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2020-2021 Tリーグ男子ファイナル 〜琉球アスティーダが初優勝〜

 2月26日(金)、ノジマTリーグ2000〜2001年シーズンのプレーオフファイナルがアリーナ立川立飛で行われ、男子はレギュラーシーズン1位の木下マイスター東京と2位の琉球アスティーダが対戦。
 結果は、琉球アスティーダが3対0のストレートで木下マイスター東京を下し、Tリーグ初優勝を果たした。

琉球アスティーダは木造(右)と吉村和弘が貴重な先制点

田添(左)と及川は最後まで食らいついたがわずかに届かず

2番で圧巻の攻撃力を披露した戸上

大島は戸上の速さにしっかり対応したが惜敗

戸上は激戦を制し、持ちネタの「どーん」を披露

アグレッシブなプレーを見せた吉村真晴

全日本王者の及川は、吉村の攻めに押され、この表情

優勝を決め、吉村真晴は渾身のガッツポーズ

喜びにわくベンチ。吉村真晴はMVPを獲得


●男子ファイナル結果
琉球アスティーダ 3対0 木下マイスター東京
木造勇人/吉村和弘 -9,9,7 及川瑞基/田添健汰
戸上隼輔 14,-3,-8,8,8 大島祐哉
吉村真晴 4,7,-7,-9,7 及川瑞基
宇田幸矢 - 張本智和

 レギュラーシーズンを首位で終えた木下マイスター東京は、大黒柱の水谷隼を首の故障で欠く中、2021年全日本男子シングルス王者の及川瑞基と、水谷と並ぶ柱の張本智和に、大島祐哉をシングルスに起用してきた。対するシーズン2位の琉球アスティーダは、戸上隼輔宇田幸矢の明治大コンビに、チームリーダーの吉村真晴を入れたベストな布陣でファイナルに挑む。

 1番のダブルスは、琉球アスティーダが木造勇人/吉村和弘、対する木下マイスター東京は及川瑞基/田添健汰。
 第1ゲームは琉球ペアのチキータをうまくさばいた木下ペアが先制するが、第2ゲームから木造の速攻と吉村和弘の強打がかみ合い始めた琉球ペアがペースを握り、ゲームオールで勝利。琉球アスティーダが先制点を物にする。
 
 2番の戸上隼輔(琉球アスティーダ)対大島祐哉(木下マイスター東京)は、「これぞファイナル!」という素晴らしい試合になった。
 第1ゲームは破壊的なチキータからの両ハンドで戸上が先制するが、第2ゲームから大島が戸上のフォア前にサービス・レシーブを集めて戸上のチキータからの速攻を封じてペースを握り、2ゲームを連取する。大島のフォア前攻めに有効打がなかった戸上だったが、第4ゲームの終盤に思い切ったチキータからの速攻で追い付くと、その勢いで最終ゲームの激しい打ち合いを制し、琉球アスティーダが優勝に王手をかけた。

 続く3番、琉球アスティーダはキャプテンの吉村真晴に優勝をたくす。一方、なんとしてもエースの張本につなぎたい木下マイスター東京は、全日本王者の及川に望みをつなぐ。
 試合は序盤から吉村真晴が両ハンドからのアグレッシブな攻撃を面白いように決め、2ゲームを連取して早々に王手をかける。対する及川も第3ゲームから強気のストレート攻撃を決めて全日本王者の意地を見せ、ゲームオールに追い付くが、最後は積極性を取り戻した吉村真晴が及川の堅守を打ち崩し、琉球アスティーダがTリーグ初制覇を果たした。

「みんな本当に仲がいい」と優勝後、場内インタビューで吉村真晴と張一博監督が口をそろえたように、若手と吉村兄弟を筆頭とした先輩たちが一丸となった琉球アスティーダの勢いは、張本、及川と強者をそろえた木下マイスター東京の力を持ってしても止めることはできなかった。
 一方、連覇を逃した木下マイスター東京は、大黒柱の水谷の故障で歯車が狂ってしまった形だ。「オーダーが難しかった。1つでも取っていれば逆転の芽があったのだが」と邱建新監督がこぼしたように、4番の張本まで回せば勝機はあったが、ゲームオールにもつれた3試合をすべて競り負け、昨シーズンに続く連覇はならなかった。


