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わたしの練習99後藤三津子 この一球を全身全霊で!

 私の現在の練習について書く前に、私がどうして青森に来ることになったのかについて触れてみたいと思います。

 ~青森商業に入学~

 私は中学を卒業し、岐阜の高校に入学したのですが、いろいろな事情があり悩んでいるときに、父から「岐阜にいて親の元で暖かく生活をしているのであれば、大物にはなれない。青森へ行って厳しい気候に耐え、人間形成と技をみがいてこい」と言われました。この言葉が私の心を動かし、"日本一"を目ざして青森に行くことを決心させました。
 1年生の時は入ったばかりなので、夢と希望に満ちており、ただボールを打つことだけに一生懸命で、卓球に対しての知識もなく、基本もまだしっかりしていなかったので、基本練習が主でした。それと部内には、カットマンのほうが多く、フットワークをしたあとは、ほとんどカット打ちが多かったようです。
 カット打ちの練習が多かったのにもかかわらず、東北大会の県予選の時、カットマンの水口さん(現三井銀行)にセットオールの末、負けてしまいました。
 その時の顧問の葛西順一先生(現早稲田大学助手)から「試合運びがあまりにも単調で打ち方が雑すぎる」と注意をうけ、カットに対してはドライブで粘ることを教えていただきました。
 そしてトレーニングのほうは、ランニングをはじめ、サーキット、なわとび、180度回転、切り替え、シャドープレーなどを練習の前後にやりました。
 2年生になって、国体予選、NHK杯以外の試合は全部出場できないので、私の高校生活の中で、一番辛く苦しいものでした。ともすればくじけそうになったり、投げやりになったりしがちな私の気持ちを察し、葛西先生は、練習終了後も卓球技術、試合運び、基本の重要性、人間性...等々、諸般にわたって夜遅くまで教えてくださいました。その教えはこの1年間、試合がなく練習であけくれる毎日の私にとって、この上もない心の支えとなりました。この時の練習内容は、基本練習に重点をおき、サービス、レシーブ、切り替え、腰に砂袋をつけてのフットワークが主たるものでした。
 3年生になり、河野満先生('77年世界チャンピオン)に ・打点の速い切ったツッツキ ・プッシュ性のショート ・エースボールを打つ前のボールのコースのつき方とその応用 ・サービスだけの練習 ・サービスからの3球目攻撃 ・レシーブだけの練習 ・レシーブからの4球目攻撃と、実戦に使う練習の指導を受けました。
 こういう練習の中で、私が心がけていることは、苦しくなってからがほんとうの練習であって、決してその苦しさから逃げてはいけないということ、そして一球一球全身全霊で打つということです。しかし、どうしても練習に集中力がなくなってくると遊びのボールがでてきます。卓球というスポーツは非常にメンタルなスポーツで、ほんの一球でもおろそかに打つとその練習が試合にでるものです。そういうことからも気をつけてはいますが、まだまだ反省する面がいっぱいあるように思います。
 2年半をふり返ってみると、青森に来て言葉がまったくといってよいほど違う津軽の人たちとの生活。入学以来、ずっとわがままな私の心を戒め、精神的に大人になるよう、またチャンピオンになれる人間はそれ相応の人格が伴っていなければ本物でないということを折にふれ注意し、叱責(しっせき)しながら、ここまで引っ張ってきてくださった顧問の山下先生の厳しい指導。インターハイの時はスタンドで声の出なくなるまで応援してくださった相川先生。そして私の生活を厳しい目で見守ってくださった下宿の方。自分たちの練習を犠牲にしてまでも相手をしてくださった先輩、同輩、後輩たちの暖かい精神的援助やさらに、あの冬の寒さの厳しい日にいやいやながら雪かきをしたり、ランニングをしたことなどが、私の精神力を高め、体力をつけることにもつながり、高校"日本一"につながっていると思います。

