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梅村礼が見たジャパンオープン 男女シングルス2回戦

元全日本チャンピオン、日本代表にして、現在はTBE(タマス・バタフライ・ヨーロッパ)に勤務し、世界の卓球事情に通じた梅村礼がジャパンオープンでの選手たちの戦いぶりを評する。女子シングルス2回戦では佐藤瞳が丁寧を破る金星を、男子シングルス2回戦では林昀儒が林高遠との激しい打撃戦を制してベスト8入りを果たした。


女子シングルス2回戦

佐藤瞳(日本) 10,-6,-3,10,6,9 丁寧(中国)

 佐藤は丁寧とはもう何度も対戦していると思いますが、今日は本当にカットのミスが少なく、攻撃したときのドライブのミスも少なかったのに対して、丁寧は4ゲーム以降、疲労からか足も動いていませんでしたし、肩も上がらなくなってきていました。勝つなら今日しかないという感じだったと思います。
 以前はドライブで打ち抜かれているボールが多かったと思いますが、今日は動きも今までで一番くらいよく、丁寧の強打にも対応していました。やはり、18歳まで過ごしていた地元札幌の応援も力になったと思います。  佐藤が台のそばで攻撃したときは、カウンターされることもありましたが、下がってカーブロングを入れるなど、テンポをかえていたのもうまいと思いました。
 世界卓球では課題に感じていたカットも、きれいな低く深いカットだけでなく、高さの変化もつけて、丁寧の強打を防いだり、ミスを誘ったりしていました。  佐藤にとって中国の中でもカット攻略のうまい丁寧に勝てたことは大きな自信になったと思います。


男子シングルス2回戦

林昀儒(中華台北) -9,-9,19,10,7,9 林高遠(中国)

 林昀儒はまだ体の線は細いですが、林高遠に打ち負けないくらいのボールが打てるようになっていて、世界卓球のときよりもワンランクアップしている印象を受けました。以前は、振り回されて、下げられてというパターンが多かったと思いますが、バック対バックでも負けていませんでした。
 試合展開としては、3ゲーム目のジュースを取ったのが大きかったですね。それまでは速さ対速さでどちらかがミスをしてという展開でしたが、4ゲーム目以降は林昀儒が緩急をつけたり、先にフォア側に回して、カウンターされても前で止めるなど、林高遠を振り回しているイメージがありました。
 林昀儒は試合を重ねるたびに強くなっているという時期だと思います。まだまだこれからが楽しみな選手ですね。



梁靖崑(中国) -3,-9,8,14,10,5 水谷隼(日本)

 第1、2ゲームは1回戦の及川戦よりもしっかり自分の距離でプレーできていましたし、ギアが入ったかなと思って見ていましたが、自分から攻めて、先にいい形をつくって、相手がひるんで短いボールが返ってきたときに、足が前に出ていなくて、決めきれない場面がありました。そうした詰めの甘さが若干出たという印象を受けました。
 及川とやっていたときのような粘りがなかったのが残念ですね。


カルデラーノ(ブラジル) -5,5,-9,7,-9,5,3 フィルス(ドイツ)

 カルデラーノとフィルスはブンデスリーガで何度も対戦しているので、お互いに手の内を知るもの同士です。それゆえ、カットのフィルスが不利なので、簡単に負けるかと思って見ていましたが、カルデラーノがカットの回転に引っかかってミスをしたり、粘り強い守備を敗れずにミスするなど、意外な展開になりました。
 タイオープンではフィルスと佐藤瞳が優勝しましたが、プラスチックボールになってから、カットマンが不利といわれ続けている中で、これだけ勝ち上がれるのですから、プレー次第では、必ずしもそのようなことはないのではないかと思います。


孫聞(中国) 3,-8,8,8,7 李尚洙(韓国)

 初対戦で吉村真晴のサービスに対応するのはかなり難しいことだと思いますが、中ガン以降の対応力が高いところに、孫聞はさすが中国選手だなと思いました。
 この試合でも、張本戦同様、思い切りよくプレーしていました。李尚洙に対しても打ち負けないだけのパワーもあり、これから出てくる可能性もある選手だと感じました。

馬龍(中国) 9,-7,9,-9,-9,10,5 鄭栄植(韓国)

 馬龍がまだエンジンがかからないのか、連戦の疲れがあるのか、鄭栄植が3対2とリードしました。鄭栄植は「ここがチャンス」と思ったと思います。馬龍は鄭栄植のアグレッシブな攻撃に対して、受けに回ってしまった部分はありますが、やはり、要所でのストップレシーブの返球場所などはさすが世界チャンピオンと思わせるだけのものはありました。
 これだけ劣勢でも負けない強さ、競っても最後にどうやって勝つかという試合の組み立てができる頭の良さは、他の選手との差がまだ大きいですね。
 鄭栄植は、チキータもよかったし、バック対バックからストレートを攻めて前陣で相手を振り回すという自分のプレーができていましたし、出来はかなりよかったと思います。ただ、ここまで追い詰めても勝ちきることができないのは、何度も勝ちかけては負けているという経験の記憶が頭をよぎってしまうということもあるのかもしれません。

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なお、詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
ITTF(国際卓球連盟):https://www.ittf.com/tournament/5005/2019/2019-ittf-world-tour-japan-open/
Seamaster 2019 ITTFワールドツアープラチナ ライオン卓球ジャパンオープン荻村杯 札幌大会:http://www.japantabletennis.com/japanopen2019/

(取材=佐藤孝弘)

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