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渋谷浩が見た東京大会<1>日本男子がギリシャに惜敗。だがまだ下を向く必要はない

■男子団体グループリーグ ギリシャ対日本
shibu2014.jpg  選手にとって、世界選手権大会の初戦の勝敗は自身の調子などを占う意味もあり、最終日まで自信を持って臨むためにもとても重要な1戦となります。そうした重圧もかかる中で、選手たちは最後まで落ち着いてプレーをしていたと思います。

 1番の水谷は対戦相手のクレアンガの高い攻撃力に対して、柔軟な戦術を見せていました。相手の強打を無理に打ち返すのではなく、強打を防いでから、自身の得意なラリー戦に持ち込みました。
 序盤は強打に対して強引に攻め返す場面も見られ、失点するケースもありましたが、中盤から終盤にかけて強引な攻めからの転換を図ったことで、自身の気持ちにも余裕が出ました。最後のブロックによりポイントはまさに、相手に攻めさせてから反撃するという形は出た場面だったと思います。  

2番の岸川対ジオニス戦は、ジオニスが要所で織り交ぜたフォアハンドドライブが岸川のペースを崩しました。
 カットマンのドライブは打球点が遅く、早いテンポでドライブを打ち合う攻撃型の選手にとってはタイミングが合わせにくいです。私自身も現役時代によく、ドライブを織り交ぜて相手を揺さぶりました。そうしたジオニスの揺さぶりに対して、岸川も上手く対応をしましたが、台との距離感やスイングの角度などが徐々に不安定になり、カット打ちにミスが出てしまいました。勝敗はどちらに転んでもおかしくない展開でしたが、最後はジオニスに上手く攻められたという結果になってしまったと思います。  

3番のパパゲオルギオウは、バックが表ソフトで不意をついた強打などが多く、松平にとって非常にやりにくい相手だったと思います。その強打を広角に打ち分けられ、振り回される場面もありましたが、最後まで我慢強くプレーをしました。  
 しかし、相手の何を仕掛けてくるかわからないという不安から試合のペースを握り続けることができませんでした。調子自体は悪くなかったと思うので、次戦以降の活躍に期待したいです。  

 4番の水谷対ジオニス戦ではジオニスが打球点の高いカットやフォアハンドロングなど、さまざまな球種で水谷を崩そうとしましたが、水谷が惑わされることなくフットワークを駆使して打球していたのが印象的でした。非常に対応力の高さを見せた対戦だったと思います。

  5番の岸川対クレアンガは安定したラリーを得意とする岸川からすると、爆発的な攻撃力を持つクレアンガのような選手と対戦は非常に難しい部分があったと思います。岸川もさまざまなプレーでクレアンガのペースを崩そうとしましたが、相手にプレーを読まれてしまう場面もあり主導権を握られる形になっていまいました。

 倉嶋監督になって初めての世界選手権大会団体戦ということもあり、全員がよい結果を出したいという気持ちで臨みましたが惜しくも敗れてしまいました。しかし、各選手ともプレーは悪くありません。自国開催ということもあり、プレッシャーなどもあるとは思いますが、次戦以降の巻き返しのためにも、下を向くことなく、前を見据えてプレーすることが明日の勝利につながると思います。


渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト

 

今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2014東京:
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2278&category=WTTC

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