2022年（令和3年度）全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部）が1月24日から30日まで東京体育館で開催される。
大会5日目は女子シングルス5〜6回戦が行われ、ベスト8が決定した。
女子シングルスも男子同様、石川佳純（全農）、平野美宇（日本生命）が敗れる波乱が起きた。
前回女王で6度目の優勝を狙う石川は、6回戦で加藤美優（日本ペイントマレッツ）に敗戦。「加藤選手とは何度も対戦していますが、今まで以上に嫌なところを攻められた。やりたいことを深ぼりしてどんどんミスが出てしまい、加藤選手が嫌がるプレーをできなかった」と振り返るように、終始、加藤にペースを握られる苦しい展開から抜け出せなかった。
一方、勝った加藤は、「石川選手が上がってくると思っていたので、石川選手の対策をずっとやってきて、いい試合ができて勝つことができてよかったです。石川選手の方が格上なので、いつもはリードすると守ってしまっていましたが、弱気にならずに絶対に勝つんだと最後まで攻め切ることができました。試合が少ない中で全日本で結果を残すことが大切だと思っていたので、優勝目指して頑張りたいです」とコメント。また、加藤の石川越えは、「中学の時にドイツで教わった縁で2カ月前から指導を受けている」という名将・邱建新氏の存在も大きいだろう。
持ち前の優れたテクニックに加え、邱コーチの知恵をプラスした加藤の戦いぶりに注目だ。
石川とならび、優勝の最有力候補に挙げられていた平野美宇（日本生命）も、佐藤瞳（ミキハウス）に敗れた。「佐藤選手の攻撃がうまくなっていましたが、それよりも私のカット打ちができずに負けた感じです。そこまで苦手意識はなかったので残念です」と振り返るように、粘り強く低く返してくる佐藤のカットにつかまった。
一方、高まった攻撃力に加え、低く地をはうようなカットで平野の強打をしのぎ抜いた佐藤のプレーは素晴らしかった。ベスト8では当然満足しないだろう。
伊藤美誠（スターツ）は、順当にベスト8に勝ち残った。「目の前の試合に勝てるように集中していて、柴田さんとの試合も一本ずつ丁寧にたたくことができました。芝田選手も力が上がってきているので、その中で自分のプレーを出せるように考えながら戦いました」と振り返るように、世界卓球2021ヒューストンで激戦になった芝田沙季（ミキハウス）をストレートで下した厳しいプレーは、3度目の優勝に向けて隙なしといったところか。
二年ぶり2度目の優勝を狙う早田ひな（日本生命）もベスト8入り。「女子ダブルスが意外とすんなり行けて、選考会で負けた橋本選手にはリベンジできて良かった。4試合のうち、3試合がカットマンだったので、食事のとり方や休憩の仕方が今日はうまく行きました。それも、選考会で負けた経験が生きていると思います」と振り返る通り、2021世界卓球選手権ヒューストン大会男女日本代表選手選考合宿で負けている橋本帆乃香（ミキハウス）をはじめ、並み居るカットマンをねじ伏せた球威は圧巻だ。伊藤同様、早田も優勝しか満足しないだろう。
そのほか、6回戦で南波侑里香（日本ペイントマレッツ）との接戦を切り抜けた大藤沙月（四天王寺高）、5回戦で笹尾明日香（早稲田大）との息詰まる接戦を制した長﨑美柚（日本生命）、ジュニア女子優勝の木原美悠（JOCエリートアカデミー/星槎）、強豪の安藤みなみ（（TOP名古屋）をストレートで下した木村光歩（中国電力）がベスト8に勝ち残っている。
明日の準々決勝の組み合わせと、女子シングルス5回戦、6回戦の記録は以下の通り。
▼女子シングルス準々決勝の組み合わせ
加藤美優（日本ペイントマレッツ・鹿児島） 対 大藤沙月（四天王寺高・大阪）
長﨑美柚（日本生命・大阪） 対 早田ひな（日本生命・福岡）
木原美悠（JOCエリートアカデミー/星槎・東京） 対 佐藤瞳（ミキハウス・大阪）
木村光歩（中国電力・広島） 対 伊藤美誠（スターツ・大阪）
▼女子シングルス5回戦の記録
石川佳純（全農・山口） 10,9,13,3 徳永美子（十六銀行・岐阜）
加藤美優（日本ペイントマレッツ・鹿児島） 9,11,8,3 前瀧初音（愛媛銀行・愛媛）
大藤沙月（四天王寺高・大阪） 10,8,8,4 木村香純（専修大・東京）
南波侑里香（日本ペイントマレッツ・神奈川） 6,7,11,-6,6 本井明梨（同志社大・京都）
長﨑美柚（日本生命・大阪） 9,-8,8,-9,-9,10,6 笹尾明日香（早稲田大・東京）
野村萌（デンソー・静岡） 6,-12,4,9,-8,4 木塚陽菜（神戸松蔭女子学院大・愛媛）
橋本帆乃香（ミキハウス・大阪） 6,6,8,-7,6 平真由香（昭和電工マテリアルズ・茨城）
早田ひな（日本生命・福岡） 6,5,4,6 山本真由（同志社大・京都）
木原美悠（JOCエリートアカデミー/星槎・東京） -10,4,4,4,8 鶴岡菜月（神戸松蔭女子学院大・兵庫）
森さくら（日本生命・鹿児島） -7,9,4,10,-5,7 成本綾海（中国電力・広島）
平野美宇（日本生命・東京） 6,3,7,3 髙橋梓海（エクセディ・三重）
佐藤瞳（ミキハウス・大阪） 11,12,3,7 中田玲奈（筑波大・茨城）
木村光歩（中国電力・広島） -9,-5,8,4,3,7 田中千秋（豊田自動織機・愛知）
安藤みなみ（TOP名古屋・愛知） -8,5,4,3,5 鈴木李茄（昭和電工マテリアルズ・茨城）
芝田沙季（ミキハウス・大阪） 4,5,6,3 黒野葵衣（早稲田大・東京）
伊藤美誠（スターツ・大阪） 9,8,9,13 松平志穂（サンリツ・東京）
▼女子シングルス6回戦の記録
加藤美優（日本ペイントマレッツ・鹿児島） 7,11,-7,9,6 石川佳純（全農・山口）
大藤沙月（四天王寺高・大阪） -9,9,-8,8,-9,7,5 南波侑里香（日本ペイントマレッツ・神奈川）
長﨑美柚（日本生命・大阪） 6,6,8,2 野村萌（デンソー・静岡）
早田ひな（日本生命・福岡） 6,12,-9,6,6 橋本帆乃香（ミキハウス・大阪）
木原美悠（JOCエリートアカデミー/星槎・東京） 8,-12,8,9,9 森さくら（日本生命・鹿児島）
佐藤瞳（ミキハウス・大阪） 6,8,12,-4,7 平野美宇（日本生命・東京）
木村光歩（中国電力・広島） 8,13,7,7 安藤みなみ（TOP名古屋・愛知）
伊藤美誠（スターツ・大阪） 10,9,5,6 芝田沙季（ミキハウス・大阪）
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詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球：https://www.japantabletennis.com/AJ/result2021/
