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渋谷浩が見た東京大会<16>馬龍の圧倒的な爆発力で中国が7連覇

■男子団体決勝トーナメント決勝 中国対ドイツ
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 トップの馬龍はボルのサービスを狙い、台から出たボールに対してフルスイングする超攻撃的なプレーでプレッシャーを与え、ミスを誘いました。

 また、ラリー戦になっても、威力のあるフォアハンドドライブでボルを上回りました。ボルとしては、自分の形からの得点がほとんどなく、終始、馬龍の積極的な攻撃に押されました。

 

 2番の張継科対オフチャロフでは、オフチャロフがレシーブで長くツッツキをして、あえて打ち合いに持ち込むというラリー展開が非常に多く見られました。台から少し離れた位置から積極的な攻撃を展開するオフチャロフの戦術がはまり、張継科としては防戦一方になりました。

 オフチャロフの強気な攻めは、張継科を技術的にも精神的にも受け身の状態にしました。そのため、張継科は自分の得意とする形で得点することができず、非常に苦しい試合展開となりました。

 

 3番の許昕対フランチスカは、許昕が台上の攻防でほとんど先手を取り、最後まで許昕ペースで試合が進みました。馬龍同様、台から出るか出ないかというぎりぎりのボールを打球する技術が長けており、ちょっとでもボールが長くなると、すかさず強打します。相手にとっては非常に神経をすり減らすことになり、ほかの部分のプレーにも悪影響が出るため、やりにくさを感じずにはいられません。

 対するフランチスカも先手をとられた後に必死に食らいつきましたが、無理な体勢での打球が多くミスを重ね、勝ち星を挙げることはできませんでした。

 

 4番の馬龍対オフチャロフでは、フォアハンドの打球点の早さ、ボールの威力、コースなど馬龍のよさが抜きん出た試合になりました。2番で勝利を挙げ、勢いに乗っていたオフチャロフでも馬龍の凄まじい爆発力を止めきることができませんでした。

 オフチャロフとしてはいかに強気な姿勢を崩すことができるかというところが勝利のカギでしたが、馬龍は競った場面でも攻めの姿勢を貫き、ゲームを落とすことなくチームの優勝を決めました。

 

 ドイツが決勝で1点を挙げ、一矢報いましたが、中国はこれで7連覇を達成しました。大会を通して誰が何番に出ても、得点が計算できる選手層の厚さをまざまざと見せ、若手の樊振東も出場するなど今後を見据えた選手起用もありました。

 また、最後まで気の緩みはなく、勝っておごらずという姿勢を常に持ち続けていました。7連覇という記録を達成するようなチームですから、精神的な部分でのぬかりはまったくなく、最後まで王者の風格を見せつけました。

 


渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
1997年世界選手権大会男子ダブルス銅メダリスト


今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:http://www.2014wtttc.com
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2014東京:
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2278&category=WTTC

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