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2011ロッテルダム大会最終日:5月15日

男子シングルス、張継科(中国)が初優勝 ~中国に世代交代~

張継科が世界チャンピオンの座に

 世界卓球2011ロッテルダムの大会最終日(5月15日)は男子シングルスと女子ダブルスが行われた。

 男子シングルスは決勝が行われ、王皓(中国)と張継科(中国)が世界最強の座をかけて対戦した。
 王皓は中国史上5人目の大会連覇を狙う。一方の張継科は初のシングルス出場での制覇を目指す。

 会場のあちこちで五星紅旗が掲げられる中、世界一決定戦は王皓のサービスエースで幕を開けた。硬さが見える張継科が0-2からサービスミスし、王皓が4-1とリードする。しかし、点差を付けられて力が抜けた張継科が両ハンドで7-7とすると、今大会冴えを見せているライジング攻撃で8-7と逆転に成功した。王皓も粘りを見せてジュースに追い付くが、張継科が必殺の逆横下回転サービスでポイントを挙げて、第1ゲームを先行する。すると第2ゲームはラブオールで張継科がサービスエース。王皓は他の選手も苦しめられた張継科の強烈なサービスに苦しんで、いい流れをつかめない。このまま張継科が5-1、8-4と引き離して、このゲームも連取した。
 いきなりの先行を許した王皓だが、第3ゲームは流れを変えるべく猛攻を仕掛ける。しっかり足を使ってフォアハンドドライブを左右のクロスに打ち分けて1-5、4-9と攻め込んで、ようやく1ゲームを取り返した。続く第4ゲームは攻め合って4-4とすると、お互いサービスを生かして得点を重ねて6-6と競り合う。7-7から王皓が裏面を2本ミスして9-7となるが、次のラリーを取り返して9-8となったところで張継科が早めのタイムアウトを入れる。しかし、流れは引き寄せられず探り合いでミスが出て9-10となると、王皓がサービスエースを決めて2−2のタイスコアに戻した。
 試合を流れを決めそうな第5ゲームは、両者牽制し合って小さい差し手争いが続いて4-4。ここで腹をくくった張継科がフォアハンドで動いて力で押して9-5と一気に引き離し、あこがれの栄冠に王手をかけた。
 ペースを掴んだ張継科は、第6ゲームも要所で回り込みドライブを見せて5-2とリード。追い込まれた王皓がたまらずタイムを入れるが、張継科が緩めず9-5と勝負を締めくくりにかかる。ここで焦った王皓がサービスミスを犯して、張継科に栄光の瞬間が近づいた 。しかし、ここに来て張継科が勝利を意識して8-10とされると、王皓が意地のドライブで9-10と追いすがる。王皓が勝負をかけてバックへの長い下回転サービスでエースを奪って、まさかの5本取りでジュースに追い付いた。
 ここで張継科がサービスからの攻めで11-10とするが、王皓が気迫のプレーで2本取り返して11-12とひっくり返す。ここで張継科が再び力を振り絞って13-12と7回目のワールドチャンピオンシップポイントを手にすると、最後は渾身の回り込みドライブでついに栄冠を掴んだ。
 熱戦に終止符を打った張継科はその場に倒れ込むと、スクッと立ち上がって勝利の雄叫びを上げた。

 世界最強の座に就いた張継科は、王皓、王励勤といった偉大な世界チャンピオンを連破してその座を掴んだ。決してフロックではなく、実力を伴ったタイトルと言えるだろう。しかし、これからは自らが先頭に立って最強軍団を引っ張っていくという重責が求められる立場となる。そのためには心身共にさらなる精進を遂げていかなければならないだろう。それこそが真の王者と認められる彼の新たな役目となるはずだ。まだまだ23歳と若い新チャンピオンのさらなる成長に期待が高まっていく。


