1. 卓球レポート Top
  2. 技術・戦術
  3. ちょい足し!
  4. ちょい足し!feat.琉球アスティーダ バックハンドで目覚めの1発を打ちたい(吉村真晴)

ちょい足し!feat.琉球アスティーダ 
バックハンドで目覚めの1発を打ちたい(吉村真晴)

「ちょい足し!」は、誰もが気軽に実践できる技術向上のためのちょっとしたコツを、トップ選手たちが先生になってピンポイントで教えてくれる企画です。
 今回は特別編として、琉球アスティーダのメンバーが参戦してくれました。平野友樹、吉村真晴有延大夢松山祐季の4選手が、それぞれ自分にちょい足ししたい技術を挙げ、メンバーに教えを請います。
 特別編3回目は、吉村真晴選手が「目の覚めるようなバックハンドドライブを打ちたい」とリクエスト。剛腕で鳴らす有延大夢選手に教えを請いますが、話は思わぬ方向へ展開していきます。

※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています



「観客の目が覚めるような一撃バックハンドドライブが打ちたい!」(吉村真晴)

吉村:試合でバックハンドドライブを振り切れないときがあるのが、僕の悩みです。振り切れるとプレーのリズムも上がってきて、「お、吉村真晴、結構いい試合しているな」とお客さんも喜んでくれるんですが、振り切れないと「あれ?吉村真晴しょーもない試合しているな、眠たくなってきたぞ」となるわけです。
 そういうときに、僕、目覚めの1発を打ちたいんです。強烈なバックハンドドライブ。目の覚めるような1発というと、この中で有延しかいないでしょ。

有延:俺すか?松山も後ろからバックハンドドライブ結構打ちますけど......

吉村:あれは確かに目が覚める!でも、とんでもない方向行くから(笑)。俺は卓球台に入れたいの!
 有延とダブルスを一緒に組むと、「え!?そんな速いボール入るの?」っていつも驚くので、ここは有延からちょい足しを伝授してもらって、Tリーグで活用したいなと。

有延:ガンガン振っていくんですね、今シーズンは!

吉村:もうガンガンよ、ガンガン!高校生の頃は怖いもの知らずで振っていたけど、最近怖いんですよ(笑)。勝負の世界を知れば知るほど、どんどんに入り込んで振れなくなるんです。だけど、そこでしっかり振って勝っていかなければいけない。
 ということで、今回は自分がパワーアップしつつ、読者の皆さんの成功にも役立ててほしいので、よろしくお願いします!

有延:はい!お任せください!





--吉村選手がツッツキに対して見事なバックハンドドライブ
一同:おおっ!

吉村:入っちゃうんよ!俺、下手ではないんよ(笑)

平野:どうやったら試合でできるかだよね?

吉村:それです!となると、メンタルコーチか!有延じゃないないか(笑)。ちょい足しシリーズ初のメンタルきたか、これ?

--吉村選手、再び見事なバックハンドドライブを連発
有延:違う違う、これはもうダメです。なぜかというと、全然(体勢が)詰まっていないから。「ここに来るんでしょ?」という感じで待っているから、体の前にちゃんと空間があります。それが答えです。

吉村:つまり、どこに来るのか分からない試合では、このポジショニングを取れていない

有延:そうです、そういうことです。

吉村:なるほど。ということは、俺は練習プロなのかもしれない(笑)。先生、見本見せてください!

