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  5. 卓レポ名勝負セレクション 灼熱の世界卓球2025ドーハ Select.12 篠塚大登/戸上隼輔(日本) 対 高承睿/林昀儒(中華台北)

卓レポ名勝負セレクション 
灼熱の世界卓球2025ドーハ Select.12 
篠塚大登/戸上隼輔(日本) 対 高承睿/林昀儒(中華台北)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、5月にカタールのドーハで開催された第58回世界卓球選手権大会個人戦(以下、世界卓球2025ドーハ)で繰り広げられた灼熱の熱闘を厳選して紹介する。
 最終回は、篠塚大登戸上隼輔(日本)対高承睿/林昀儒(中華台北)の男子ダブルス決勝の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
64年ぶりの歓喜を日本にもたらせるか!?
篠塚/戸上が世界一を懸けた大勝負に挑む!

 第2シードで今大会の男子ダブルスに臨んだ篠塚大登戸上隼輔は、1、2回戦を危なげなく勝利すると、3回戦でアイザック・クエク/パン・コーエン(シンガポール)の積極的な台上プレーに押されたが、粘り強く戦って逆転でベスト8へ勝ち上がる。
 続く準々決勝では、メダル獲得に向けて最大のライバルと見られていた林鐘勳/安宰賢(韓国)を破って勝ち上がってきたエル ベイアリ/アブデル アジズ(エジプト)をストレートで寄せ付けずに快勝。メダルを確定させて迎えた準決勝は、対戦予定だったブラソー/ドール(フランス)がけがで棄権したことによる不戦勝で、第2シードを守って決勝の舞台へとたどり着いた。
 篠塚が安定感のある両ハンドで攻守を堅実に行い、戸上が鋭い両ハンドで畳み掛ける連係はダブルスの1つの理想型といえるもので、決勝も大きな期待がかかる。

 篠塚/戸上が決勝で相対するのは、高承睿/林昀儒(中華台北)だ。
 3回戦で黄友政/梁靖崑(中国)、準々決勝で林高遠/林詩棟(中国)と中国ペアを連破すると、準決勝では第1シードのF.ルブラン/A.ルブラン(フランス)に競り勝って決勝まで勝ち上がってきた。高承睿がよく動き、林昀儒がカウンターで狙い澄ます連係は息が合っており、強敵を連破して勢いに乗っている。

 篠塚/戸上が勝てば、日本にとって1961年北京大会で星野展弥/木村興治が獲得して以来となる64年ぶりの金メダル、一方の高承睿/林昀儒が勝てば、中華台北にとって2013年パリ大会で陳建安/荘智淵が獲得して以来12年ぶりの金メダルが懸かる大勝負は、ラブオールの声がかかると、両ペアが持ち味を発揮し、ゲームを奪い合いながら終盤までもつれる展開になる。
 最終ゲームも中盤まで一進一退で進むが、「二人で金メダルを取ろうと話してきた」という篠塚/戸上が、執念の両ハンドで中華台北ペアを引き離していく。

「勝てたひとつの要因として思うのは、僕がシングルスにほぼ『全がけ』していたので、ダブルスには変に力が入らなかったのがよかったのかもしれません。あと間違いなく言えるのは、篠塚と僕の個々の技術が成長して、それに+αとしてダブルスの連係がうまくいったということだと思います(戸上隼輔インタビュー)」
「『え?本当に?』という感じでした。戸上さんにハグした時も、めちゃくちゃ大きな声で『マジか!?』って叫んでましたね(篠塚大登インタビュー)」

 二人が半世紀以上を経て日本にもたらした歓喜を、今一度、その目に焼き付けてほしい。
(文中敬称略)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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