1. 卓球レポート Top
  2. その他
  3. 卓球レポートアーカイブ
  4. 「わたしの練習」
  5. わたしの練習123室重明世 一日も早く世界に通じる選手に

わたしの練習123室重明世 一日も早く世界に通じる選手に

 ~兄のボール拾いがキッカケ~

 私が卓球を始めたのは、小学校5年生の時でした。4年生の頃から兄(熊谷商高→明大)の練習に着いて行き、毎日ボール拾いをしていました。兄ばかり練習して、私はまったくやってもらえなかったので、「わたしも練習したい」と父に言ったら、少しずつ相手をしてくれるようになりました。
 といっても、最初は、父がゆるいサービスを出し、それを私が打ち返す、というワンパターンのくり返しでした。ぞくにいう"一本打ち"です。私と同じ年の人たちは打ち合い(ラリー)をしているのに、私だけどうしてこんな練習をしなければいけないのか、と思いながら練習したものです。
 そんな練習が半年ぐらい続きました。それだけに、たまに打ち合いをやらしてもらった時はとてもうれしかったのを覚えています。
 中学校に入っても、相変わらず一本打ちが主体でした。1日の練習が一本打ちだけで終わったこともあります。しかし、いま考えてみると、卓球を始めるときに一本打ちで基本をしっかりやったことが、現在の私の卓球に大きく役立っているのだと思います。

 ~全日本ジュニア優勝~

 中学校2年生の頃から、週に1~2度、岩国クラブの一般の人たちと一緒に練習をさせていただくようになりました。田坂さん(岩国クラブ)はじめ経験豊富な他の方たちに、良いところや悪いところをアドバイスしてもらいました。本当に恵まれた環境だったと思います。
 当時の主な練習内容は、
●クロス、ストレートのフォアハンドロング、及びショート打ち
●ショート対ショート
●左右、前後のフットワーク
●フォア、バック(ショート)の切り替え
●回り込み、とびつきドライブ
●サービス+3球目攻撃
●連続スマッシュ
...などです。ほとんど基本練習ばかりでした。
 全国中学校大会には、1年生の時から出場したものの、満足できる成績はあげることができませんでした。「今後こそ」と思って出場した3年生の時は、4回戦で丸木選手(熊本・八代第一)に0-2で敗れ、悔しい思いをしたものです。
 それだけに3年生の時の全国中学校大会が終わってからは、必死でした。夢中で全日本選手権のジュニアをめざして取り組みました。
 全日本選手権前には、横田さん(三井石油)に特訓してもらいました。そして、ついに、そのおかげでジュニアの部で優勝することができたのです。それと同時に、もう一つ、優勝できた原因が考えられます。それは、冬の寒い時の試合でしたが、試合の始まる30分前に、常に汗をかくぐらい練習してから試合にのぞんだことです。この時、私は初めて試合前のウォーミングアップの大切さを知りました。

 ~現在の主な練習内容~

 高校進学が京浜女子商業高校に決まった時は、内心ついていけるか、が心配でした。
 案の定、入学直後、筋力トレーニングなどを初めてやったのですが、全然みんなといっしょにやれないありさまでした。それから、ボールのスピードの違いにもびっくりしたものです。
 なんとかして早く高校生のボールに慣れるように、と思いながら、毎日夢中でした。それが、関東高校選手権の優勝に結びついたのだと思います。
 現在の主な練習内容は、フットワーク、ドライブ、レシーブ、戦術対応練習などです。

 フットワーク
①左右のフットワーク
②前後のフットワーク
③オールのフットワーク
 注意してとりくんでいる点は、
●打球点が下がらないようにする
●足をこきざみに動かす(微調整)
●あまいボールはいつでもスマッシュする
●前後に動く時は、後ろへはできるだけ大きく下がる
●オールのフットワークはできるだけフォアで打つが、どうしても動ききれない時はバックハンドを使う

 ドライブ
①カットサービスを出して、バックに返してもらい、それを回り込んでドライブ、後はオール
②カットサービスを出して、フォアに返してもらい、いったんバックに回り込んだ後、フォアにとびついてドライブ
③カットサービスを出して、オールに返してもらい、それをドライブ
 注意している点は、
●打球点は高いか
●バックスイングはいいか
●ボールに対する足の位置はいいか
●足、腰の使い方はいいか

 レシーブ
 いろいろなサービスをいろんなところに出してもらい、ストップレシーブや払うレシーブで返球、またちょっと大きめのサービスだったら一発で決めるような気持ちでレシーブします。

 戦術対応練習
 二人で組み、サービス、レシーブの種類を決めて行うゲーム
①片方がショートサービスだけをだし、片方はストップレシーブだけで行うゲーム
②片方がショートサービスだけ、片方が払うレシーブだけで行うゲーム
③ロングサービスだけで行うゲーム
④片方が下回転サービスだけを出し、片方はツッツキレシーブだけで行うゲーム
 この外に、ラリーゲームといって、カットマンに対して、スマッシュなしで、ドライブ、または角度打ち、ツッツキ、ストップだけでゲームをします。これは対カットの時に粘る力がつきますし、カットに対して安定性がついてきました。
 ラリーゲームと逆に、制限ゲームといって、カットマンは9本まで、ロングマンは7本までにポイントしないと得点にならない、というゲームもやっています。
 以上が現在の主な練習内容です。
 体力トレーニングとしては、ランニング、サーキットトレーニング、筋力トレーニングなどをやっています。ランニングは、タイムを測り、3~5km走ります。

 ~時間を効果的に使って~

 私のめざしている卓球は、ドライブと角度打ちをうまく使いわける両ハンド攻撃型です。
 これからは、もっともっとフットワーク練習を多くとり入れていき、ドライブもスマッシュもできるだけ高い打点で打てるようにしたいと思っています。そして、相手に3球目を思うように攻めさせないように、レシーブ力を高めること。自分が3球目をうまく攻められるようなサービスを考えていきたいと思います。
 近藤先生にはいつも「相手の不得手なところと自分の得意なことを対応させるように」と言われていますが、まだまだうまくいきません。
 これからは、さらに時間を効果的に使い、少しでも早く、胸に日の丸をつけられる選手になりたいと思います。これは中学校の時からの私の目標です。
 そのためにも、インターハイで早く優勝して、一歩一歩、世界の卓球に近づいていきたいと思います。

むろしげあきよ
岩国中→京浜女子商業高1年
右、シェーク、両面高弾性高摩擦裏ソフト使用の攻撃型。
'83年全日本ジュニアでは、威力あるドライブ、スマッシュを連発。史上初の中学生ジュニアチャンピオンに輝く。
'84年関東高校優勝


(1984年9月号掲載)
\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■その他の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■その他の新着記事