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渋谷浩が見たパリ大会<9>男子ダブルス3回戦

shibu.jpg日本対決は、岸川・水谷の勝ちたい気持ちが上回ったのだと思います。かなり相手を動かしていました。相手を動かせばワイドに返ってくるので自分たちも動かなければいけなくなりますが、それを覚悟で必死にやっていました。本当に勝ちたかったのでしょう。丹羽のチキータも水谷ペアがかなり防ぎました。時折ロングサービスを出し、長いサービスを警戒させておいてショートサービスを出すなど、強いチキータをさせずにラリー戦に持ち込んでいました。

張・松平賢二と中国ペアの試合は、ほとんどが4ラリー以内で決着がついてしまうという試合でした。サービス・レシーブから少しでも浮いたら打たれ、少しでも長くなったら打たれ、コースが甘くなっても打たれる。そういう神経をすり減らしながらの互いのプレーぶりでした。両ペアとも、台上の数センチ以内に落とすとか、ネットの数センチよりも上に行かないようにするだとか、本当に細かいプレーをやっていましたが、前半は中国ペアの精度が上回っていました。逆に日本ペアは、甘いボールが来ても、たまにしか甘いボールが来ないために力んでしまい、ミスが多く出てしまいました。

そのあたりでゲームカウント1−3までリードされましたが、突然、運の要素もあって、要所要所で点を取れるようになりました。中国ペアはリードしていて追いつかれたので、ナーバスになっていたかもしれませんね。最後は中国ペアが気負いすぎて、強打できるボールを「来た!」と意識しすぎてミスを連発していました。

賢二の卓球は、台上からのプレーに意外性があります。ボールの威力もあるのですが、台から離れたときよりも、台上からのポイント率が高い。フリックも強力なスピードがありますし、そのあたりが最後はうまくいきました。

張のブロックも素晴らしかったです。中国選手も含めて、あのコートにいた4人の中でブロックが1番うまいのは張です。だからこそ4ラリー以内の攻防になったわけでもあります。中国ペアの方も守備があまりうまくないので、攻めよう攻めようとなって、そこで入るか入らないかの勝負になっていました。

次は岸川・水谷も張・松平賢二も中華台北ペアと対戦します。どちらもメダルの可能性が大いにあると思いますが、メダルのことは頭にちらつかせない方がよいでしょう。1戦1戦を戦うという、トーナメントの戦い方でよいと思います。これを勝てばメダルと思ってしまうと、どこかで委縮したり力んだり弱気になったり、いろいろな感情の起伏が出てしまうので、1戦1戦という気持ちでがんばってほしいです。


渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト




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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
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