第32回オリンピック競技大会(2020/東京)卓球競技の日本代表候補選手が1月6日、味の素ナショナルトレーニングセンターにて発表された。
男子シングルス代表候補には既に、張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)が、女子シングルス代表候補には、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)が内定しており、この記者会見では、団体戦代表候補選手男女各1名に、水谷隼(木下グループ)と平野美宇(日本生命)の名が東京五輪代表選手として加えられた。
各種目の出場候補選手は以下の通り。
■男子シングルス
張本智和(木下グループ)
丹羽孝希(スヴェンソン)
■男子団体
張本智和(木下グループ)
丹羽孝希(スヴェンソン)
水谷隼(木下グループ)
■女子シングルス
伊藤美誠(スターツ)
石川佳純(全農)
■女子団体
伊藤美誠(スターツ)
石川佳純(全農)
平野美宇(日本生命)
■混合ダブルス
水谷隼(木下グループ)/伊藤美誠(スターツ)
水谷隼の選考理由について倉嶋洋介男子ナショナルチーム監督は次のように語った。
「水谷は全日本選手権大会ダブルスで7度の優勝、世界選手権大会でも2度メダル獲得しているダブルスの名手です。右利きとのペアはもちろん、たとえ、左利きとのペアであろうともオリンピックで戦える戦力となること。
シングルスでも前回のリオオリンピック男子シングルスの銅メダルの実績を持ち、世界選手権大会団体戦でも日本のエースとして幾度となくメダル獲得に貢献しており、団体戦に強さを発揮できる選手であるということ。
ワールドランキングにおいても日本人3位である。リオオリンピック後、男子チームは東京オリンピックを見据え、チームランキング2位以内を目標にしてきました。今年1月のチームワールドランキングでは3位ですが、日本人上位3選手であれば、目標達成が期待できるということ。
そして、長年日本のエースとして、世界と戦ってきた選手です。数多くの厳しい戦いを乗り越えてきました。チームの精神的支柱として、これまでの経験を最大限に生かし、チームに貢献してもらいたいと思っています」
女子団体戦代表候補選手の平野美宇の選出理由については、馬場美香女子ナショナルチーム監督からの説明があった。
「昨年出場した国際大会のダブルスにおいて、石川と組み、アジア選手権大会で銅メダル、ワールドツアーで準優勝、3位など好成績を残しており、ダブルスで団体戦に貢献できると判断しました。
また、2017年アジア選手権大会女子シングルスにおいて、中国3選手を破り金メダル。2017年世界選手権大会においては銅メダルを獲得しています。
そして、昨年行われた世界選手権ブダペスト大会において、シングルスベスト8、2020年1月世界ランキング11位と日本選手上位3番目の成績を残しており、団体戦のシングルスでも活躍ができると考えます。
また、平野が団体戦メンバーに入ることで、日本チームのオーダーを対戦国によって変えやすくなると考えています」
また、混合ダブルス代表候補については、エントリー締め切りの発表予定を繰り上げて発表。倉嶋監督が述べた選考理由は以下の通り。
「このタイミングで(卓球競技)全ての(種目の)エントリーを決めて、ワンチームとして東京オリンピックにベクトルを合わせるということ。コンビネーション、戦術面、メンタル面をできるだけ時間をかけてブラッシュアップさせること。選ばれた男女3名ずつの中から、代表を選出するに当たり、実力、実績、ランキングからこのペアで考えは変わらないと判断した。
ワールドツアー・グランドファイナル準優勝を初め、各ワールドツアーにおいて安定した成績を残したということ。中国の世界チャンピオンペアに対しても僅差の戦いをし、想定する競合国のライバルペアに対しても実績を積んだということ。
伊藤の変幻自在のプレーと、水谷の安定性がペアとしてマッチし、高い安定感と爆発力を生み出し、日本人ペアとして実力、実績、ランキングからも最もメダルに近いペアであると判断した」
競技開始まで200日となった今日、東京オリンピックに向けて本格始動した卓球。
熾烈を極めた代表選考を終えて、出場選手、そして、それを支えるチームジャパンは、いよいよオリンピックでの好成績に的を絞った活動に集中していくことだろう。
(取材=佐藤孝弘)