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栃木全中 張本美和が初優勝 ~女子シングルス~

 令和3年8月23~26日、日環アリーナ栃木(栃木県総合運動公園東エリア/栃木)にて第52回全国中学校卓球大会が開催中。
 大会最終日は男女シングルスの3回戦~決勝が行われ、女子は1年生の張本美和(川中島)が決勝で第1シードの篠原夢空(貝塚二)を下し、初優勝を果たした。

張本美和が篠原夢空との打撃戦を制し、1年生で全中制覇!

ベンチに入った父・張本宇氏と優勝の喜びを分かち合った

張本は1年生とは思えない球威で頂点へ

集中力を絶やさず、数々の接線をくぐり抜けた

優勝を決め、ベンチの父と喜びのハグ
優勝ペースだった篠原。第2ゲームを逆転で落としたのが響いた

全身を目いっぱい使った躍動感あふれるプレーは場内でも際立っていた


<女子シングルス決勝>

張本美和(川中島) -8,10,6,12 篠原夢空(貝塚二)

 女子シングルスは、1年生の張本美和(川中島)が制した。第2シードで優勝候補に挙げられていた張本だったが、優勝までの道のりは簡単ではなかった。
 準々決勝では、女子団体優勝のMVPともいえる上澤杏音(貝塚二)の速攻につかまり、ゲームオールに迫られる苦しい展開になったが、第5ゲームをスタートダッシュで逃げ切ると、準決勝ではノーシードから勝ち上がってきた鈴木美咲(山陽学園)と対戦。
 バック面に表ソフトラバーを貼る鈴木に対し、張本は第1ゲームを先取したが、第2ゲームは大量リードを許す展開に。鈴木が当たり出していただけに、タイに持ち込まれると厳しい戦いが予想されたが、張本はあきらめずに粘り強く戦って第2ゲームを逆転で奪うと、その勢いでストレート勝ちし、決勝へ進出した。
 決勝の相手は第1シードの篠原夢空(貝塚二)。第1ゲームは速攻が冴えた篠原が奪うと、続く第2ゲームも篠原が9−3と張本を圧倒する。2ゲームを連取されると後がなくなるところだったが、「リードされると不思議と気持ちが楽になった」という張本が驚異的な集中力で追い上げ、このゲームを逆転で奪うと、続く第3、第4ゲームを連取し、一気に優勝をつかみとった。中学1年生での全中優勝は、兄の張本智和(木下グループ)にならぶ快挙だ。
 今大会の張本は身長が伸びてフィジカルが向上したことで、持ち前のダイナミックなスイングが生き、球威がさらに増していた。加えて、たびたびの逆転劇が示すように、どんなに劣勢でもあきらめずに粘り強くプレーする精神面のたくましさも見せた。
 成長を続ける張本に、この優勝がどんな糧をもたらすのか。今後の張本に要注目だ。

●女子シングルス優勝・張本美和のコメント
「今まで支えていただいた、たくさんの方に感謝の気持を伝えたいです。自分の中ではサイコーです!!1年生なので向かっていく気持ちで1試合1試合臨んで、最善を尽くせたので良かったです。

-コロナ禍でモチベーションはどのように保っていたのですか?
 自分の実力とか練習したことが試せない分、いろんな選手に対して結構不安がありましたが、いつも支えてくださっている方から「自信持って!」と励ましの言葉をいただけました。それで自分も頑張ることができました。

-今日は逆転が多かったですが、その要因は?
 自分でもよく分からないんですけど、相手にリードされると気持ちが楽になるというか、その分、自分が持っているものを出せたのかなという感じです。リードされるのはもちろん嫌じゃないですか。だから『あーもういいや』みたいな感じになって、肩の力が抜けてくるんです。それで、いつも練習してることとか何も考えなくなるので、ましになるんだと思います。リードされたときって、自分でもどうやって挽回したのか分からないんですよ。気づいたら勝ててたみたいな、そんな感じでした。
 優勝したことによって自信が高まったので、大人の選手たちに一歩でも近づけるように頑張りたいです」

 2位の篠原は、準決勝で後輩の竹谷美涼(貝塚二)とのゲームオールの接戦を制して決勝進出。決勝でも第1ゲームを先取し、第2ゲームも大量リードしたところから張本に逆転を許し、流れを失ってしまった。
 女子団体に続く二冠はならなかったが、絶え間なく両ハンドを繰り出す躍動感あふれるプレーは大きな存在感を放っていた。


3位は鈴木美咲と竹谷美涼

多彩なバックハンドで準決勝へ勝ち上がった鈴木

1年生とは思えない力強いプレーを見せた竹谷

 3位の鈴木は準々決勝で吉本はな(貝塚二)をゲームオールジュースで下し、表彰台。バック面に表ソフトラバーを貼るシェーク異質型で、バックハンドで弾くだけでなく、前に落とすボールをうまく使って強敵たちを下した。

 もう一方の3位は1年生の竹谷。4回戦で伊藤詩菜(四天王寺)、準々決勝では𠮷田一葉(玖珂)のカットを完璧に攻略し、準決勝に進んだが、先輩・篠原の速攻にゲームオールで屈した。球威やゲームメイクは1年生の域をはるか超えており、張本とともに今後が楽しみな選手だ。


ベスト8入りした選手

女子団体MVP級の上澤杏音(貝塚二)は張本にゲームオールで惜敗

巧みなコース取りでベスト8に入った岩木仁香(横浜隼人)

ダイナミックなスイングが魅力の吉本はな(貝塚二)

4回戦で兼𠮷優花(四天王寺)との息詰まるカット対決を制した吉田一葉(玖珂)


<女子シングルス準決勝>
篠原夢空(貝塚二) -8,3,-5,7,8 竹谷美涼(貝塚二)
張本美和(川中島) 5,8,3 鈴木美咲(山陽学園)

<女子シングルス準々決勝>
篠原夢空(貝塚二) 3−1 岩木仁香(横浜隼人)
竹谷美涼(貝塚二) 3-0 吉田一葉(玖珂)
鈴木美咲(山陽学園) 3−2 吉本はな(貝塚二)
張本美和(川中島) 3−2 上澤杏音(貝塚二)

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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
第52回全国中学校卓球大会/栃木大会:https://tabletennis.zenchuu.jp/

(取材=佐藤孝弘/小松賢/猪瀬健治)

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