35年ぶりの決勝進出を目指して地元ドイツと対戦した日本は、1対3で敗れて準決勝の壁を越えることができなかった。
日本はトップで水谷がオフチャロフに競りながらもストレート負けすると、2番で丹羽がボルにストレート負け。3番は3月26日のポーランド戦以降はベンチに下がっていた岸川が意地を見せてバウムを3対1で下したが、4番のエース対決で水谷がボルに敗れた。
日本が格上のドイツに勝つためには、トップの水谷の先取点が必須。水谷はここしばらくオフチャロフに負けていなかったが、出だしからプレーに堅さが感じられた。「自分が絶対に勝たなければいけないという気持ちがあって緊張してしまった。2ゲーム目のリードをものにできず、また3ゲーム目もジュースで落としてしまったのが悔しい」と水谷。
2番の丹羽は卓球を始めてからずっとボルに憧れていた。そのボルとの対戦を丹羽はこう振り返った。「全てにおいて相手が上で、僕が勝っている部分は1つもなかった。試合をしていて勝てる気がしなかったです。実力不足を感じました。でも、試合は勝ちにいったので負けたことは悔しいです」と話した。
後がなくなった日本は、岸川が登場。「0対2でまわってきたとか、アウェーだとかいうことは全く考えずに、相手とボールしか見えなかった。無心でした」と言った岸川だが、スタートから気合い十分のプレーを見せてバウムに打ち勝った。攻撃的なプレーを続け、ドライブの打ち合いになっても相手を押すほど気持ちの入ったプレー。会心のゲームでドイツから意地の1勝をもぎとった。
4番は水谷対ボル。2年前のモスクワ大会では予選リーグでの対戦で水谷が初めてボルに勝ったが、この試合でも堅さが見られた水谷は0対2とリードを許してしまう。3ゲーム目は8対10からボルの逆をつくバックハンドなど冷静なプレーでジュースに追いついたが、このゲームを取ることができずゲームセット。日本はドイツに敗れて決勝進出はならなかった。
ドイツに敗れたとはいえ、強豪ひしめく男子団体で3大会続けて銅メダルを獲得したことは立派といえよう。
今大会の収穫としては世界選手権大会の団体戦に初出場で、ロンドンオリンピックの3番目の選手として団体戦になっている丹羽が、トップ選手に勝つ活躍を見せたことだろう。加えて岸川が底力を見せたことも大きい。エースの水谷が復調して、ロンドンでもメダル獲得に向けて精進してほしい。