●張一博琉球アスティーダ監督のコメント
「本当に紙一重でダブルスから、2番、3番、どの試合もどちらが勝つかわからなかったが、選手たちが頑張ってくれて、勝てて良かったです。
 オーダーの狙いは、攻撃性を出しすぎずにバランスよくという意識で組みました。勢いに乗ってプレーする大学生2人(戸上と宇田)を2人とも前半に出したら攻撃性が強すぎるので、それは避けました。
 真晴は本当に頼りになるキャプテンで、よく仕事をしてくれて、チームをまとめてくれました。本当にキャプテンにして良かったと思っています。
 優勝インタビューでは、選手たちを見るだけで、レギュラーシーズンで勝った時、負けた時を思い出して、いろいろな感情がこみ上げてきて涙が出てしまいました。
 僕としては指導者としての自分は良かったと思う。勉強することもまだたくさんあるけど、2年連続ファイナルに進出できて、いいチームの監督ができたと思う。
 真晴の試合は、相手のペースになった部分があったので、少しずつ自分のペースを取り戻せるように、しっかり打つときは打つ、回転をかけるときはかけるとやっていかないと相手の罠にはまっていくので、そうするようにアドバイスしました。
 真晴は咋年末、正直負けてはいけない負け方をしたので、厳しく叱りましたが、本人もすぐに気づいて、翌日の試合で勝ってくれました。悪いところを反省したら、すぐに勝つ。それがプロです。それ以降はチームの雰囲気もよく、チームのまとめ役としても総合的にとてもいい選手に成長しました。
 今シーズンの戸上は良かったですね。最初はどう接したらいいかわかりませんでしたが、意外に明るく、アドバイスも真面目に聞いてくれて、いい感じでプレーしていたと思う。
 戸上にはタイムアウトで、『思い切ってプレッシャーをかけて行け』と指示しました。最初は戸上のペースでしたが、相手もプロで経験もあるので、最後に変化がないと勝てないと思ってアドバイスしました。
 バランス重視のオーダーにしたので、4番で宇田もきっといい試合をしてくれたと思っている。正直、木下さんに3対0で勝つなんてありえないと思っています。
 開幕戦で木下さんに完封負けして、これ以上悪いことはないと切り替えて、次の試合からはやってやろうという気持ちになれました。開幕戦0対4という最悪のスタートから連勝できた選手たちは素晴らしかった。
 ダブルスは、木造はフォアもバックも全ての技術の仕上がりが良かった。和弘は出足でバックハンドのミスが多かったが、こういう試合で、悪いところを克服して勝つのは本当にすごいです。試合中に調整できたことは褒めたいと思います」
 
