1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国内大会
  4. 全日本卓球(一般・ジュニア)
  5. 平成30年度
  6. 元全日本王者が斬る!渋谷浩の眼~ダブルスの行方~

元全日本王者が斬る!渋谷浩の眼
~ダブルスの行方~

シングルスに続き、男女ダブルス、混合ダブルスの見どころをご紹介しましょう。

男子ダブルスの見どころ

組み合わせはこちら(PDFが開きます)

実戦慣れしたTリーガーの活躍が鍵
練習量の豊富な高校生にもチャンス

 昨年からTリーグが始まって、これまでダブルスの試合数が減っていたトップ選手がかなりダブルスの場数を踏んできているため、有利になることが予想されます。練習量という点では、高校生・大学生の方が圧倒的に多いと思いますが、トップ選手になると何度か練習や実戦を経験するだけで、お互いのボールやプレーに慣れて、かなり連係がよくなるので、レベルの高い戦いが見られるかもしれません。

 昨年度チャンピオンで第1シードの水谷/大島(木下グループ)は、田原/曽根(愛知工業大名電高)や及川/三部(専修大)、松下/宮本(愛知工業大)ら練習量の多いであろうペアにもまったく怖さはないと思います。第1ブロックで注目したいのは笠原/酒井(協和発酵キリン/明治大)ですね。実力者同士のペアですし、酒井は丹羽(スヴェンソン)とのペアで優勝経験もあります。笠原の安定したプレーと酒井の破天荒なプレーが噛み合えば、かなり強いペアになると思います。

 第2ブロックは、国際大会にも出場している木造/張本(愛知工業大/JOCエリートアカデミー)と、前期日本リーグ、全日本実業団、ファイナル4で優勝とリコーの大躍進を支えた鹿屋/有延(リコー)のペアに注目しています。この2ペアが有力ですが、ビッグトーナメントで優勝した森田/神(シチズン時計)は打ち合いに強いペアですね。同じ山に久住/小澤(琉球アスティーダ)という日本リーグでも勝率がいいペアがいますし、柳延恒/張一博(TEAM SATO/Y.Y卓球クラブ)もベテランならではの怖さがあります。このパートは序盤から激戦が展開されるかもしれませんね。

 第3ブロックは、吉村和弘/篠塚(愛知工業大/愛知工業大名電高)が1回戦から、出雲/沼村(明治大)、松平健太/田添健汰(木下グループ)が内シードと、外シードの選手にとっては怖いペアが下から上がってくる可能性が高いですね。インターハイ王者の田中/加山(愛知工業大名電高)もいますし、松下/藤村(日鉄住金物流)もダブルスはうまい。どこが勝ってもおかしくないですね。

 第4ブロックは、初ペアだと思いますが、吉村真晴/坪井(名古屋ダイハツ/筑波大)は上位進出が期待できる力のあるペアですね。実力的には昨年2位の上田/吉田(岡山リベッツ)が競り合いにも強く、今年も優勝候補と言えるでしょう。

女子ダブルスの見どころ

組み合わせはこちら(PDFが開きます)

抜きん出た実力の早田/伊藤が優勝候補
ジュニア世代の躍進に期待

 女子ダブルスは、ワールドツアー・グランドファイナルで優勝した第1シードの早田/伊藤(日本生命/スターツSC)が断トツの優勝候補ですね。攻撃力の高さ、得点パターンの多彩さでは他のペアの追随を許しません。このペアが順当に勝ち上がると、5回戦(ベスト8決定)でインターハイチャンピオンの出雲/相馬(遊学館高)と対戦する可能性があります。左利きの異質型の出雲とナックルカットの相馬のペアは、相手にとってはやりにくいペアになるでしょう。高校生ペアがどこまで迫れるかが見どころです。

 第2ブロックは、昨年3位の佐藤/橋本(ミキハウス)のカットペアがいますが、ベスト8決定で石川/平野(全農/日本生命)と当たる組み合わせですね。カットペアはともに高い守備力がありますが、それ以上に石川/平野の攻撃力が高いので、厳しい試合になることが予想されます。

 第3ブロックは、激戦区ですね。突出したペアはいませんが、どのペアが勝ち上がってきてもおかしくないだくらい実力が拮抗しています。外シード以外では鈴木/安藤(日立化成/専修大)、芝田/大藤(ミキハウス/ミキハウスJSC)も上位争いに加わる実力を備えているでしょう。

 第4ブロックは、昨年2位で第2シードの梅村/塩見(中央大/四天王寺高)をはじめ、外シードの戦いになりそうですね。平/松本(サンリツ)も実力がありますし、長﨑/木原(JOCエリートアカデミー・大原学園/JOCエリートアカデミー)は、両者とも力をつけてきているので、上位進出も期待できるのではないでしょうか。

混合ダブルスの見どころ

組み合わせはこちら(PDFが開きます)

女子の対応力と決定力が鍵
女子は男子の不慣れなボールで
チャンスメークしたい

 混合ダブルスは、男子のボールを女子がしっかり受け止められるかというところが最重要ポイントになります。そのうえで、女子のボールが男子を打ち抜けたらさらに強いペアになるでしょう。その点で、昨年、圧倒的な強さで優勝した森薗/伊藤(明治大/スターツSC)や世界王者の吉村/石川(名古屋ダイハツ/全農)はワンランク上の実力を持っていると言えるでしょう。
 加えて、全日本では男子が普段受け慣れていないようなボールで男子のミスを誘ったり、全力で攻撃させないようにすることができるペアが強いという傾向があります。

 過去に3回優勝している田添健汰/前田(木下グループ/日本生命)や森薗/伊藤は、女子が異質型で対応力と決定力があり、男子の慣れていないナックルボールも出せるというタイプのペアでした。同様のペアとしては優勝経験のある張/森薗(Y.Y卓球クラブ/TOP名古屋)、及川/安藤(専修大)も挙げられますが、彼らにもチャンスがあるでしょう。

\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事