立ち上がりは王皓が攻めたが・・・

張継科が渾身の力で王座を掴んだ

栄光の瞬間、天に吠える


準決勝第1試合:王皓vs馬龍 ~王皓が貫禄のプレー~


 両者は前回横浜大会でも準決勝で対決しており、そのときは王皓が力の差を見せて馬龍に快勝している。今回も立ち上がりから王皓がエンジン全開で馬龍に襲いかかって4-0とする。台上で裏面フリックを展開してからライジング攻撃を放って7-1として、第1ゲームを先行する。
 第2ゲーム、2年前とは桁違いに力を付けて一時は世界ランキング1位に登り詰めた馬龍が力を発揮。鋭い動きで攻め立てて4-7とリード。王皓もしっかり動いてジリジリと追い上げて9-9とする。ここで馬龍が力強いフォアハンドでねじ伏せると、ラッキーなエッジで1−1に追い付いた。すると第3ゲームは馬龍がフォア前に小さく揺さぶって王皓の足を止め、フォアの打ち合いで優位に立って1−2と逆転に成功した。第4ゲームは一進一退の展開でジュースにもつれるが、王皓が力で押し切って2−2に追い付いた。
 第5ゲームは両者の実力が発揮されて打ち合いが展開されるが、王皓が裏面からチャンスを広げてフォアハンドで決めて3−2と逆転に成功した。すると第6ゲームは立ち上がりからスパートして7-4とするとこのままリードを保って勝利を収めた。
 王皓は2大会連続の決勝進出を決めるとともに、自力でオリンピック出場の当確ランプを点らせた。


王皓が力でねじ伏せた

馬龍はまたも準決勝で散る・・・



準決勝第2試合:ティモ・ボルvs張継科 ~中国の牙城を崩せず~


 世界ランキング2位のボル(ドイツ)と3位の張継科が準決勝で対戦した。昨日に続いて会場のヨーロッパファンがボルの登場を待ち焦がれる。一方、中国人の観客が昨日よりも増えて、"ティモ"コールと加油という大歓声に迎えられて試合がスタートした。
 立ち上がりは探り合う展開で4-4となるが、ボルが先手を取ってライジングを決めて9-5として第1ゲームを先行する。序盤は硬さから動きが悪かった張継科だが、一汗かいて体がほぐれてきた。第2ゲームに入るフットワークが良くなってフォアハンドを連発して1-4とすると、両ハンドの連打で5-9として1−1に追い付いた。
 張継科の圧力に押されたボルは小さく揺さぶろうとするが、うまくつなげずミスが出る。張継科は打ち合いでもボルのフォアミドルをうまく突いてフルスイングを許さずに、第3・4ゲームを連取して王手をかけた。
 あとがなくなったボル。第5ゲームは捨て身のフォアハンドドライブをバックに決めて4-1とする。しかし、張継科が打ち合いに持ち込んで流れを引き戻すと、4-5と逆転されてボルがたまらずタイムを入れる。両者譲らず凄まじいラリーが展開されるが、張継科が押し込んで5-8と引き離す。このまま粘るボルを張継科が振り切って4−1で快勝。初めての世界卓球でのシングルス出場で決勝進出という快挙を成し遂げた。


張継科がフォアハンドで押し切った

ボルは圧力をはね返せず・・・

7度目の挑戦で銅メダルを獲得


女子ダブルス、郭躍・李暁霞(中国)が2連覇 ~丁寧・郭炎を圧倒~

郭躍・李暁霞が女子ダブルスで2連覇

 女子ダブルスは決勝は前回横浜大会と同じ顔合わせとなり、郭躍・李暁霞と丁寧・郭炎の中国対決となった。横浜では郭躍・李暁霞が丁寧・郭炎を圧倒して世界タイトルを獲得している。

 4名全員が世界卓球の女子シングルス決勝を経験しているハイレベルな戦いは、立ち上がりから互角の攻防で8-8となる。ここで郭躍・李暁霞が位置取りをうまく取って攻守を展開して第1ゲームを先行する。第2ゲームに入ると郭躍・李暁霞のプレー隙がなくなって7-0として、2−0とリードを広げた。
 第3ゲームは互いに譲らぬ展開となりジュースにもつれる。ここで4人の中で唯一個人戦の世界タイトルがない郭炎のプレーが硬くなり、郭躍・李暁霞がしっかり付け込んで3−0と連覇に王手をかけた。
 一気に決めたい郭躍・李暁霞と、リベンジへの道を開きたい丁寧・郭炎の意地がぶつかり合い、第4ゲームは激しい攻守が繰り広げられる。しかし、5-5から郭躍・李暁霞が攻撃モードでワイドに攻め込んで9-6と引き離して勝負を決めた。
 これで郭躍・李暁霞は見事に2連覇を達成した。中国は女子ダブルスで2連覇という驚異の記録を継続。いったいどこがこの記録を止めることができるのだろう。


郭躍・李暁霞が圧倒的な力で2連覇

丁寧・郭炎はまたも無念・・・


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

ロンドンでは誰が金メダルをかじるのか

 8日間に及んだ世界戦が幕を閉じた。
 次のビッグマッチはロンドンオリンピック。最後に金メダルをかじるのは誰だ?

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。

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