●吉村真晴のコメント
「1番からドキドキする試合で、自分も準備する立場で右往左往していましたが、2対0で回ってきた時には絶対に自分で決めようと思って、勝つことができてうれしく思っています。
 僕で決めたいという気持ちがあったので本当にうれしかったです。疲れて座ってしまいました。まさかの張本4番ということで、プレッシャーはありましたが、みんなが絶対に勝つという気持ちでプレーして、なんとか張本選手に回さずに勝つことができました。
 及川戦の1、2ゲーム目は僕自身状態もよかったですし、3、4ゲーム目は受けに回ってしまった部分があったので、5ゲーム目は自分の卓球をする、自分が攻めていけば取れるという自信はあったので、あとはやるだけという気持ちで自信を持って戦うことができました。
 最終ゲームはやはり1本目が大事だと思っていたので、縦回転に対して起こしてという展開をがらっと変えたかったので、思い切ってフォア側に突っついてカウンターから連打していくというイメージをしていたので、それはバッチリはまった。
 このファイナルはリーグでは感じられないプレッシャーやドキドキ感があって、なかなか国内でこれだけ緊張する試合はないので、はじめてこの舞台に立てて本当に楽しかったです。世界選手権やオリンピックにも似た緊張感がありました。なかなか優勝して涙することもありませんが、それだけ賭ける思いがあったので、素晴らしい舞台でした。
 MVPは自分だとは思っていましたが、それ以上に副賞の現金100万円の方に驚きました。シーズンを通して自分の仕事はできたと思います。戸上や宇田も頑張ってくれましたが、来年以降にお預けということで、今回は僕がしっかりいただいておきます(笑)。
 チームとして、昨年、宇田選手、戸上選手が入ってくれたことが大きかったと思います。昨年はベテラン中心だったが、若手が入ってレギュラー争いが激しくなって、選手それぞれが試合に出るための努力を尽くした。それが常にいい状態の選手が試合に出るという結果につながった。僕自身もうかうかしていられないという緊張感の中で成長できたし、それがチームの強さもにつながったと思います。19歳の2人の影響は大きかったと思います。
 このシーズン、非常に仲の良いメンバーがそろってきて本当に楽しかったです。勝ったり負けたりしますが、それを分かち合う仲間がいるので、みんなに助けられて走りきることができました。最高のチームですね。
 僕自身、一度は代表から退いたが、粛々とパリに向けて準備しているので、今後もしっかりと国内から自分の強さをアピールして、また日の丸をつけて国際舞台で戦っていきたいと思っています。
 今日は有観客でやることで、僕らもがんばれるし、みなさんのおかげでスポーツが成り立っていると感じました。今回、コロナ禍で、無観客でもスポーツの魅力をお伝えできるということがわかったと思います。今後もどんどん発信して行って、有観客、無観客それぞれの良さを伝えられたと思う。ここを通して成長できるようにがんばっていきたいです。
 貪欲に勝ちに執着していくことはもちろん大切ですが、ファンサービスやいいラリーをお届けして、プロとしての自覚のある選手が増えてきて、それがチームやリーグに根付いてきているので、僕自信、チームやリーグを盛り上げていけるように面白いコンテンツを提供していきたいと思っています。
 去年のファイナルももちろんやりたかった気持ちはありましたが、(コロナによる中止は)しかたないことだったので。この舞台に立てたことがうれしかったです。今シーズンはリーグ優勝できると思っていましたが、2位ということで、ファイナルの舞台でリベンジできたことはうれしい。いろいろな方が琉球アスティーダのタオルや応援グッズを持って、みんなが待ち望んでいたものを僕らが手にすることができたのは感慨深い物がありました。
 優勝できて良かったと思って、本当はベンチに走りたかったんですが、ベンチメンバーがすでに抱き合ってて冷たいチームメートだなと思って(笑)このコロナの中ファンの皆さんが足を運んでくれて盛り上げてくれたので、観客の皆さんに感謝を込めて見渡していました。
 今シーズンは自信を持ってプレーして成長できましたし、メンバーが野田学園のOBばかりで、アグレッシブな野田らしさも出して戦えたんじゃないかと思います。
 
●戸上隼輔のコメント
「昨日からずっと今日のファイナルに向けて考えていて、眠りも浅く、緊張していましたが、今日勝てて嬉しいです。
 昨日は6時間くらいしか寝れなくて、基本的に8時間以上寝ることが多いんですが、こんなに短いことはなかなか経験なく、目をつぶるといろいろ考えてしまって寝るにも一苦労でした。
 団体戦ということもあって、対戦相手もわからない中、試合のことを考えるのは精神的にきつくて、自分が勝って貢献できるのかっていうことをずっと考えていました。
 オーダーを見たときは、大島さんとは中学生の頃から1度しか試合をやったことがなくて、自分が動画とかで見てきた存在なので、誰がきても挑戦して戦おうと思っていました。大島さんにも挑戦するしかないという気持ちで戦いました。
 今年は無観客の中で、自分の技術は向上するか不安だったし周りはレベルが高く、試合に出られるのかという不安でいっぱいでした。開幕戦で試合が思うようにいきませんでしたが、やっていくうちに自信がもてるようになってきました。今シーズンは自信につながるシーズンでした。
 大島さんとの試合では、相手のロングサービスを警戒してしまって、フォア前を思い切ってチキータできなくなってしまった。自分は、日頃から考えすぎないでプレーすることが大事だと思っていますが、ベンチに戻ったときにチームメートから、自分の持ち味は攻撃、防御せずに振り切るだけというアドバイスをもらって、そこからは考えずにプレーできたのがよかったです。
 監督からも思い切って打つように言われたので、バック対バックになっても思い切ってストレートにいくことができました。
フォア対フォアでは大島さんがフォアハンドが強い選手なので、正直、フォア側は突かれたくないと思っていました。
 僕の中では、移籍する時はチームにこだわりを持っていませんでした。チームを変えてまた自分の技術を習得しようと思っていましたが、この1年間若い選手や野田学園のOBが多い中でプレーできて、やはり卓球は楽しみながらやるべきだなと思いました」

(まとめ=卓球レポート)


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詳しい試合の結果はTリーグ公式サイトでご確認ください。
Tリーグ:https://tleague.jp/
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