えるでしょう。心技体かみ合った状態でプレーできていました。
 遊学館はダブルスを取って後半に望みをつなぎたいところでしたが、今大会のチャンピオンペア(木造/髙見)がやや上回っていました。遊学館ペアもがんばって食い下がりましたが、一歩届きませんでした。名電ペアは、左右のペアということもあり、高い打球点でボールを捉え、ボールをワイドに攻めることができるのが強みですね。攻撃同士の対戦だと、なかなかノータッチで抜くというのは難しいのですが、サイドを切ってノータッチというプレーが名電ペアの方が多かったです。
 遊学館は、出る選手が皆思い切ったプレーで今大会を盛り上げてくれました。上から押し込むようなカウンターを要所で見せたり、安全策を取らないはつらつとしたプレーは高校生らしくてよかったです。決勝はお互いに死力を尽くしての結果なので、2位でも大健闘だと思います。
 

 

【女子学校対抗決勝】

 四天王寺(大阪) 3-1 明徳義塾(高知)
 塩見 -7,-5,4,-9 三村(優)○
○木村 4,5,-4,10 里川
○梅村/塩見 5,8,9 井/三村(優)
○大川 8,-10,3,5 船場
 

 明徳義塾トップの三村はサービスを持ったときに、長いサービスからの展開が中盤までは非常に有効でした。塩見は長いサービスに対して、レシーブミスをしたり、持ち上げたところを表ソフトのバック面で狙い打たれたりと苦しい展開でした。3ゲーム目はレシーブでスマッシュを打ったところで流れが変わって、三村もサービスを考え始めてリズムが悪くなりましたが、4ゲーム目はやはり長いサービスを思い切って使って三村が勝ちきったという試合でした。
 2番は、里川の高い打球点で上から伸ばしてくるバックハンドドライブに対して、木村がやや距離を取って両ハンドで振っていって、要所でフォアハンドでフォアクロスに厳しく決めていくという展開でした。木村の方が格上でしたが、里川は1対0で回ってきたので、勝っても負けても3番までいい流れで回したいという気持ちが出ていたと思います。
 しかし、ダブルスは四天王寺が圧倒しました。明徳義塾ペアは、四天王寺ペアの異質ラバーのボールを速いピッチで返そうとしていましたが、それがうまくいっていませんでした。コース取りなどに工夫も見られましたが、得点パターンの多い四天王寺ペアには及びませんでした。
 4番は根比べになりました。船場の高くて回転量の少ないドライブで大川のバック側に、フォア側に打つときは回転量の多いドライブで粘ってプレーしましたが、大川は高い打球点で船場のバック側を詰めて、ミスを誘ったという試合でした。あのような高いドライブに対してカット主戦型の選手は強打できればいいのですが、打ってミスして相手を勢いづかせるということもあるので、膠着状態になったら深いカットで左右に相手を振り回すのが得策でしょう。この試合では船場の粘るボールに強弱がなかったので、大川が定位置でゲームメークできたのだと思います。
 学校対抗は男女とも連覇しましたが、王者の意地を見ました。四天王寺はトップの塩見が敗れてもまったく動揺した気配を感じさせませんでした。愛工大名電も四天王寺も、全員で勝つという強い信頼関係があるのだと思います。団体戦の戦い方という点で、百戦錬磨の強さを感じました。
 

 

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渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
第52回インターハイ名古屋大会(1983年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス2位、男子ダブルス優勝
第53回インターハイ横手大会(1984年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝
第54回インターハイ鶴来・野々市大会(1985年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝
 

 


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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
平成29年度全国高等学校総合体育大会:http://2017soutai.jp/
全国高等学校体育連盟卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/
今大会の模様は卓球レポート9月号(8/20発売)に掲載予定です。
 

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