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【特別企画】オフチャロフのバックハンドサービス 
フォア前への横下回転サービス

 東京オリンピック男子シングルス銅メダルを筆頭に輝かしい成績を収め、今なお世界のトップで活躍するオフチャロフ(ドイツ)。オフチャロフといえば個性的なサービスの数々が印象的だが、中でも低すぎる構えから繰り出すバックハンドサービスは彼の代名詞だ。
 この特別企画では、オフチャロフが自身のバックハンドサービスについて詳しく説明してくれる。
 第2回は、フォア前への横下回転サービスを出すポイントを解説してくれた。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています

ラケットを上に振り上げるフォロースルーで
上回転サービスに似せることがポイント

 私のバックハンドサービスは、前回紹介した(右利きの相手の)フォア前への上回転サービスを多く使いますが、そのメインサービスをより有効にするために横下回転サービスも出します。このサービスはあまり使いませんが、重要な場面で出すようにして相手のミスを誘うようにします。
 バックハンドサービスで横下回転をかけるときは、ラケットを上から下に振り下ろし、ラケットの先の方でボールの横下を捉えます。そうすると、ボールに横下回転をかけることができます。
 そして、このサービスで大切なのが、フォロースルー(打球後のラケットの動き)です。連続写真の私のスイングを見れば分かる通り、打球した後、上回転サービスと同じようにラケットを上に振り上げていますが、これは相手に「上回転かもしれない」と錯覚させるためです。そうすると、相手がレシーブをネットミスする可能性が高く、相乗効果で上回転サービスも効くようになります。
 ボールを捉える位置は上回転サービスとは異なりますが、それ以外はできるだけ同じにすることが横下回転サービスを出すポイントであり、ひいてはバックハンドサービス全体の効果を高める上での重要ポイントです。

フォア前への横下回転サービス(横から)

フォア前への横下回転サービス(前から)


 バックハンドサービスで横下回転サービスを出すときは、回転を強くかけることよりも、上回転サービスに見せかけることが重要だというオフチャロフ。下に並べている横下回転サービスと上回転サービスの連続写真を見比べても、インパクト(打球の瞬間)のラケット角度以外は動作がほとんど同じだ。
 このように、同じような見た目のスイングから異なる回転のサービスを出すことは効果的なサービスを出すための必須条件だが、オフチャロフがトップ選手たるゆえんは、スイングスピードがものすごく速いこと。猛烈に速いスイングから異なる回転のサービスを出し分けるからこそ、トップ選手たちの判断を誤らせるようなサービスを出すことができるのだ。
 スイングスピードを速くするヒントとしては、オフチャロフの左足と腰に注目してほしい。オフチャロフは上げた左足を着地するタイミングでインパクトし、ひねった腰をしっかり回しながらスイングしているが、このように体全体を使うことでスイングスピードはもちろんのこと、スイングの迫力も増す。
 オフチャロフのようなバックハンドサービスを身に付けるためには、腕だけではなく、体全体を使って速くスイングすることを意識して練習に取り組もう。

フォア前への横下回転サービス(写真左)と上回転サービス(写真右)

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)

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