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全日学は上田と丹羽が初優勝

大学生日本一を決める「全日本大学総合選手権大会・個人の部」が10月26~28日、横浜文化体育館(神奈川)で開催された。男子シングルスは上田(青森大)、女子シングルスは丹羽(淑徳大)がともに初優勝を飾った。


【男子シングルス】上田が吉村を退け念願の初V

男子シングルスは昨年優勝者で第1シードの神(明治大)が欠場し、全日本チャンピオンの吉村(愛知工業大)と上田(青森大)が順当に勝ち上がり、初優勝を賭けて戦った。

決勝は、序盤から全開の上田が両ハンドドライブで先手を取り、11-3と吉村を圧倒。第2ゲームは吉村の攻撃も冴えを見せて両者譲らず。ジュースにもつれ込み、このゲームを取って引き離したい上田が15-14でタイムアウト。再びジュースになるが、最後は上田がスーパーカウンターで17-15とし2−0と優勢に。第3ゲームもお互いにサービスを生かして得点を重ねジュースに。今度は意地を見せた吉村が17-15とし、1ゲームを返す。しかし、無理をしない上田のプレーに対して、早い打球点でアグレッシブに攻める吉村にミスが出て、第4、第5ゲームを連取した上田が念願の全日学初タイトルを飾った。


■上田仁優勝インタビュー
「率直にうれしいです。大学に入ってからなかなか思うような成績が出てなかったので、ちょっと時間はかかりましたが、こうやって結果が残せることができてすごくうれしい反面、ほっとした部分もあります。
今回の優勝は、試合前からそれなりに準備をしてきましたし、それをバックアップしてくださる皆さんがいたので、学校関係者はじめ、ベンチに入ってくださった阿部さんや福島先生にも感謝しています。
吉村選手とは練習では何度かやっていますが、本試合では初めてで、お互いどういう展開になるかというのがわからなかったんですが、自分の気持ちを高めてコートに入ることができたので、最初から最後まで自分らしい集中したプレーができたと思います。
青森では中高大と一緒に練習しているので、後輩に練習につきあってもらったり、いつも以上に頭を使いながら練習することを心がけるようになってからよくなってきたと思います。
決勝は2ゲーム目のジュースを取ったが大きかったです。相手は全日本チャンピオンですし、余裕を持たれてプレーされると不利になってしまうので、ここでプレッシャーをかけておきたいと思って2ゲーム目で思い切ってタイムアウトを取りました。
吉村選手はバックハンドが非常に上手い選手なので、そのバックハンドをいかに振らせないようにするかというのを考えながらプレーしました。特に最後の方でサービスを散らせることができたので、相手が思うようにレシーブから積極的に来れなかったのが勝因だと思います。
吉村選手のサービスは種類も豊富ですし、いろいろなフォームからいろいろなサービスが来るので、まずあわてないようにしました。僕自身調子がよかったので、レシーブが浮いたとしてもラリーで取るんだという気持ちでプレーしたので思った以上に焦りませんでした。
今大会で2位以上で世界選手権パリ大会の選考会に出場が決まったので、パリ大会のシングルスの切符を手に入れたいと思います」


3位には5回戦で共田(愛知工業大)を破り、準々決勝で柴田(愛知工業大)との激しい打撃戦を制した岩崎(早稲田大)が最後の全日学で初の表彰台に上がった。同じく早稲田大の大島も1年生ながら3位入賞。準決勝で吉村に対して優勢に試合を進め、全日本チャンピオンを脅かした。

 

 

【女子シングルス】1年生の丹羽が優勝

女子シングルスは前年度チャンピオンの松澤(淑徳大)がケガのために出場を見合わせ混戦が予想されたが、高校を卒業してから成長の跡を見せた1年生の丹羽が初の学生王者の座に輝き、淑徳大が王座を守った。

 

決勝は、高橋(早稲田大)、笠原(大正大)をゲームオールで下して初の決勝進出をはたした鳥居(神戸松蔭女子学院大)と玉石(同志社大)、中島(早稲田大)をゲームオールで破って決勝に進出した丹羽との対決となった。試合はパワフルな両ハンドドライブで攻める丹羽に対して、巧みなコース取りとバック面の表ソフトラバーの変化で主導権を握る鳥居という形で進んだ。終始、流れが傾かない一進一退の攻防が終盤まで続き、勝負は第7ゲームへ。やや守勢に回った鳥居に対して、最後まで迷わずに攻め続けた丹羽が1年生にして初優勝を決め、初の個人戦全国タイトルを手にした。

 

■丹羽美里優勝インタビュー
「今回の試合は、1年生ですが優勝できると信じながら試合をしていたので、優勝できたのだと思います。試合前はすごい調子が悪くて、練習でも納得いかないし、練習試合でも全然勝てなくてすごい不安でしたが、試合をやっていくうちに徐々に自分のプレーができるようになってきて、それが結果につながったんだと思います。
劣勢でも負けることは考えないで、1本1本、相手よりも1本でも多く返すようにと考えていました。マッチポイントが近づいてきてすごく緊張して手も震えてきましたが、冷静に打てるボールだけしっかり打つようにしました。松澤さんが出場できなかったので、私が優勝しないとという思いもありました。両親も北海道からわざわざ見に来てくれたので優勝してあげたかったのでよかったです。
大学に入ってからは、冷静にプレーできるようになって精神面で成長したのと、今でもまだ粗いですが、ちょっとは丁寧にプレーできるようになったんじゃないかと思っています。
次の目標は学生選抜でいい結果を残すことと、全日本でランクに入ることです」

 

3位には安定したカット攻略を見せた笠原と加藤(早稲田大)との激しい同士打ちを制して準決勝に進出した中島が入った。

 

 

【男子ダブルス】森本・吉村が初優勝

男子ダブルス決勝は森本・吉村(愛知工業大)と全日本選手権大会2位の加藤・共田(愛知工業大)の同士打ちとなった。試合は森本のミスの少ない堅実なプレーに吉村の意外性のあるファンタスティックなプレーで主導権を握り、加藤・共田を勢いづかせずに3−1で優勝を決めた。

 

3位には大島・山本(早稲田大)の1年生ペアと攻撃力ある左右のペアで健闘した西東・高橋(北陸大)が入った。

 

 

【女子ダブルス】中島・加藤が初優勝

準決勝でこれまで勝ったことがないという昨年の優勝ペア池田・平野(東京富士大)を破って決勝に進出した中島・加藤(早稲田大)が、決勝で昨年2位の根本・北岡(中央大)と対戦。試合は中央大ペアのカットを、ストップ、ツッツキ、カット打ち、スマッシュを交え、完璧に攻略した早稲田の4年生ペアが初優勝を飾った。

 

3位には2連覇を目指した池田・平野と準々決勝で白鳥・丹羽(淑徳大)の変則ペアを破った平舩・小室(早稲田大)が入った。

 

詳細な記録は関東学生卓球連盟ホームページに掲載されています。

関東学生卓球連盟:http://kanto-sttf.jp/

 

今大会の模様は卓球レポート12月号に掲載。

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