9月3〜4日、福岡県のアクシオン福岡で「2022 全農CUP TOP32福岡大会」が開催。この大会は2024パリオリンピック選考会の第2回として行われ、男女各32名のトップ選手が集い、トーナメント方式で優勝を争う。そして、順位に応じてパリオリンピック選考ポイントが付与される。
最終日となる大会2日目は男女シングルスの5-8位決定戦、準決勝、3-4位決定戦、決勝が行われ、男子は決勝で張本智和を破った戸上隼輔が選考会初優勝を決めた。
優勝 戸上隼輔(明治大学)
▼男子シングルス準々決勝
張本智和(IMG) 3,6,5,4 曽根翔(T.T彩たま)
木造勇人(個人) 4,-9,5,-7,-12,9,7 吉村真晴(愛知ダイハツ)
篠塚大登(愛知工業大学) 8,4,5,-6,3 松島輝空(木下アカデミー)
戸上隼輔(明治大学) 9,5,2,10 及川瑞基(木下グループ)
▼男子シングルス5位〜8位決定戦
吉村真晴(愛知ダイハツ) 3,-2,9,-5,9,6 曽根翔(T.T彩たま)
松島輝空(木下アカデミー) 6,5,-9,9,-8,-9,7 及川瑞基(木下グループ)
▼男子シングルス5位〜6位決定戦
松島輝空(木下アカデミー) -7,12,8,5,12 吉村真晴(愛知ダイハツ)
▼男子シングルス7位〜8位決定戦
及川瑞基(木下グループ) -7,9,9,9,-7,6 曽根翔(T.T彩たま)
▼男子シングルス準決勝
張本智和(IMG) 3,9,8,10 木造勇人(個人)
戸上隼輔(明治大学) 8,6,5,7 篠塚大登(愛知工業大学)
▼男子シングルス3位〜4位決定戦
篠塚大登(愛知工業大学) 5,7,-6,8,10 木造勇人(個人)
▼男子シングルス決勝
戸上隼輔(明治大学) -5,11,6,6,6 張本智和(IMG)
男子シングルスの決勝はTリーグ NOJIMA CUP 2022優勝の張本智和と、全日本王者・戸上隼輔(明治大)という決勝にふさわしい対戦になった。決勝までの4試合で落としたゲームは両者ともわずか1と好調だ。
先手を取ったのは張本。前陣での速い攻めで戸上を圧倒し、第1ゲームをあっさり先制する。第2ゲームも張本が主導権を握り、戸上は大量リードを許す展開。
取材陣の近くで観戦していた戸上の恩師・橋津文彦野田学園監督は「どちらも前陣を譲らないけど、それだと智和のペース。隼輔は振ってなんぼだから距離を譲っても(台から下がっても)振っていくべき」と分析してくれたが、この劣勢の場面で戸上はまるで恩師の声が聞こえたかのように覚醒する。ストレートへの思い切ったバックハンドを皮切りに両ハンドを振り抜き、第2ゲームを逆転で奪うと、そこからの戸上がすごかった。まさに火を噴くかのような猛攻で張本を防戦一方に追い込み、またたく間に3ゲームを連取して優勝まで一気に突っ走った。
「なかなか結果が出なくて苦しかった」と優勝インタビューで胸の内を明かした戸上だが、その鬱憤を全て吹き飛ばすような圧巻のプレーで、パリオリンピック選考レースのトップシーンに返り咲いた。
2位 張本智和(IMG)
NOJIMA CUP 2022を制し、自信を持って今大会に臨んでいた張本だったが、戸上の猛攻の前に涙をのんだ。「(選考会は)自分の実力を確かめる意味もあるので、それに関しては2位は良かったですが、今日の(決勝の)負け方は本当に良くないので内容は反省するところが多い」と肩を落とした張本だったが、決勝までのプレーは他を圧倒していた。さらなる飛躍の種を手に入れた張本の次戦に期待したい。
3位 篠塚大登(愛知工業大学)
3位は篠塚大登。戸上との準決勝では球威に圧倒されて良さが出せなかったが、木造との順位決定戦では、持ち味のしなやかな両ハンドで力のあるところを示した。
4位 木造勇人(個人)
木造は、昨日の準々決勝で好調の吉村真晴をゲームオールで振り切ったが、準決勝で張本、順位決定戦では篠塚に敗れ、4位に終わった。
詳しい記録は公益財団法人日本卓球協会の大会ページまで
https://jtta.or.jp/tournament/draw?cd=10008
(取材=卓球レポート)