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インターハイ三冠王 渋谷浩が見た鹿児島インターハイ 男女学校対抗編

第53回、54回インターハイで2年連続の三冠王に輝いた渋谷浩が、学校対抗の決勝を振り返る。

【男子学校対抗決勝】トップの加山がチームに勢いをつけた

 愛工大名電(愛知) 3-0 野田学園(山口)
○加山裕 -5,-3,10,8,10 戸上隼輔
○曽根翔 -6,9,10,8 今泉蓮
○曽根翔/篠塚大登 -8,9,-8,6,9 戸上隼輔/宮川昌大
 篠塚大登 - 宮川昌大
 谷垣佑真 - 松田歩真

 トップの加山が素晴らしい出来でした。それで愛工大名電は勢いに乗れました。戸上はマッチポイントを握ってから完全に力みましたね。力んでからはボールの初速が遅くなり、ドライブは浅くなり、ライジングのカウンターも打てなくなってしまいました。最終ゲームの4-8と追い詰められたところで初めて再びバックハンドのライジングカウンタードライブが出ましたが、それまではすべて打球点を落としてしまっていたため、防戦一方でした。力が入ってからは、戸上のボールのスピードも落ちたため、それまで戸上のボールに対応できなかった加山も対応できるようになりました。ほんのちょっとの差ですが、0コンマ何秒の違いで勝負が決まるのが卓球ですから。最後は戸上も開き直って、逆転しましたが、運が味方してくれませんでした。
 逆に加山は途中からは素晴らしいプレーで、快足連打にミスがなく、戸上のフォア側に鋭角に入るバックハンドのコースが厳しく、そこから戸上が少し台から下げられてしまいました。この試合は加山を褒めるべきだと思います。
 愛工大名電としては、勝ちを計算できる試合ではなかったと思いますが、加山をトップに起用して、勝っても負けてもチームに勢いをつけようという意図はあったと思います。それが最高の形で実現したと言えるでしょう。

 2番は両ハンドを振り回すサウスポーの今泉に、曽根がやりにくさを感じている様子が見受けられました。ただ、中盤以降は、曽根が今泉のストライクゾーンからボール1個分ずらして送るなどしてミスを誘いました。今泉も後半は気持ちよく打たせてもらえなかったと思います。曽根のうまさが出た試合でした。

 愛工大名電は準決勝までの加山/曽根に替えて、曽根/篠塚というペアを起用しましたが、前陣で両者が連続攻撃をしかける加山/曽根に対して、前陣の曽根と少しゆっくりというか、打球点に幅のある篠塚のギャップに、野田学園ペアはやりにくさを感じたんじゃないでしょうか。
 あとは、日程の影響もあると思います。個人戦のダブルスの決勝が前日に終わっているので、躊躇なくペアを変えられたということはあると思います。もし個人戦が残っていたら、ダブルスを替えるという起用は安心してできなかったと思います。

 野田学園だけでなく、いろいろなチームが愛工大名電の壁を越えようとがんばっていますが、なかなか越えるチームが現れない。そこに強さを感じます。団体戦での一体感も素晴らしい。他に注目しているチームとしては、シングルスでベスト4に入った新名のいる明徳義塾ですね。手塚も2年生ですし、楽しみなチームです。

【女子学校対抗決勝】四天王寺は団体戦の戦い方を熟知している

 四天王寺(大阪) 3-1 遊学館(石川)
◯菅澤柚花里 4,6,7 髙橋紬夢
 大川真実 -4,-2,-8 出雲美空◯
◯髙橋あかり/中森帆南 8,6,11 出雲美空/相馬夢乃
◯中森帆南 9,6,5 相馬夢乃
 髙橋あかり - 津隈愛佳

 四天王寺がうまく勝ち抜けましたね。団体戦での戦い方を熟知している点はさすがというほかないです。個人戦では誰もベスト8に残りませんでしたが、それが不思議なくらいです。
 ポイントはダブルスでした。ダブルスはもう少し四天王寺ペアが苦戦すると思いましたが、あっさり勝ちました。やはり、チームとして対戦相手を想定した緻密な対策を講じているのでしょう。
 遊学館ペアは、異質攻守型の出雲とカット主戦型の相馬という変則ペアですが、早く攻撃を仕掛けてくるペアに対しては戦いやすい一方で、今回の四天王寺ペアのように相手のボールをじっくり見て、打球点を落とされると戦いにくくなります。打球点を落としてゆっくりのボールを返すと、早い打球点でのカウンターをくらうリスクが減るだけでなく、パートナーに時間を与えることもできます。四天王寺ペアはそうした戦術をうまく活用していました。
 来年以降も四天王寺を中心に学校対抗は繰り広げられるでしょう。打倒四天王寺を目指すチームを四天王寺はどう跳ね返そうとするのか。突出したタレントがいないだけにチャンスは多くの学校にあると思います。

南部九州総体2019速報ページ:http://kirokukensaku.net/0IH19/discipline_060_20190817.html

(取材=佐藤孝弘)

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