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わたしの練習95星野一朗 環境の中でいかに努力をするか

 ~中学時代は徹底的にねばる練習を~

 わたしが卓球を始めました中学時代は、素振りと基礎練習、それとトレーニングが中心でした。入部して約半年の間は、ほとんど素振りばかりでボールを実際に打てるのは10分程度で、打たせてもらえない新入生もいました。わたしのいました立教中学は、東京都では当時、4回連続優勝した名門校で、部内で勝てるようになる事が、都大会で勝てるという事につながっていました。
 基礎練習の内容としては、ノーミスでワンサイドに徹底的に粘る練習、規則的な前後のフットワーク、同じく左右のフットワーク、ボールをたくさん使った連続強打を拾う、等が中心で、ゲーム練習としては、なにしろ5台に50名程の部員がいましたから、10名前後でのリーグ戦が多かったと思います。
 中学3年の時、それまでは比較的おぼろげであった自分の戦型が少しはっきりしてきたように思います。それまでは、わりと回転の変化を重要視していませんでしたが、フォームの安定化と共に、手首を最大限活用してみたのです。すごく切れたカットによって、ナックル性カットが生き、ナックルによって切れたカットが、より効くようになりました。
 高校進学によってわたしの戦型をわたしなりに把握できたと思います。それは、変化カットを基調としながら相手に打たせて拾い、相手が打ちあぐんだなら反撃に転じ、攻撃は張燮林選手のような一枚ラバーによる逆モーションによって、一発で抜くのではなくて、相手のカット打ちを安定した状態にさせない事を狙った攻撃を中心とした卓球を目指そう、と思ったのです。そこで高校1年の時、それまで両面一枚ラバーであったのを、バック側を裏ソフトに変え、変化の幅を大きくしました。

 ~部外への練習も多い~

 また、学校が埼玉県になった事もあって、熊谷商業高校の吉田先生に指導していただく機会も得て、その練習に参加させてもらった時期もありました。この頃から、自分の学校内での、練習(技術的なレベル)で強くなるためには、どうしたらよいのかと、自分なりに考えてみたり、OBに相談したりしたのですが、結局基礎練習をする際、基本に忠実にやる事、ラリーがどうしても遅くなってしまうので、基本姿勢へのもどりをできるだけ速くする事、シャドープレーをたくさん、連続して速くやる事、ランニングをみっちりやる事、等々で、この問題を消化しようと思いました。また、立教大学の合宿に参加させてもらったり、大学の練習にも何度か出させてもらい、普段の練習で物足りない面を補っていました。

 ~「カン、コン、カン、コン」という音に魅せられて~

 わたしが卓球を始めた動機は、小学校6年の時に家族で旅行に行ったのですが、その時の旅館に卓球台があり、この時わたしは初めて卓球をしたのです。カン、コン、カン、コン、という心地よい一定のリズムで音がするのを耳で聞きながら、『卓球というのはなんて面白いんだろう』と思いながら、夢中で時間のたつのも忘れてボールを打った時の私の気持ちは、今も心の中に残っています。そして、私が始めて立教中学の卓球部の練習を見に行った時、白いボールが、まるで、何かに吸いつけられるようにラケットにあたっては、相手方のコートに入り、またラケットから相手方のコートへ...。このラリーを見た時、『私は自分もあんなふうになれたらいいな、卓球とは何て素晴らしいスポーツだろう』と思いました。

 ~卓球台は2台しかないが~

 現在、立教大学卓球部は、関東学生リーグの3部校ですが、わたしは、肩書にとらわれないように、自分の試合を大切にしようと思います。
 今、やっている練習は、高く浮かせてカットして、それをオールサイドにスマッシュしてもらい、カットで返球。今度はそれをストップしてもらい、それをまた高くツッツいて、オールサイドにスマッシュしてもらう。以下くり返しで前後に大きく動きながら、左右の守備範囲を広げる練習、ボールをたくさん使って、前後左右のランダムにスマッシュやストップをたて続けに打ってもらう練習を中心にやっています。また、部員16名で、台が2台しかないので、ワンコースで1台に4名がつくような練習がどうしても中心になってしまい、その点では練習方法に非常に気を使っています。ことに、10月からは主将として、部員一人一人の練習を見て、全員と話し合いをして、今、卓球部という立場から見たなら、みんなは何をすべきだろうか、という形で全員の意志統一を計る立場にあるために、自分の練習が、おろそかになりがちです。

 ~特に太腿筋の強化トレーニングを含めて~

 トレーニングは、シャドープレー、サーキットトレーニング、ダッシュ、ランニングが中心です。この際、シャドープレーはいわゆる「5秒間7動作」と呼ばれるもので、自分がサーバーと仮定した場合、まず、どこへどんなサービスを出すか、そしてそれをどう返されたのをどうした、というのを7動作あらかじめ決めておき、それを5秒以内で行う、というものです。私の場合は、①バッククロスへロングサービス、ショートでクロスに返されたのを ②回り込んでクロスへ軽打、今度はバックストレートにショートされたのを ③飛びついてフォアクロスに強打、それを相手がフォアクロスに強ドライブしてきたのを ④ストレート軽打したところ、相手はバッククロスへバックハンド強打、それを ⑥バッククロスにハーフボレー(またはショート)したのを詰まって相手のバックハンドがこちらのバックに浮いてきた。これを回り込んで ⑥フォアハンドでバッククロスにスマッシュをすると、相手がバッククロスへロビング、これをとどめの ⑦スマッシュ、というのがひとつのラリーの展開想定です。これで5秒以上かかった時は自分の失点、5秒以内は得点としてゲームをやっています。また、太腿筋の強化のために、両足をそろえた状態から、片足を精いっぱい踏み出す(この時残っている軸足を動かしてはいけない)のを片足ずつ8方向にやっています。

 ~苦しい練習は自分のために~

 卓球という競技は、団体戦もありますが、やはり個人競技の部類に属すると思います。そういった意味では、わたし達一人ひとりの気持ちが非常に大切だと思います。環境が大きな要因を占めているとは思いますが、わたし達はアマチュアですから、よけいに選手がしっかりした考えを持たなければいけない、と思います。苦しい練習をするのは、自分のためである、という気持ちは大切だと思います。

 ~パワー強化で瞬発力を~

 わたしのこれからの課題としては、攻撃力の強化。カットのスイングを速くして、より速く基本姿勢にもどる。サービスの強化。凡ミスをもっともっと減らす等、注意すべき点がたくさんあると思います。パワーがないので、もう少し瞬発力をつけなければいけない、と思っています。また、中陣からのバックハンドも課題のひとつであると思います。そして、相手に打たれながらも、変化カットを基調として拾いまくり、相手が打ちあぐんだならば飛びこんで、一発で抜けるだけのスマッシュ力と、逆モーションによるフェイクプレイで、相手を錯乱させるような変化型のカットマンになりたいと、思います。
 わたしの今後の目標としては、当面は何としてもわずか8年前までは一部であった立教大卓球部を在学中に、最低2部にあげるようにしたいと思います。その中で、自分自身の練習をし、きたるべき試合に備えようと思っています。また、刺激を受ける機会が少ないでしょうから、そういった意味においても、その機会には積極的に参加し、自らを張りつめた状態におかなければ、良い結果を生みだす事は、非常に難しいと思っています。

ほしのいちろう 全日本選手権大会ベスト16入り


(1977年2月号掲載)

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