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【特別企画】林昀儒の神業チキータ 
③ロングサービスへの対応

 幼少より「中華台北の至宝」として注目され、今や世界のトップ選手としての地位を確固たるものにした林昀儒。以前、卓球レポートでは林昀儒のサービスに注目したが、今回の特別企画では彼のチキータにスポットを当てたい。
 現代卓球ではトップ選手のほぼ全員がチキータを使うが、その中でも林昀儒のチキータの得点力は抜きん出ている。「あいつのチキータはマジでやばい」。そうトップ選手たちが異口同音におそれる神業(かみわざ)のようなスピードが速くて鋭いチキータのコツを、林昀儒本人のコメントを交えながら紹介していこう。
 最終回は、チキータしようと待ち構えているときに、ロングサービスが来た場合の対応を林昀儒が教えてくれる。
※本文の技術解説は左利きプレーヤーをモデルにしています

不意に来たロングサービスに対しては
台から少し距離を取ってレシーブすることが重要

--ショートサービスを予測してチキータしようと待っているときに、相手が不意にロングサービスを出してくるケースも多いと思います。その場合の対応を教えてください。

林昀儒(以下、林) ロングサービスに対しては、もちろんチキータはできません。ロングサービスが来た場合でも足の位置取りが重要です。ロングサービスが来たら、台から少し距離を取ってレシーブします。

--林昀儒選手がレシーブするときの待ち方を教えてください。ショートサービスに対してチキータすることを第一に考えているのでしょうか?

 相手によります。ショートサービスを出してくることが多い相手に対しては、ショートサービスを待って積極的にチキータを狙っていきます。
 一方、ロングサービスを多く出してくる相手に対しては、基本的にロングサービスを待ちます。そのため、台から少しだけ離れてレシーブを構えるようにしています。ロングサービスが多い相手がショートサービスを出してきた場合は、台から離れて構えている分、早い打球点を捉えられないので、打球点を遅らせて、あまり無理をせずに安定性を重視したレシーブを心掛けています。

バック側に来たロングサービスに対するレシーブ



 チキータしようと待ち構えているところへ不意にロングサービスが来た場合は時間がないため、その場で対処しようとしがちだが、それではレシーブが安定しない。林昀儒が言うように、不意に来たロングサービスに対しては、時間がない中でも台から距離を取ってレシーブすることがポイントだ。
 相手はチキータ封じとしてこちらのバック側にロングサービスを出してくることが多いため、ここではバック側に来たロングサービスに対してバックハンドドライブでレシーブする連続写真を紹介する。
 このケースで台から距離を取るときは、右足を後ろへ引く(右利きの選手は左足を後ろへ引く)ことがポイントだ(写真1〜5)。右足を引くとスイングするスペースをつくることができ、また時間的な余裕も生まれるのでレシーブを安定させやすくなる。
 そうして準備したら、安定性を重視してバックハンドドライブしながら左足を後ろへ引き(右利きの選手は右足を後ろへ引き)、次いで両足を軽く後ろへステップさせて台から距離を取ろう(写真6〜10)。レシーブ後、このように台から距離を取っておくと、4球目以降のラリー戦に余裕を持って対応することができる。両足を後ろへステップさせるときは、上体が起き上がらないように注意しよう。
 また、林昀儒が言うように、「相手のサービスの傾向を把握し、サービスの長さの予測をあらかじめ絞り込んでおく」こともロングサービスを安定してレシーブする上で大切なポイントだ。
 
 今回取り上げたように、林昀儒のようなチキータをマスターするためには、チキータ自体を磨くだけでなく、ロングサービスへの対応を磨くことが必須だ。慌てずにロングサービスに対処できれば、その分、いざチキータするときに余裕が生まれる。
 林昀儒のコメントや連続写真を参考にして、不意に来たロングサービスに対して安定してレシーブできるようになろう。

↓動画はこちら

(取材/まとめ=卓球レポート)


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(取材/まとめ=卓球レポート)

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