1. 卓球レポート Top
  2. 大会
  3. 国内大会
  4. 日本代表チームが5戦全勝で完勝 〜2021卓球NIPPONドリームマッチ〜

日本代表チームが5戦全勝で完勝 〜2021卓球NIPPONドリームマッチ〜

 7月2日〜3日にかけて、日本卓球協会創立90周年記念事業の一環として、2021卓球NIPPONドリームマッチが埼玉県内で開催。
 このイベントは、東京オリンピック日本代表選手対国内トップ選手たちとの試合で、いわば東京オリンピック代表選手たちの壮行試合だ。
 最終日は、伊藤美誠、石川佳純、平野美宇の東京オリンピック女子団体日本代表チームと、国内選抜チームによる団体戦が行われ、代表チームが5戦全勝で東京オリンピックへ向けて弾みをつけた。
(写真提供=@JTTA)

石川(左)と平野が競り合いを制して先制

宋(右)/長﨑は見事な連携で代表ペアに迫った

●第1試合
○石川佳純/平野美宇 -8,2,-9,8,5 宋恵佳/長﨑美柚

 イベント最終日は、伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)の東京オリンピック女子団体メンバーと、日本女子のライバルであるドイツを想定した選抜チームによる団体戦が行われた。
 トップのダブルスは、石川/平野対宋恵佳/長﨑美柚(中国電力/日本生命)。日本リーグで活躍する中国式ペンドライブ型の宋はドイツのペン表ソフト速攻型・シャン・シャオナ、2019年世界ジュニア選手権タイ大会女子シングルス優勝の長﨑は、P.ゾルヤの想定だ。
 試合は、「久しぶりの観客の前で緊張した」と石川/平野が口をそろえるように、硬さが取れない代表ペアのミスが続き、第1ゲームを失う。しかし、会場の雰囲気に慣れてきた石川/平野が第2ゲームを奪い返すと、試合はシーソーゲームの展開に。選抜チームペアは、長﨑の男子なみの強烈なチキータと宋の裏面ドライブで、急造とは思えない連係を見せ、代表ペアにゲームオールまで迫ったが、最終ゲームは石川/平野がスタートダッシュをかけて勝ち切った。

「どのゲームもシーソーゲーム。その中で苦しいパターンを自分たちのパターンに変えることができたことはよかった」と石川。一方、「前半は緊張したが、後半になるにつれて頭が整理されてきたので、競った場面でも落ち着いて考えながらプレーできた」と平野。
 立ち上がりの課題は残ったものの、2人が連続攻撃をし始めたときの連係は圧巻で、本番での活躍を十分に予感させるプレー内容だった。


伊藤は見事なカット打ちでストレート勝利

懸命にボールを追った原田。またとない経験になったことだろう

●第2試合
伊藤美誠 8,7,10 原田春輝

 第2試合は、エースとしてシングルス2点起用が濃厚な伊藤と、カット主戦型の男子選手・原田春輝(希望が丘高)が対戦。原田は2017年全日本カデット(14歳以下)2位、2021全日本ジュニア男子ベスト16という実績を持つカット主戦型のホープで、仮想ドイツでいうところのハン・インだ。
 男子のカットに対し、伊藤がどう戦うのか注目が集まったが、序盤こそ原田のツッツキとカットの変化をつかみあぐねていた感のあった伊藤だったが、中盤から多彩なチャンスメイクからのスマッシュを連発し、ストレートで快勝した。

「仮想ドイツという想定で試合を開催してくださったことに感謝です。たくさんの観客の方の前で試合することができ、トレセン(味の素ナショナルトレーニングセンター)とは違う緊張感を感じることができました。1ゲーム目は展開がよくありませんでしたが、そうした中でも先制することができて2ゲーム目以降につなげられたのはよかった。強いていえば、1ゲーム目からいろいろ仕掛けつつミスをしない卓球をしたいと思います。昨日はぼこぼこにされてしまいましたが、気持ちを切り替えて、自分がどう生活すれば東京オリンピックまでの1日1日をやり切れるかを考えました。私は3種目に出させていただくので、種目ごとにその日出せる力を、緊張感を持ちながらも落ち着いて笑いながら、私らしく出し切りたい」と試合後の伊藤。
 それにしても、ほぼ初見に等しい上に、男子選手のカットと反撃を完璧に攻略した伊藤のプレーと集中力は見事といいうほかなく、大舞台に向けてこの上ない頼もしさを感じた一戦だった。