 ~インターハイ前の練習~

 6月に全国総体の県予選も終わり、代表が決まった時点から8月のインターハイに照準をあわせて、まず体力作りに励みました。というのは、どうしても大阪と青森とでは気温も異なるし、夏バテをするのではないかと思い、ショートパンツとユニフォームで走るのではなく、トレーニングウエアに毛糸のセーターを着て走りました。
 走る距離はだいたい7kmぐらいで、これは練習前に部員全員で走るのですが、他の人よりも少しでも負荷をあたえて走るように心がけました。このようなことでもインターハイ前は、自分自身の精神力もいくらかしっかりしたものになったと思います。
 そして技術面については、河野先生から毎日、夜遅くまで教えていただきました。内容は、
 ①速いタイミングでのツッツキ(安定性+変化)
 フォア前にサービスを出しバック側にストップ、ツッツキで返球してドライブで攻める。ツッツキで変化をつけコースを狙い、次はフォアハンドドライブで攻めていく
 ②ショート
 ショート対ショートでフォア側にプッシュ、それをスマッシュ(この練習はボールを多く使って徹底的にやりました)
 ③ロングサービスからの3球目攻撃
 バッククロスにロングサービスを出し、オールサイドに返球してもらい、フォアにきたらスマッシュ。バックにきたらプッシュするか、回り込んでスマッシュする(1本でも多くスマッシュするように心がけました)
 ④サービス・レシーブ
 サービスの工夫(サービスの工夫などをやっておかげでここ1本という時に得点することができました)。回り込んでのレシーブ(足の運び方やレシーブ後のもどりなども、ボールを多く使ってよく練習しました)
 ⑤カット打ち
 カットに対しては速いドライブとループドライブを、バッククロス、バックストレート、フォアクロス、フォアストレートと各コースにわけて(各10分)やり、そのあと全面にドライブをかけスマッシュする。というパターンもよくやりました。
 インターハイ前は、確かに1日9時間ほどやり、長かったようですが、一番気をつけたことは、精神力、集中力作りでした。練習が終わり、道場の壁に向かって30~40分ほど座禅をしました。この座禅により無心になって試合をすることができたと思います。今から思えばこの精神力、集中力作りは、大切な勝因の一つだったように思います。

 ~今後の課題と目標~

 まだまだやらなければならないことは数えきれないほどあります。その中で特に力を入れたいのはレシーブ力です。あまりにもレシーブ力が弱いため、攻撃の選手に先にスマッシュやドライブでぬかれることが多いのです。レシーブからの攻撃に重点をおき、さらに3球目攻撃もしっかりやっていきたいと思います。
 トレーニングのほうは、内容としてランニング(ただ走るだけでなくスピードをつけること。できるだけ長く走れるようにしたい)と、今までやってきたサーキットトレーニング(ジャンプ15回、腕立て10回、腹筋10回、バーピー10回、つま先立ち50回)を3セット、それを何分でできるか、シャドープレー(5秒間7動作)、キック力、手首の強化、切り替え、180度回転(10分間ずつ10秒ごと)なわとび(1000回)などやっていきたいと思います。

 ~すべての生活を卓球に結びつける~

 卓球で強くなるためには日常の生活をいかにして卓球に結びつけるかだと思います。練習時間は長いのにこしたことはないのですが、高校生の私たちは、ほとんど時間が限られています。私も打球練習だけが練習ではないと思い学校の休み時間に、卓球レポート、一流スポーツマンの話、その他練習に関する本を読んだり、ノートにはコートの図を書いて作戦等も考えたりして、頭のトレーニングをするようふだんの生活の中で心がけています。
 このようなことは卓球の知識を高めるためにも、非常に役立っているように思います。
 そして寝る前には、腹筋、腕立て、素振り、手首の強化など20分ほどやり、明日の練習はそれぞれ何にポイントをおき、何を体得するかをはっきりと心に銘記してから床に入るようにしています。
 最後に卓球に対する情熱を誰よりも多く持ち続け、自分の人生を最高のものにしたいと思います。

ごとうみつこ 青森・青森商業高
第48回全国高校選手権単優勝


(1979年12月号掲載)

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