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卓レポ名勝負セレクション 
100年に一度の大激戦 Select.3

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。 今回のシリーズは、「100年に一度の大激戦」として卓球ファンの間で語り継がれる2001年世界卓球選手権(以下、世界卓球)大阪大会男子団体準決勝の中国対韓国戦をお届けしている。
 前回に続き、今回は、3番の馬琳(中国)対柳承敏(韓国)の試合を紹介しよう。

※当時の団体戦のルールは1ゲーム21ポイント制の3ゲームスマッチ。サービスは5本交替

■ 観戦ガイド
次世代エース候補のペンドラ対決
厳しい先手争いの行方は?

 1番は劉国正(中国)が呉尚垠(韓国)を下し、中国が先制するが、2番の金擇洙(韓国)対孔令輝(中国)のエース対決は、金擇洙が強烈なフリックとフォアハンドドライブを軸とした気迫みなぎるプレーで2000年シドニーオリンピック金メダルの孔令輝を圧倒し、韓国が勝負を振り出しに戻した。
 
 取れば王手がかかる3番、中国は豊富なタレントの中から、馬琳を起用してきた。
 馬琳は中国式ペンホルダーを使うペンドライブ型で、孔令輝、劉国梁に次ぐ世代の柱として中国が期待を寄せる選手だ。サービスとレシーブが抜群にうまく、インサイドワークにも長けている。また、現在の同タイプの選手ほどではないが、裏面ドライブも巧みに使う。
 1999年世界卓球アイントホーフェン大会男子シングルスでは2位。決勝で劉国梁にゲームオールジュースで敗れて優勝はならなかったが、実績は十分だ。
 馬琳は後に、2008年北京オリンピック男子シングルで金メダルを獲得する。

 一方、韓国が3番に起用したのは、柳承敏だ。
 日本式ペンホルダーを使い、先輩の金擇洙を踏襲したペンドライブ型の柳承敏は、幼少の頃から「神童」と呼ばれた韓国期待の星だ。2001年世界卓球大阪大会男子団体準決勝という大一番で3番に起用されたことからも、韓国が柳承敏に寄せる期待度の高さがうかがえる。
 名前にかけるわけではないが、柳承敏の柳の木のようによくしなるスイングから放たれるフォアハンドドライブは強烈かつ華麗で、素早く大きく動くフットワークは金擇洙をほうふつとさせる。
 柳承敏もまた、後に2004年アテネオリンピック男子シングルスで金メダルを獲得している。

「ペンドライブ型」「次代のエース候補」「後のオリンピック金メダリスト」など、共通項が多い馬琳と柳承敏の試合は、互いが柱であるフォアハンドドライブを打つために、厳しい先手争いでカウントが進む。
 馬琳の第2ゲーム後半の怒涛の追い上げと、柳承敏のダイナミックかつしなやかなプレーに注目だ。
(文中敬称略)

(文/動画=卓球レポート)

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