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2013年世界ジュニア選手権ラバト大会4日目③ 男子団体決勝、日本は中国に肉薄するも及ばず

12月1~8日、ラバト(モロッコ)で開催されている第11回世界ジュニア選手権大会の4日目、男子団体決勝は4大会連続で中国対日本の決勝となった。ここ3年はいずれも日本が敗れている。今大会で中国を脅かした日本は、これまでで最も優勝に近い2位といえるだろう。


中国は王座を死守した

森薗がトップバッターで先制

梁靖崑は規格外のパワーで村松と森薗を圧倒

村松は圧倒的な威力の前に粘りきれなかった

速攻ボーイ酒井が大逆転勝利で日本がリード

最後は中国が王者の意地を見せた

日本は心を一つにして戦った


■男子団体決勝
 中国 3-2 日本

 孔令軒 -6,-9,9,-5 森薗○
○梁靖崑 -8,8,9,9 村松
 周愷 4,9,-7,-10,-13 酒井○
○梁靖崑 7,7,7 森薗
○孔令軒 9,4,11 村松

9連覇を狙う中国はアジアジュニア王者の梁靖崑、サウスポーの若手成長株孔令軒、鋭い両ハンドの周愷というフルメンバーで日本との対戦に臨んだ。
トップで孔令軒を迎え撃ったのは森薗だった。緊張感のある立ち上がりで両者一歩とも譲らないが、森薗がフォアストレートに思い切ったチキータレシーブを決めると勢いに乗って第1ゲームを先取。第2ゲームも9-9から思い切りのよいプレーで森薗が決め、2-0とリード。第3ゲームは前半にリードを許したのが響いて落としてしまうが、第4ゲームでは縦回転系サービスを軸に3球目攻撃を積極的に仕掛け孔令軒を圧倒。持てる力をすべて使い、気迫でも相手を上回った森薗が牙城の一角を崩した。
よい流れを引き継いだ2番の村松は、回転量の多い深いカットで梁靖崑を苦しめ、フォアハンドのパワードライブで押す梁靖崑から第1ゲームを先取。ゲームを落とした梁靖崑だが、一歩も引かずにフォアハンドドライブでコースを突いて攻め続け、村松を大きく動かし第2ゲームを返す。豪腕フォアハンド一辺倒の梁靖崑だが、低いドライブに村松のカットが浮いて、村松はラリーで得点が難しい状態に。村松が思いきったバックハンド攻撃を決めて8-9と迫ったところで劉国正監督が絶妙のタイミングでタイムアウト。勢いに乗りたかった村松の流れを止めてこのゲームも梁靖崑。第4ゲームは低い弾道のカットを持ち上げた梁靖崑に村松がカウンターを決めて得点。一進一退の攻防となるが、フォアハンド攻撃を貫いた梁靖崑の執念が村松の粘りに勝り、前半は1対1に。
要の3番は酒井対周愷。酒井はしゃがみ込みサービスやチキータレシーブ、高速カウンタープレーなど多彩な攻めを見せるが得点につながらず第1ゲームは周愷が先制。酒井のスピードプレーに対して距離を取って落ち着いて対応する周愷からなかなか点が奪えない。後半ラッキーポイントを含む連続得点で追いつくが、勝負どころで得点できずに0-2と後がない状態に。しかし、ここからリスクのある速攻を続けた酒井のボールが決まりだし、11-7と1ゲームを返す。第4ゲーム、徐々に酒井のペースで試合が進み始める。競り合いとなっても思い切りのよいプレーを連発する酒井に会場が沸いた。ジュースを制して勝負は最終ゲームへ。酒井は序盤からチキータ、高速3球目攻撃を容赦なく決め5-0とリードでチェンジエンド。勝負は決まったかに思われたが、ここから周愷が粘りを見せて7点連取。目の回る試合展開は10-9で酒井が先にマッチポイント。しかし、このチャンスをものにできない酒井に対して、今度は周愷が12-11とマッチポイント。ここで劉国正監督がついにタイムアウト。しかし、このタイムアウトが裏目に出て周愷はまさかのサービスミス。激しい攻防が続く中、3度目のチャンスを逃さなかった酒井が貴重な2点目を挙げ、日本が2対1とリード。
4番はともに前半で得点を挙げている森薗と梁靖崑の対戦。森薗はたたみかけるような速攻で序盤、梁靖崑を引き離すが、パワーで勝る梁靖崑が徐々に盛り返し1ゲーム目を先取。梁靖崑のパワードライブに森薗は前陣でブロックとカウンターで必死に応戦するが、激しいラリーの応酬の末にこのゲームも梁靖崑。第3ゲームも梁靖崑のパワープレーを防ぎきれずに、森薗はあえなくストレート負けとなった。
勝負のラストは村松対孔令軒。村松はぶつ切りのカットと回転量の多いサービスで序盤リードを広げるが、無理に強打をせずにループでつなぐ戦術にすぐさま切り替えた孔令軒が盛り返して第1ゲームを先取。孔令軒は回転量の少ないドライブとパワードライブを織り交ぜてゲームをリード。流れは孔令軒に傾く。第3ゲームは序盤で得たリードを我慢のプレーで後半まで保つが、孔令軒は思いきった攻撃で連続得点しついに8-8と同点に。ジュースにもつれ込んだゲームを決めたのは巧みなカット攻略を見せた孔令軒だった。
中国はこの勝利で世界ジュニア8連覇を達成。日本にも確実にチャンスはあったが、そう簡単には勝たせてくれないのが中国の強さだろう。最後は、決してカット打ちがうまいとは言えない孔令軒が見せたカット攻略に、中国の懐の深さが垣間見えた。だが、そうした中国の「本気」を引き出すところまで到達した今大会の日本男子のがんばりは特筆すべきものだといえるだろう。


日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
国際卓球連盟(ITTF):http://www.ittf.com

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