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わたしの練習102和田理枝 世界に通じる選手をめざして

 ~めざす卓球に適したラバー~

変化カットと攻撃が生き、全日本優勝
 私は、アンチスピンラバーと裏ソフトを使ったカットマンです。アンチラバーを使うまでは、いろいろラバーを変えました。最初は、両面裏ラバーを使っていましたが、中学の終わり頃にバック面を一枚ラバーにかえました。それで高校3年間と、大学1年までやったのですが行き詰まりを感じ、どうにかしようと思ってバック面を表ソフトに変え、ラバーの色も赤から黒に変えました。
 私は、カットマンにしては小さすぎると思います。ですから私の身長で粘りきれるカットマンになるのは、無理だと思っていました。
 実際、中学(福岡・城南)の時の蒔田先生、高校(福岡・柳川)の熊丸先生からは、変化カットと鋭い攻撃力を持つカットマンを目指すように指導を受けました。そして「カットマンである以上、拾えなければどうにもならない。しかし拾うだけでは絶対に勝てない。カットの変化と攻撃力でその穴を埋めるしかない」ということでした。
 私も自分が勝つためには、それしかないと思いました。ですから表ソフトに変えた時も、練習はカット練習のほかに、攻撃練習もずいぶん力を入れてやりました。しかし、私のカットはフォアは切れているけれどもバックカットがあまり変化がなく、バック側を単調に攻められ、反撃とカットがかみ合わず、負けることが多かったのです。いくら攻撃練習したところで、低い、むずかしいボールを打てばミスが出るに決まっています。それで、どうすれば変化の幅を広げることができるだろうか、と考えました。
 異質ラバーを使っていたので、ラケットを回すことを考えました。やってみると、表ソフトラバーと裏ソフトラバーは飛び方も音も全然違うし、ラバーをよく見ていれば見わけがつくので、あまり効果がありませんでした。成績もあまりかんばしくなく、ほんとにひらきなおりのつもりで、昨年の全日本選手権の前にアンチラバーに変えました。はじめは勧められて半信半疑で使ったのですが、私の卓球に合っていて、変化と攻撃が生き、全日本選手権で優勝した時は、回りの人も驚かれたと思いますが、自分自身でも信じられませんでした。
 以上は、私がアンチラバーに変えるまでのことですが、私の練習についての考え方の基本になることだったので書きました。

 ~現在の練習内容~

試合に直結する練習を
 いまの私の練習に対する考え方は、高校の時に熊丸先生に指導していただいたことが主になっています。それは試合に直結した練習ということです。質の濃さが問題になるということです。高校の時も技術面の指導はもちろん、そういう卓球に対する取り組み方も厳しく指導していただきました。それで私も練習を考える時、何が一番私に必要なのかを考え、試合のようなつもりで練習するように心がけています。

守備練習
 具体的な内容は、カットでは、フットワーク、スマッシュ処理、ループドライブのカット処理、ツッツキ打ちに対する受け身です。
 フットワークは、前後を主に、左右のフットワーク、オールのフットワークを混ぜてやっています。
 スマッシュ処理は、ロングカットをしていて、いきなりスマッシュを打ってもらってカットする方法、ツッツキを少し浮かして打ってもらったり、ボールをたくさん使ってやったりします。
 私の場合、スマッシュを打たれると、反射的に手だけがすぐに出てしまうので、一呼吸おいてから、まず足を動かしておいてカットするということに気をつけています。余裕のある時は、ただ返すだけでなく、切って返す、深く返すということを心がけています。
 ループドライブの処理というのは、変化をつけてドライブをかけてもらって、オールカットで返す練習です。
 女子の場合は、ていねいに攻めてくるので、粘りまけないように、しっかり動いて深く返すことに注意します。

攻撃練習
 いままでは守備練習ですが、攻撃練習を練習時間の半分ぐらいかけてやっています。攻撃(フォアハンド)によるフットワーク、連打、バックハンド、カット打ち、それにカットからの反撃、ドライブ打ちなどです。
 特に、ツッツキ打ちは必ずやっています。ラケットを回さずに、低いボールを打ったり、回してチャンスボールを作ってから打ったりです。その後、連打できれば続けて打って、できなかったらカットにもどります。
 フォアハンドの攻撃は試合でよく使うし、得点することも多いのですが、フォアハンドだけになって相手に慣れられることがあります。アジア選手権で中国の童玲選手と対戦しましたが、後で考えてみると、攻撃はフォアハンドだけでした。そのため2ゲーム先に取りながら、促進になって打つコースを読まれてしまって、結局負けてしまいました。
 攻撃がフォアハンドだけだと、バックサイドにチャンスボールがきても、回り込む間に相手にわかるので慣れられてしまったのです。あの時、1本でも2本でもバックハンドを振っていたら、と思ってしまいます。童玲戦で身をもってバックハンドの重要性を感じ、今はバックハンドの練習も必ず入れるようにしています。
 またドライブ打ちも重要なポイントだと思います。これを試合でうまく使えば、相手は安心してカット打ちができなくなります。ドライブ打ちも、山なりのボールをスマッシュで狙う場合と、タイミングをずらすためにドライブ打ちをする場合があります。その時は1本目は大振りせずに前に出て、次のボールを狙うようにしています。
 私はこのような練習を全部、毎日やっているのではありません。練習が細切れにならないようにと気をつけています。そしてこういう練習をいくつか組み合わせながらやっているのです。考えれば、あれも練習しなければいけない、これも練習しなければ、といろいろ思うのですが、試合がない時は内容を二つか三つに絞って、徹底してやるようにしています。
 試合前は、カットの切り替え、オールに動かしてもらって足を動かす練習と、連打、ツッツキ打ちを短い時間でも必ずやります。自分の一番調子の出る練習をするわけです。

 ~今後の課題~

フォアカットの強化とバックハンド攻撃
 私は、この間の遠征で自分の課題がはっきりしました。カットは、フォアカットの強化、攻撃面ではバックハンドです。これは私の卓球の基本ともなることなので、しっかり強化していこうと思います。フォアカットは浮くことが多いので、低く深いボールでしっかり変化をつけて返せるように、一球一球大事に練習していこうと思います。
 目標を高く持ち、それに向かって自分の一番必要なことをしっかり練習して、試合で勝てる選手になりたいと思います。私のめざす卓球は、カットと攻撃のコンビネーションの卓球です。それにはカットの変化が重要なポイントになってきます。裏ソフトとアンチスピンラバーをうまく使い、変化の幅を少しでも大きくできるようにして攻撃に結びつけていこうと思います。
 これからは、サービス、サービスからの3球目攻撃の練習も取り入れていかなくてはいけないと思っています。常に前向きの姿勢で練習に取り組み、世界に通用する選手を目指してがんばりたいと思います。

わだりえ 中央大学4年
1979年全日本単優勝


(1980年8月号掲載)

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