--有延選手、ものすごい威力のバックハンドドライブを連発
一同:うひゃー、はっや。やっぱり先生すごいですね、何か違う

平野:そんなに簡単にミスしなそうな雰囲気があるのに、このボールが出せるのはすごいね。

吉村:有延と比べると、俺のは打球点早いですよね。(ボールのバウンドの)上がりっぱなを打っているけど、有延の場合は、しっかりボールを引き付けている

平野:真晴(吉村)の場合、(打球点が遅れて)打つタイミングがないときがあるよね。

吉村:それが弱さ。練習だったら振れるけど、試合だと詰まることが多くて「やばい、入れないと」と持ち上げてしまう。有延の打球点は、なんなら頂点から少し遅れているもんね。

有延:(打球点は)ちょっと遅いって、みんなに言われます。

--再び有延選手、ものすごい威力のバックハンドドライブを連発
平野:いやはや、すごい。

有延:一発芸です、一発芸(笑)。スイング速くしないと。スイングスピードはめっちゃ大事ですね。

--吉村選手が実技。有延選手のスイングを見て何かつかんのだのか、ものすごい威力のバックハンドドライブを連発
一同:おおおっ!

吉村:言葉はいらない。自分で見て学ぶ、これが1番身に付く。皆さん、トッププレーヤーのプレーをちゃんと見ましょう(笑)

有延:ちょっと変わったっすね。

吉村:さっきまで、空間をつくることにフォーカスしていたけど、結構手打ちだった。ただ、有延のスイングを見ていると、左手で(左手をボールと同じくらいの高さに上げて)打球ポイントの印(目標)みたいなものをつくっているんですよね。それによって、(体の前に)空間ができて、なおかつ左手を引きながら体をひねってボールに力を加えているのかなと。どう?

有延:そ、そうですね。

一同:(爆笑)

吉村:おそらく、左手がここにあると、体の前の空間の認識ができて、ボールとの距離が計りやすいんですよ。だから、詰まりそうだなと思ったら後ろに下がって調整できるし、ボールが来るところを判断できるのでいいかもしれない。智和(張本智和/木下グループ)とかも左腕伸ばしているしね。この左手があると、体の左側にもできます。

平野:打球タイミングもつかみやすいし、バックスイングも引きやすいよね。

吉村:はい、分かりませんけど、めっちゃ力入ります。

有延:ああ、気づけなかった、そこに。

【ちょい足し!前&後】
吉村真晴のツッツキに対するバックハンドドライブ



今後は有延に日本語をガチ足ししていこうと思います/吉村真晴

吉村:今回、有延に対してちょい足しをお願いしたんですけど、「言語化ができない」という、言葉に対する問題が生じまして(笑)。僕に見て学べと。

有延:それすらも......

吉村:言ってない(ピシャリ)。目が言ってたんですよ、「吉村さん、頼みます。言葉にはできません」って。それが通じて、僕はあきらめました。そして、見て学ぶというユーチューブでもできそうなことを今回やりました(笑)。
 結論、左手をボールと同じくらいの高さに上げて、目標の目安と壁をつくる。あとは、左手で引く力を使ってボールに力を伝える。これがポイントなんじゃないかと気づきました。実践してみて、しっかりボールに力が加わるし、ボールとの距離感もばっちり計ることができました。
 本来、このちょい足しシリーズは先生に教えてもらう企画なのに、「見て自分で学ぶ」という新しいシリーズになってしまいましたが(笑)、すごく良いものを学び、僕としては成長できたと思います。今後は、僕が有延に日本語をちょい足しではなく、ガチ足しで教えていこうかと思います(笑)

有延:吉村さんの見ていて「うまいなあ」と思ったし、「どこが悪いのかな?」って思って言葉にできませんでした。でも、結果オッケーですね(笑)


 生徒役の吉村選手が自らポイントを見つけ出すという、よもやの流れになった今回のちょい足しシリーズ。圧巻のトーク力を持つ吉村選手ならではの展開になりましたが、吉村選手にインスピレーションを与えた有延選手の超人的な一撃バックハンドドライブも圧巻でした。
 バックハンドドライブに威力を出したいと願っている選手は、ぜひ今回のちょい足しポイントを参考にしてみてください。
 吉村選手と有延選手の見事な掛け合いと、2人の強烈なバックハンドドライブが堪能できる動画も、ぜひご覧ください。

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■技術・戦術の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■技術・戦術の新着記事