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世界卓球2023ダーバン 高樹ミナのダーバン便り 
戸上が単複で初戦勝利。宇田もダブルス勝利で弾み

 スポーツライターの高樹ミナ氏がダーバンから選手の声と現地の様子をお届けする本企画「高樹ミナのダーバン便り」。国内外で選手たちを間近で見続けてきた高樹氏の目に、大舞台でプレーする選手の姿はどのように映るのか。デイリーで配信予定です。

 南アフリカで5月20日、世界卓球2023ダーバン(2023年世界選手権ダーバン大会ファイナル〔個人戦〕)が開幕した。
 南半球は秋の終わり。日中は気温25度前後と過ごしやすいが、朝晩は一気に10度ぐらい下がって冷え込むため半袖と上着が欠かせない。ちょうど今の日本と同じような陽気の中で選手たちは過ごしている。

 大会初日は日本勢の先陣を切った吉村真晴(TEAM MAHARU)が男子シングルスで初戦勝利を挙げると、これに女子シングルスで木原美悠(木下グループ)、男子シングルスで戸上隼輔(明治大学)、さらに男子ダブルスで宇田幸矢(明治大学)/戸上ペアが続き初陣を飾った。

 初日から2種目を戦った戸上は世界卓球初出場だった2021ヒューストン大会と比べ、「今回の方が緊張しました。2年前は初出場だったこともあって楽しみながら(試合が)できたんですけど、今回は楽しもうと思いつつ、どこか不安だったり緊張感もあった」と開口一番。
 ただそれはこの2年で実力と実績を上げてきたからであって、決して消極的な気持ちではない。

 特に時間をかけ強化してきたサービス・レシーブの成果が発揮され、奇しくも2年前の初戦と同じ顔合わせせとなったチェコのポランスキーに対し、「台を広く使う意識を常に忘れずにミドルとかにもサービスを出せて、要所要所で得点に繋がった」と話した。

 2回戦の相手は大会2日目(21日)の初戦を勝ち上がってくるであろう中国若手のエース王楚欽の可能性が高い。そうなった場合、これも2021ヒューストンで当たった相手。
 ヒューストンでは3回戦でストレート負けを喫し、圧倒的な実力差に打ちのめされた戸上だが、今回はどんな気持ちで臨むのか?

「王楚欽選手とは団体戦(世界卓球2022成都)でもやってますし、自分の成長を確かめられる対戦になる」と話す一方、「『どんな確率だよ』って(ドローを)見たとき思いました」と思わず本音も。

「でも中国選手と(試合が)できるのはワクワクというか、誰と当たっても中国選手は強いので、誰でもいいから(試合を)やりたい」と強敵とのリベンジマッチを歓迎していた。

ポランスキーを再び初戦で退けた戸上。2回戦の相手はおそらく難敵・王楚欽だ

 その戸上は宇田とのペアで今大会、男子ダブルス金メダルを狙うと宣言している。
 ヒューストンでは初出場にして銅メダルに輝いた盟友同士。1回戦はマドリード(メキシコ)とジーシャン・リャン(アメリカ)という国際ペアを相手に3球目攻撃が次々と決まりスピード決着。ストレートで2回戦に駒を進めた。

 試合後、戸上が「初戦から自分達のプレーが発揮できて良かった。特にラリー戦になったときにノータッチを取る機会が非常に多かった。自分達のテンポ、打球点というのが上がった証しなのかなと思う」と振り返ると、「安定したプレーはできたんですけど、もう少し攻撃的なプレーも混ぜていかないと勝ち上がったときは通用しないので、そこを調整していきたい」と宇田。

 戸上は大会2日目は試合がなく、軽い練習とウエイトトレーニングなどをする調整日となるが、宇田は朝一番(日本時間21日17時)に木原との混合ダブルス1回戦、夜(日本時間22日午前3時30分)は男子シングルス1回戦に臨む。
 腰を痛め棄権した篠塚大登(愛知工業大学)に代わり、急きょ、3種目にフル出場することとなった宇田は大舞台でのチャンスをものにしようと意気揚々だ。

宇田(左)は「もっと攻撃的なプレーを混ぜていきたい」と好調のうちにも油断はない

試合後の選手たちが囲み取材を受ける「ミックスゾーン」。ここもドラマが生まれる場所の一つだ

(文=高樹ミナ)

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