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元日本代表が世界卓球を語る「梅村礼の眼」 大会8日目 孫穎莎/王曼昱 対 早田/伊藤

世界卓球2019ブダペストでも、昨年に続き、元全日本チャンピオン、日本代表にして、現在はTBE(タマス・バタフライ・ヨーロッパ)に勤務し、世界の卓球事情に通じた梅村ならではの眼で試合を解説する。
 女子ダブルス決勝に、日本ペアとして48年ぶりに決勝に進出した早田ひな/伊藤美誠が中国の若手ペア、孫穎莎/王曼昱と対戦。惜しくも優勝を逃したが、前回大会の銅メダルに続き、2大会連続のメダル獲得となった。

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女子ダブルス準決勝

孫穎莎/王曼昱(中国) -8,-3,8,3,10,8 早田ひな/伊藤美誠(日本)

 序盤は両ペアとも、伊藤が仕掛けたボールに対して中国ペアが簡単にミスをして、ラリーが続かない展開で日本ペアが優勢に進めていました。日本ペアは大きなラリーでも得点し、コース取りのよさもあって出足はよかったと思います。
 ただ、要所でサービスが長かったり、孫穎莎のチキータレシーブに対して距離が合っていなかったりと修正したいポイントがありました。ラリーが続いていくと、プレー全体が噛み合ってきて流れに乗れるということがありますが、日本ペアはスコア的にはリードしてもなかなか流れを引き寄せるまでは行かなかったと思います。

 3ゲーム目以降は、日本ペアの4球目ミスが目立ちました。パートナーがレシーブで仕掛けた後の攻撃でミスを誘われていたのですが、段々中国ペアの距離感が合ってきて、ちょっとずつ変化をつけられてきていたのだと思います。横から見ていて気づいたのは、中国ペアのレシーブを返球する位置を浅くしたことです。日本ペアは深いレシーブを想定した位置取りをしていたので、それで3球目もうまく攻められなかったように見えました。

 また、この試合がマルチボール方式で行われたせいもあると思いますが、日本ペアのコミュニケーションが少ないように感じました。パートナーがミスした後などは、声を掛けて、修正を図る、戦術を再確認するなどした方が、やはりそれからの展開をよくしやすいと思います。マルチボールでなければ、一緒にボールを拾いにいくなどして、必然的にコミュニケーションを取る時間ができますが、マルチボールだと、かなり意図的にコミュニケーションをとらないと、考えたり修正するまもなく次から次にプレーが促されて連続失点してしまうということがあります。
 悪い流れを断ち切るには、一呼吸置く、ちょっと話し合う間を取るなどする必要があったでしょう。そういうチャンスは何回かあったように見えましたが、そういうときにお互いがバラバラの方を見ていたので、そこはもったいなかったかなと思いました。

 中国ペアは、優勝はしましたが、今まで優勝してきたペアに比べて、まだ若いということもあって欠点もありますし、ミスも多く、つけいる隙は十分にありました。日本ペアのことを警戒していたが故に、王曼昱は無理して回り込んでフォアハンドで決めに行こうという彼女らしくないプレーをしていました。そこまでリスクを負って攻めなければいけない相手だと認識させていたことは確かでしょう。
 ただ、決勝で他国の選手に負けられないというプレッシャーは日本ペアの比ではなかったと思います。日本ペアの勝ちたいという気持ちと、中国ペアの負けられないという気持ちのどちらが強かったのかと考えるときにやはり、中国ペアだったのではないでしょうか。何が何でも負けられないという気持ちが、泥臭く1点を取りに行くプレーにも表れていました。

 2対2の9-9という大事な場面で日本ペアに不利な誤審があって気持ちを切り替えるのが難しかったと思いますが、そこは「中国ペアに点数が入ったのではなく、ノーカウントでよかった」くらいにポジティブに切り替えて、チキータ待ちの孫穎莎に対してミドルにロングサービスを出してほしかったですね。
 日本ペアにはもったいない負けではありましたが、中国ペアに対してまったく雰囲気で呑まれることもなく、むしろ強気の姿勢を見せていたところに、もうこのような舞台で日本が中国に勝ってもおかしくないところまで来ているのだなと感じさせられました。


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なお、詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
ITTF(国際卓球連盟):https://www.ittf.com/tournament/5000/2019-world-championships/
2019 World Table Tennis Championships - Budapest:http://wttc2019.hu/

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