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強化のフロントライン2 世界卓球2018ハルムスタッド・日本男子の評価

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〜宮﨑強化本部長に聞く日本の強化策〜
日本の最前線ではどのような強化が行われているのか。そのさまざまな方策について、日本卓球界の強化の長である宮﨑義仁強化本部長に聞く本企画。2回目は、5月に行われた世界卓球2018ハルムスタッドを振り返ってもらった。今回は、日本男子の戦いぶりに対する評価を紹介しよう。


●団結しきれなかった日本男子

 
韓国に敗れ、6大会連続のメダルはならなかった日本男子


20180629-02.jpg若い張本をチームにどう調和させるかが大きな鍵

 男子は2008年の世界選手権広州大会から5大会連続でメダルを獲得していましたが、今大会ではベスト8に終わり、メダルが途切れてしまったということでかなり厳しい評価をしないといけないでしょう。

 張本智和(JOCエリートアカデミー)という新たな力により、チーム力が上がった半面、チームの構造が変わりました。今回の男子が奮わなかった要因の一つには、ほかのメンバーからすると年齢が非常に若い張本という選手をエースとして起用することの難しさが表れていたように思います。

 張本は、水谷隼(木下グループ)や松平健太(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、大島祐哉(木下グループ)ら今大会の男子チームのメンバーからすると、かなりの年下です。その年少者にエースとして重要な試合を託すという、これまでとは異なる構図に男子チーム全体が戸惑っていたように思います。
 近年の日本男子は、水谷や松平、丹羽ら比較的年齢の近い選手たちでチームを組んでいたのでコミュニケーションにそれほど問題はありませんでした。しかし、今大会は、彼らからすると後輩と呼ぶのも難しいような若い張本の加入で、お互いのコミュニケーションがうまくいっていない雰囲気が見て取れました。

 このようなチーム構成の違和感は、今年の2月にイギリスで行なわれたチームワールドカップでも表れており、戦前からある程度予想はしていました。今大会でも、張本は相手チームのエース格の選手を何試合か破りましたが、それでもメダルに届かなかったということは、選手個々の実力不足の面ももちろんありますが、団結しきれないチーム構成にも敗因の一端があるのではないかと分析しています。

 とはいうものの、張本の出現と成長は日本にとってとても明るい材料であることは疑いようがありません。今の日本の男子選手たちの力を見ても、今後しばらくは今回のようなチーム編成が続くでしょう。見方を変えれば、今回の苦い敗戦はチームにとって貴重な経験になったと思います。

 今後は、卓球の練習に打ち込むことはもちろんですが、例えばチーム全員で茶道や将棋を習ったり、美術鑑賞に行ったりするなど卓球以外の経験をより多く積むことができるような研修を企画検討していければと思います。そうして、選手たちにいろいろなものを取り入れる能力や認める寛容さを身に付けてもらうことを強化策の一つに掲げ、次に向かってチームビルディングしていきたいと思います。

(写真/佐藤孝弘 取材/文=猪瀬健治)

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