世界卓球2019ブダペストが、ハンガリーのハングエキスポで開催。
5日目は、混合ダブルスの準決勝が行われ、吉村真晴/石川佳純が勝ち、決勝進出を果たした。
●混合ダブルス準決勝の結果
許昕/劉詩雯（中国） 5,8,11,14 樊振東/丁寧（中国）
吉村真晴/石川佳純 9,6,6,-5,6 フランチスカ/P.ゾルヤ（ドイツ）
吉村真晴/石川佳純は、決勝進出を賭けてフランチスカ/P.ゾルヤ（ドイツ）と対戦。ドイツペアは、昨日の森薗政崇/伊藤美誠戦でフランチスカが足を負傷した影響からか、やや動きに精彩を欠く。一方、日本ペアは、足がよく動き、要所での思い切った攻撃も決まって3ゲーム連取。第4ゲームはドイツペアに返されるが、第5ゲームをきっちり締めて決勝進出を果たした。
この試合は吉村も見事なキレを見せたが、特筆すべきは何といっても石川だ。
石川は昨日の深夜、女子シングルス4回戦で杜凱琹（香港）にショッキングな逆転負けを喫した。その様子を目の当たりにしていただけに影響が危ぶまれたが、そんなつたない想像を吹き飛ばすかのように石川は素晴らしいプレーを見せてくれた。石川の胸中に相当な悔恨があることは想像に難くないが、それを微塵も感じさせない彼女の凛としたプレーは感動的ですらあった。
明日の決勝では、許昕/劉詩雯（中国）と金メダルを賭けて対戦する。かなりの強敵だが、2連覇に挑めるのは、世界で吉村と石川の二人しかない。その権利にひたりながらのびのびとプレーし、連覇を目指してほしい。
●吉村真晴のコメント
「今日は本当にいい試合ができました。石川さんにとっては昨日シングルスで悔しい思いをしていたのに、気持ちを切り替えて全力でミックスを戦ってくれてよかったです。プレーも良くなって、そのおかげでコンビネーションも昨日より数段良くなリました。
昨日の試合から自分の課題や試合中の自分の姿勢を確認し直しました。倉嶋監督にも姿勢が高いと言われたので、今日の練習からずっと姿勢を低く意識して調整しました。姿勢が高くなっていたのでトレーニングも下半身を中心に行って、ちゃんと下半身からの力がボールに伝わっていいボールが打てるように意識をしました。今日の試合ではフォアサイドに来たボールやチキータにもしっかり反応することができてよかったです。
（明日の決勝で）ポイントになってくるのが、『許昕をどうするか』ということ。4年前に蘇州大会の決勝でやったときも許昕にやられたようなものなので、世界トップの強烈なフォアハンドドライブや台上技術にうまく対応したい。それでしっかり卓球台にボールを入れて、パートナーにつないで、最終的には自分たちが勝てるように頑張っていきたいです」
●石川佳純のコメント
「今日は出足から絶対1ゲーム目をとって先手を取りにいこうと決めていました。昨日（女子シングルスで）本当に悔しい想いをしたので、今日は『気持ちで絶対に崩れないぞ！』と思って、そこは自分自身にプライドを持って戦いました。今日はいいプレーができて嬉しいです。
（吉村とは）組んでていつもやりやすいんですけど、今日の試合で姿勢が低くなっていたことには気づきませんでした（笑）。
でも今日は、今日は？今日も？（笑）出足からいいプレーができたし、台上プレーでも先手を取れていた。両ハンドを振られると厳しい相手だったので、そこは良かったと思います。
ここまで二人で「連続攻撃」をテーマにやってきましたが、明日は「超連続攻撃」を意識したい。そうでもしないと（許昕/劉詩雯は）とても勝てる相手ではないので。「超連続攻撃」が勝利の鍵だと私は思っています。1、2回の攻撃では決まらないので、3回から4回と得点が決まるまで連続攻撃していきたいと思います。このことは、もし決勝に行けたときはこうしようと二人で決めていました。（許昕は）すごくパワーのあるボールなので・・・とりあえず必死に返します（笑）」
もう一方の許昕/劉詩雯対樊振東/丁寧（ともに中国）は同士討ちとは思えない熱戦になった。
まるで「勝った方が東京オリンピックの代表だ」とでも中国首脳陣に申し渡されていたかのように、両ペアともスタートから気迫全開のプレーが続く。女子が混じっているとはとても思えないような激しいラリーが繰り広げられたが、ダブルスではオールフォアでいける許昕が随所で豪腕ドライブを叩き込み、許昕/劉詩雯がストレート勝利。明日の決勝へと駒を進めた。
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（写真＝佐藤孝弘、文＝猪瀬健治）
