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元日本代表が世界卓球を語る「梅村礼の眼」 大会3日目

世界卓球2019ブダペストでも、昨年に続き、元全日本チャンピオン、日本代表にして、現在はTBE(タマス・バタフライ・ヨーロッパ)に勤務し、世界の卓球事情に通じた梅村ならではの眼で試合を解説する。
 シングルスの決勝トーナメントが始まった3日目、1回戦で梅村の眼に止まった試合をいくつか紹介しよう。

女子シングルス1回戦

佐藤瞳(日本) 3,5,3,5 グイ(ブラジル)

 佐藤瞳は、昨日の女子ダブルス1回戦で少し苦戦していた部分はありましたが、今日のシングルス1回戦は初戦としてはまずまずの出来だったと思います。対戦相手のグイとは、これから調子を上げて行く上ではちょうどいいくらいの実力差がありました。相手があまり格下過ぎても、次に強い選手と当たるとそのギャップが大きくなってしまうので、そういう意味でちょうどいいということですね。
 3ゲーム目以降は、相手が疲れてきて打ち抜けなくなってきました。上のラウンドに上がって行くにつれて、もっと攻撃の回数は増えていくと思いますが、グイに対しては強打したボールはミスしていなかったので、順調に仕上げてきたなという感じです。いいスタートが切れたんじゃないでしょうか。今の佐藤のレベルのカットを打ち抜くためには、かなりカット打ちに自信がある選手でも厳しいと思います。

加藤美優(日本) 5,9,6,9 ブラテイコ(ウクライナ)

 加藤美優の対戦相手は、加藤と同年代ですが、バックハンドの感覚が良く、ミスも少ない選手ですが、加藤は得意の逆チキータ(ミユータ)もうまく使っていましたし、ラリーの展開で相手を上回っていました。2人ともラリー志向なので、こういう展開になるとは思っていましたが、コース取りの良さやミスの少なさで差をつけていました。自分の試合ができていたんじゃないかと思います。加藤も、佐藤と同じで、調子を上げていくための相手としてちょうどよかったのかなという印象です。

李シオン(韓国) -8,-8,9,11,7,-5,9 カレー(ウェールズ)
メシュレフ(エジプト) -8,-8,-17,8,6,7,4 カマス(インド)
エックホルム(スウェーデン) -7,10,-5,10,7,8 モンテイロ・ドデアン(ルーマニア)

 ウェールズのカレーが、韓国の李シオンにゲームオール9-11と迫るなど、シード選手が意外に苦戦していました。16歳と若いインドのカマスは、よくドイツで練習している選手ですが、メシュレフ(エジプト)を3対0と追い詰めながら逆転負けしてしまいましたが、そのうち出てくるだろうなという印象を受けました。
 モンテイロ・ドデアン(ルーマニア)とエックホルム(スウェーデン)は、オーストリアリーグでのチームメートでしたが、2人ともヨーロッパでもう飽きるほど対戦してきていますが、それだけにお互いに負けたくないという気持ちが出ていましたね。分のいいエックホルムが勝ちましたがいい試合でした。

男子シングルス1回戦

張本智和(日本) -8,4,6,5,6 バドウスキ(ポーランド)

 張本は一昨年のデュッセルドルフ大会で衝撃的なデビューを果たしましたが、それから2年が経って、ワールドツアーなどで見慣れてきたせいなのか、張本の強みである速さにかなり対応されていたという気がしました。特に、バックハンドですね。
 ポーランドはディヤスを除いて飛び抜けて強い選手はいませんが、中間層が厚く、今回の相手のようにしぶとかったり、速さに対応できるような選手が少なくありません。そういうときに張本は、緩急をつけて、うまくコースを突いてという対処が必要になってくるのかなと感じました。
 チキータも、安全に入れにいったものは、狙われていましたし、もちろんまだ全開ではないと思いますが、徐々に精度を上げてくればいいのかなという感じです。張本はパワーもついて、全体的に力強いボールが出てきていますが、速いだけでは得点にならないということは本人も実感してきていると思います。
 また、ワールドツアーなどを見ていても、張本はヨーロッパ系の選手を苦手にしているところがあると思いますが、速いだけでは慣れられてしまいますし、パワーで勝負するにはまだ相手の方が優っているので、速さとパワーをうまくミックスして行けばいいんじゃないかなという気がしました。

水谷隼(日本) 8,-7,6,8,3 ペレイラ(キューバ)

 水谷選手は本当に場数を踏んできているので、会場と卓球台の感覚を確かめながら卓球をしているという印象を受けました。戦術とかそういうレベルの相手ではありませんでした。無理することなく、相手に打たせながらもブロックの感覚を確かめたりという感じでしたね。1試合目としてはいい立ち上がりだったと思います。

林昀儒(中華台北) 10,7,9,10 D.チウ(ドイツ)
シュテーガー(ドイツ) -8,10,-5,4,8,-10,7 プツァール(クロアチア)
ピッチフォード(イングランド) 10,-5,5,-5,6,-9,10 アファナドール(プエルトリコ)

 注目していた林昀儒対ダン(D.チウ=Qiu Dang)の対戦ですが、結果的には林昀儒がストレートで勝ちました。一発の威力ではダンが上回っていましたが、台上やサービス・レシーブなどの細かいところ、そして、試合運びの巧さでは林昀儒の方が上だったと思いました。林昀儒はまだ体は細いですが、ボールはずいぶん力強くなって、ミスが少なくなりました。というのは、技術の精度が上がったことに加えて、相手に力負けすることもなくなりました。全体的に安定した試合運びでした。
 シュテーガーとプツァールはお互いにブンデスリーガでやり慣れているということもありますが、今大会の代表を決める最終選考が先週の月曜日(約1週間前)だったんですね。シュテーガーはそれまで代表に決まっていなかったので、まずは出場することに注力しなければならなかった。本来なら世界卓球で勝つことが目的のはずですが、国内の選考会を勝つことに集中しなければならなかったので、そこは少しかわいそうだったかなと思います。調整不足の感は否めませんでした。
 アファナドールはピッチフォードにかなり肉薄しました。スピードや引き合いでも負けていませんでしたが、最後はチキータの正確性やコース取りの巧さでピッチフォードが逃げ切りました。アファナドールとしてはかなりこの1年で伸びましたし、勝ちすすめばさらに成長する可能性があっただけに、大きなチャンスを逃してしまいましたね。


速報を卓レポツイッターでお届けしますので、ぜひごチェックしてください。試合が一段落したら、より詳しい報道記事をアップしますので、そちらもお楽しみに!


なお、詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
ITTF(国際卓球連盟):https://www.ittf.com/tournament/5000/2019-world-championships/
2019 World Table Tennis Championships - Budapest:http://wttc2019.hu/

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