1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国際大会
  4. 世界卓球
  5. 2023ダーバン
  6. 世界卓球2023ダーバン 加藤美優が語る女子シングルスの見どころ(後編 日本選手と注目の世界の強豪選手)

世界卓球2023ダーバン 
加藤美優が語る女子シングルスの見どころ
(後編 日本選手と注目の世界の強豪選手)

 間もなく世界卓球2023ダーバンが5月20より南アフリカのダーバンで開幕を迎える。
 アフリカ大陸での世界卓球開催は1939年のカイロ大会以来で、南半球での開催は初だ。
 卓球レポートでは大会に先駆けて、世界卓球2017デュッセルドルフでベスト16、世界卓球2019ブダペストでベスト8という好成績を残し、世界のトップ選手たちとの豊富な対戦経験を持つ加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)に、女子シングルスと女子ダブルスの見どころを聞いた。
 女子シングルスの見どころ後編では、加藤もよく知る日本選手への期待について、また、世界卓球を盛り上げてくれるであろう世界の強豪選手について聞いた。

日本選手の展望と課題
加藤が最も期待を寄せる選手は平野

 中国選手の対抗馬として挙げられるのは、もちろん日本の選手だと思います。中でも私が注目しているのが平野美宇選手です。平野選手は最近、調子がいいイメージがあります。両ハンドの強いボールがあるので、自分から攻めていくプレーができれば強いですし、最近は攻撃だけではなくて守備力もかなり上がっていると思うので、上位を狙っていけると思います。
 伊藤美誠選手も対中国選手という点で、日本勢の中で一番いい勝負ができる実力はあると思いますが、調子があまりよくなさそうですね。戦型的にも伊藤選手を苦手とする相手は多いので、いいコンディションで臨んでほしいと思います。
 早田ひな選手も実力的には十分通用すると思います。前大会でもベスト16でしたから、さらに上を目指してほしいと思いますが、ラリーだけで中国選手を上回るのは難しいので、サービスからの展開で、高い攻撃力を生かすようなプレーができるといいとチャンスが生まれると思います。
 個人戦初出場の木原美悠選手はサービスが非常にうまいので、初対戦の選手はうまくレシーブできないんじゃないでしょうか。その強みを生かして上位を目指してほしいです。
 同じく個人戦初出場の長﨑美柚選手はパワー卓球が持ち味なので、3球目攻撃やレシーブから一発で抜きにいくようなチキータなど、攻撃的なプレーを見せてほしいと思います。
 対中国という意味では、日本選手はラリーで勝つのは難しいので、サービス・レシーブでいかに相手を崩せるかがポイントになると思います。日本の選手はみんないいサービスを持っていますが、中国はきっちり対策をしてくるので、サービスの工夫は絶対に必要になってくると思います。
 日本選手はみんな競争が激しい中を勝ち抜いて世界卓球の大舞台に行くので、自信や責任感が他の国の選手よりも強いと思います。実力が発揮できさえすれば、上位に行けると思うので、自信を持ってプレーしてほしいですね。
 

シングルスのメダル獲得経験のある平野。前大会では陳夢に肉薄した

中国を脅かす実力を持つ伊藤には万全の態勢で臨んでほしい

前大会ベスト16の早田。順調に実力を付けてきている

初出場の木原。加藤が評価する高いサービス力を生かしてほしい

長﨑も個人戦には初出場。持ち前のパワフルなプレーで世界卓球に挑む

加藤美優が注目する
大会をにぎわす世界の選手たち

 中国、日本以外で私が注目している選手も紹介しましょう。
 筆頭はカット主戦型のベテラン、ハン・イン(ドイツ)です。まず、フォアカットがめちゃくちゃ切れているのと、バック面のラバーが表ソフトなので、返ってくるのが早いし、本人も意図していないような変化が出て、毎回返ってくるボールの質が違います。加えて、以前と比べてフォアハンドの攻撃力も上がっています。体力面、精神面できつそうだなと思うことがありますが、集中したときは想像以上に強いです。
 鄭怡静(中華台北)も怖い相手の1人だと思います。ちょっと前までは崩れやすかったり、凡ミスが多く出たりという欠点がありましたが、最近はバックハンドがうまくなって、バックハンドでも安定してパワーボールを打てるようになっているので、日本選手も当たりたくない相手ですね。フォアハンドは昔からすごくうまくて、動きもいいので、欠点がなくなったという印象です。
 ポルカノバ(オーストリア)は世界ランキング(12位。2023年代19週現在)と高く、対戦してみると、丁寧なプレーをしているようでいて、パワーボールが多くてやりにくいという意外性があります。リーチもあるので、ラリー戦に強く、安易にクロスに打つと前陣から速いボールが返ってきます。ハマったら抜け出せないという状態になってしまう怖さがあると思います。
 A.ディアス(プエルトリコ)は、対戦したことはありませんが、邱建新さんの指導を受けて強くなっていますね。ミート打ちが多い選手なので安定感に欠けるところがあると思いますが、最近は凡ミスも減ってきました。ミート系のボールは中国選手もやりにくいと思うので、結構競ることもありますが、競ったときには結局安定している方が勝つので、最後まで強気のボールが入り続けるかどうかが勝負の分かれ目になるでしょう。強い選手と競ることと、勝ちきることの間には大きな違いがありますからね。
 S.サウェッタブート(タイ)も面白い選手です。調子がいい時は強いです。世界卓球2021ヒューストンでは伊藤選手ともいい勝負をしましたし、2023シンガポールスマッシュでは早田選手に勝ちました。戦術やサービスの配分などで改善の余地はあると思いますが、競った場面でも思い切ってミート打ちをしてきたりするので、対戦するのは嫌な相手です。
 韓国のエース申裕斌はパワーがあってボールが重いのが特徴です。レシーブも両ハンドドライブも安定していて、打球点も早く、ちょっと日本選手に近いプレースタイルで、質の高い卓球をしていると思います。日本選手はやりにくい相手になりそうです。
 倪夏蓮(ルクセンブルク)は、ツブ高に強い日本選手は怖くはないと思いますが、何より経験が豊富で大舞台に強いので、他のアジア圏の選手たちからしたら怖い存在だと思います。波乱を起こす可能性はあると思います。
 同じく、ツブ高ラバーを使う異質型のバトラ(インド)も最近成長している選手ですね。元々ツブ高のお手本みたいな粘り強い卓球をしていましたが、最近はフォアハンドでもいいボールを打てるようになって、安定感のある卓球に変わってきているので組み合わせ次第では上位進出の可能性もあるでしょう。
 4月に行われたWTTスターコンテンダー バンコクで平野選手に勝っていたチャン・リリー(アメリカ)は、プレースタイルが日本選手に近いですね。深くて回転のかかったボールが連続で打てるので、そこが強みです。一発で抜けるようなボールはありませんが、試合が進むほどミスが少なくなってくるタイプなので、競り合いにも強く、要注意だと思います。

カット主戦型のハン・インは多くの選手にとって難関となりそうだ

鄭怡静はバックハンドが安定してきたと加藤。ベスト8の壁を破れるか?

ディアスはミート系のボールが最後まで入り続けるかが勝負の分かれ目

S.サウェッタブートは格上の選手にも思い切ってプレーする怖さがある

申裕斌は「パワーがあってボールが重い」と加藤。韓国エースとしての期待も背負う

大ベテランの倪夏蓮。大舞台での強さは健在だ

(まとめ=卓球レポート)

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事