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卓球 USスマッシュ2025優勝 
朱雨玲のコメント

 2025年7月3〜13日にラスベガス(アメリカ)で開催されたUSスマッシュで優勝した朱雨玲(マカオ)からコメントが届いた。長期休養からの完全復帰を印象付ける今回の優勝について話してくれた。(写真提供=WTT)

--優勝おめでとうございます。WTTの最高グレードの大会であるスマッシュで優勝した今の心境を教えてください。

朱雨玲 最後の1球が決まってから今まで、気持ちは意外と落ち着いています。周りの人たちの方が私よりもずっと興奮していました。もしかしたらまだ夢の中にいるようで、ちょっとぼんやりしているのかもしれません。

--3回戦では、王曼昱(中国)に3対1で勝つことができましたが、勝利を決めてどのように感じましたか? また、勝因は何だと思いますか?

朱雨玲 試合前、多くの方が私を励ましてくれ、「自分自身に打ち勝ち、思い切って挑戦して」と声をかけてくれました。勝った瞬間は正直ちょっと驚きました。これがスポーツの魅力なのかもしれません。
 実力は試合の過程に反映されても、結果を決めるとは限らない。この試合はあくまでコンディションの勝負だったと思います。

--準決勝では、かつて苦手にしていた伊藤美誠から勝利を挙げました。伊藤のカットブロックなどに苦戦する場面もありましたが、どのように乗り越えましたか?

朱雨玲 今大会前のスロベニア(WTTスターコンテンダー リュブリャナ)では、準決勝で同じくバック面に表ラバーを使う木原美悠選手に敗れました。その後、自分の戦術を見直して、この戦型の選手と対戦する時に「解決できない問題がある」のではなく「方法を間違えていただけ」だと気づきました。
 私はこの敗戦を今回の試合に生かすことができました。すべての試合には意味がある、成功はその方法の有効性を、失敗はその方法を見直すべきであることを教えてくれます。大切なのは、目の前の勝敗をどう捉えて未来に向き合うかです。

--決勝は中国若手の陳熠(中国)との対戦でした。序盤は、陳熠の回転量の多いボールへの対応に苦戦しているように見えましたが、どのように修正し、4ゲームを連取することができたのですか?

朱雨玲 決勝まで勝ち上がってきた選手は皆、勝利への思いが強いです。陳熠選手には若手ならではの勢いもあり、序盤は押されましたが、この困難は想定内でした。
 第2ゲームの中盤でラリーの中に解決方法を見つけ、そこから流れをつかむことができました。試合とは駆け引きの連続であり、一方が勢いを増せば、もう一方は押されていくものです。正確な方法を見つけることができれば、試合終了までその勢いを保つことができます。

--復帰から1年足らずで、早くもあなたはキャリアの2つ目のピークに達しました。この成功をどのように受け止めていますか? また、この成功の理由はなんだと思いますか?

朱雨玲 復帰したとき、私は一切目標を設定しませんでした。このスイッチのボタンは自分自身が握っていたいからです。好きなら続ければいいし、辞めたいと思ったら辞めればいい。
 再びプロの舞台に立って、この第2のピークは、スポーツへの理解の深まり、勝敗への向き合い方、さまざまな領域に取り組む際のバランスの取り方、そして、人生の意味の探求から生まれたものだと思います。この経験は私にとってかけがえのない財産であり、前に進むための土台です。

--今回の優勝で、あなたのワークライフバランスの中で卓球の比重は変わりますか?

朱雨玲 大きな変化はないと思います。これからも初心を忘れず、人生という軸の中で探求を続けていきます。

--かつてのような勝利の重圧はなくなったと思いますが、そのことはあなたのプレーに影響していますか?

朱雨玲 確かにこれは一考に値することかもしれません。今では卓球が私のすべてではなくなり、試合の日だけ全力を尽くせばよく、他の時間は他の分野に費やすことができます。生活を楽しむことも、とても素敵なことだと思っています。

--選手としての、また、教師として、学生としての今後の目標を教えてください。

朱雨玲 選手としては、コートに立つ限り「決して諦めず、決して引かない」。教師としては、模範となり、言葉と行動で伝えることが使命です。学生としては、常に学術を探求し、課題に果敢に挑むことを自分に課しています。
 これからも、自分に制限や目標を設けず、ただひたすら前を向いて歩んでいきたいと思います。

(取材/まとめ=卓球レポート)

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