仕上がりの良さを見せた平野

長﨑は得意のチキータで平野に迫った

●第3試合
平野美宇 6,9,-7,4 長﨑美柚

 第3試合は、平野対長﨑。両者は2月に行われたTリーグ女子ファイナルでも激突しており、その時は平野が僅差で長﨑を振り切っている。
 今回も、世界最速ともいわれる平野の両ハンド速攻と、女子離れしたチキータを武器とする長﨑の試合は予想にたがわぬハイレベルなラリー戦になったが、思い切りよくラケットを振り抜き続けた平野がゲームカウント3対1で勝利。特に第2ゲーム、大幅にリードを許す展開から逆転した粘り強さに進境を見せた。

「Tリーグより自信を持って臨んだので、久しぶりの試合でしたが自分でも成長を実感することができました。ラリーで自分のタイミングで打つということをテーマに練習してきましたが、1球ずつ自分で打つことができました。ラリーが続いても足が崩れないで打つことができたので、もっともっと強化していきたい。また、対戦相手の方たちは今日のために来てくださったので、(原田、宋、長﨑の)3人に感謝しながらプレーしました。リオでの経験を生かしたいですし、今日は有観客で緊張感が違ったので、今日感じたことを東京オリンピックで生かしたい」と平野。この時期にきての平野の仕上がりの良さは、日本にとって好材料だろう。


伊藤は大胆かつ正確な攻めで2点取り

打球点の速い裏面ドライブで伊藤を慌てさせた宋

●第4試合
伊藤美誠 10,5,9 宋恵佳

 3番の平野の勝利で日本代表チームが勝利を決めたが、壮行試合ということで試合は第5試合まで続けられた。
 第4試合は、伊藤対宋。伊藤は第1ゲーム、宋の丁寧なレシーブと速いタイミングの裏面ドライブに手を焼き、終盤までリードを許す苦しい展開だったが、8−10から思い切ったレシーブを2本続けて逆転で奪うと、第2試合に続いてストレートで勝利。
 勝負どころで大胆な手が打てる伊藤の積極性と、それを可能にする彼女の気持ちの強さや技の確かさがよく表れていた試合だった。


石川は気力充実のプレーでラストを締めた

●第5試合 
石川佳純 5,-9,9,7 原田春輝

 最終の第5試合は、石川対原田のカードになった。第1ゲームは、石川が原田にバックスイングを取る隙を与えないほど打球点の速い攻めと徹底したミドル攻めで先制する。しかし、第2ゲームは原田が意地を見せ、石川のループドライブを狙い打つ戦術で取り返す。第3ゲーム、石川は、攻撃の手数を増やしてきた原田と競り合うが、終盤に思い切った回り込みレシーブ強打でこのゲームを奪うと、続く第4ゲームも取ってゲームカウント3対1で勝利し、代表チームの5戦全勝を決めた。 

「久しぶりの有観客や本番と同じ卓球台でプレーできるなど、良い経験ができました。ダブルスはすごく良かった。シングルスは課題が残りましたが、勝つことができて良かったです。やはり男子はパワーがすごいなと感じましたが、サービスやレシーブを工夫できたことが良かったと思います。今日の経験ができて、良いところと悪いところが分かったので、あと3週間ですが調整していきたい。本番前にこういう試合ができて良かったです」と石川。キャプテンとして臨む3度目のオリンピックに向けて、貴重な経験を積めたようだ。

イベント開催や観客への感謝と東京オリンピックへの決意を述べた代表チーム。勝負の舞台はもう間もなくだ


(取材=猪瀬健治)



\この記事をシェアする/

Rankingランキング

■大会の人気記事

NEW ARTICLE新着記事

■大会の新着記事