プロ卓球 Tリーグ2023-2024 菱洋エレクトロ presents
女子セミファイナル
2024年3月23日、ノジマTリーグ2023-2024シーズンのプレーオフ2日目。12時から女子のレギュラーシーズン2位と3位が対戦するセミファイナルが行われた。レギュラーシーズン2位の日本生命レッドエルフに、レギュラーシーズン3位の日本ペイントマレッツが挑んだ。両チームのシーズン対戦成績は3勝1敗と日本生命レッドエルフが勝ち越しているが、シーズンの勝点差はわずかに1で、どちらが勝ってもおかしくない対戦となった。
Tリーグ方式の1番はダブルス。日本生命は中国勢の孫銘陽／孫芸禎の左右コンビ。一方の日本ペイントは1月の全日本卓球準優勝のカットコンビ・橋本帆乃香／佐藤瞳が登場。立ち上がりは日本生命ペアが長身から繰り出すパワードライブで7対3とリードを奪うが、左の孫芸禎が少し攻め急いでミスが出て、日本ペイントペアが8対8に追い付くと、ジュースにもつれる展開。ここでカットペアがつなぎのボールを狙い撃ってマッチポイントを握ると、変化カットで連取して、日本ペイントペアが先行した。
続く第2ゲームはパワーのある孫銘陽まで回したい孫ペアがラリーで攻め込むが、橋本／佐藤がカットと反撃を交えて応戦して3対3、4対4、5対5、6対6、7対7、8対8、9対9、10対10と両者一歩も譲らない。11オールから日本生命ペアがツッツキをミスすると、最後は橋本／佐藤が孫ペアの猛攻をしのぎ切り、貴重な先取点を挙げた。
先制された日本生命は若手ホープの赤江夏星を投入。一方の日本ペイントは後期MVPの橋本帆乃香が2試合続けて登場。立ち上がりは早めに仕掛ける赤江の攻撃に、橋本が変化カットと反撃で応戦してジュースにもつれるが、赤江が腰を据えて粘って先行する。第2ゲームも丁寧な攻守から一発強打で攻める赤江に対して、橋本はフォアハンドドライブとバックスマッシュを交えて揺さぶり10対9となるが、ここでも赤江が我慢のループドライブで奪い取り、勝利に王手をかけた。
追い込まれた橋本は、反撃を増やして赤江を落ち着いて攻めさせず、4対9と引き離して1ゲームを取り返した。すると第4ゲームは橋本が強打をしのいでからの反撃を決めて3対7とリードを奪う。ここで赤江は橋本の反撃を下がらず防いで距離感を戻して7対7に追い付く。ここからラリーの応酬となりジュースにもつれる。日本ペイントベンチから「迷わないよ」の檄が飛び、橋本が必死に粘って競り勝ち、ゲームを五分に戻した。
最終ゲームは6対6からスタート。いい流れで入った橋本が連取して6対8となり、日本生命がタイムアウト。赤江はなんとか長いラリーに持ち込んで追い付くと、10対9から赤江のブロックがネットイン。好ラリーが続出した試合はあっけない幕切れで、日本生命が星を五分に戻した。
ファイナルへの流れを作る3番。日本生命は大エースの早田ひなが登場。一方の日本ペイントは横井咲桜をぶつけてきた。立ち上がりから早田の鋭い攻めに横井がついて行き、深いツッツキからカウンターを狙って7対9と逆転して第1ゲームを先行した。
国際大会などの疲れもある早田だが、先制されてで目が覚めたのか、横井をバックサイドに詰めて小気味よく強打を決めて第2ゲームを取り返す。すると早田は懐の深い攻守を展開して横井から主導権を奪う。早田は前後にうまく配球して横井の攻めミスを誘い、一気に3ゲームを連取して逆転勝ち。これで日本生命がファイナル出場に王手をかけた。
ここで決めたい日本生命は3人目の中国勢として范思琦が登場。後がない日本ペイントは横井と同級生の大藤沙月。この試合は順位ハンディーで事前に大藤の出場がわかっており、1月の対戦で勝っている范思琦をぶつけた形だ。
しかし試合は意外な展開となった。序盤はバッククロスのたたき合いとなるが、4対4から大藤がサービスを利して引き離すと、厳しく先手を取って先行した。すると第2ゲームは気負いの見られる范思琦のフォアドライブにミスが出て、大藤が早い両ハンドで決めて2ゲームを連取。第3ゲームも大藤がスパートをかけて0対4とするが、范思琦が奮起して8対5と逆転。しかしまたも攻めにミスが出てジュースにもつれた。11対11から大藤がサービスエースを決めて王手をかけると、最後は范思琦がまさかのサービスミスで万事休す。これで日本ペイントが2対2に追い付き、勝利の行方はビクトリーマッチに持ち込まれた
ファイナル行きの切符をかけた1ゲーム制のビクトリーマッチ。日本生命はエースの早田ひなが再び登場。日本ペイントはビクトリーマッチ3戦負けなしの横井咲桜がリベンジを期す。昨年12月の対戦で横井が早田にビクトリーマッチで勝利しており、今回も横井が3対5とリードしてチェンジエンド。3対6と追い込まれた早田、ここから猛然と攻め立てて5対6として日本ペイントがタイムで勢いを止めようとするが、早田がつかんだ流れを離さず7対6と逆転。ここから一進一退の競り合いで10対9となるが、タイムで気持ちを整理した早田がポイントをもぎ取り、日本生命が日本ペイントとの大接戦を制した。
これで3月24日のファイナル、王座奪還を目指して昨年敗れたレギュラーシーズン1位の木下アビエル神奈川に挑戦する。
女子セミファイナル
日本生命レッドエルフ 3ｰ2 日本ペイントマレッツ
孫銘陽／孫芸禎 0(-10、-11)2 橋本帆乃香／佐藤瞳
赤江夏星 3(11,9,-6,-10,9)2 橋本帆乃香
早田ひな 3(-7,6,3,8)1 横井咲桜
范思琦 0(-8,-6,-11)3 大藤沙月
早田ひな 1(9)0 横井咲桜
