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世界卓球2023ダーバン 
男子シングルス決勝は樊振東と王楚欽に


 5月20〜28日までダーバン(南アフリカ)の国際展示場ICCダーバンで世界卓球2023ダーバンが開催される。
 大会8日目の5月27日は、男女シングルス準決勝、男女ダブルス決勝が行われた。
 男子はシングルスは準決勝2試合が行われ、第1シードで前回王者の樊振東と、第2シードの王楚欽(中国)が勝利を収めた。

▼男子シングルス準決勝
 樊振東(中国) 5,-7,10,7,-8,8 梁靖崑(中国)
 王楚欽(中国) 9,8,3,-6,7 馬龍(中国)
 
 第1試合はディフェンディングチャンピオンの樊振東に梁靖崑が挑んだ。両者は前回2021年ヒューストン大会の準決勝で対戦しており、その時は樊振東が4対1で圧倒している。
 立ち上がりは、ここまで圧倒的な強さで勝ち上がってきている樊振東が主導権を握る。バックハンドの巧みなコース取りで両ハンドのパワーが持ち味の梁靖崑に十分な体勢で攻めさせず、第1ゲームを先取した。しかし、第2ゲームは梁靖崑が序盤にリードを奪うと、中陣から思い切り良くパワードライブで攻め込んで、ゲームを1対1に戻した。
 勝負の流れは競り合った第3ゲームの勝敗が左右することになった。このゲームも立ち上がりに樊振東にミスが続いて0対3と梁靖崑がリード。ペースを渡したくない樊振東は、左右に小刻みに動いてライジングのバックハンドを決めて5対3と逆転するが、梁靖崑が我慢のプレーで5対5に。ここからバックサイドを中心とした高速ラリーが展開され、打球点の高さで上回る樊振東が10対7と押し込むが、梁靖崑が開き直って両ハンドを決めてジュースに追いつく。ここで梁靖崑渾身のフォアクロスへのチキータを樊振東が腕一本で飛びついて決めると、梁靖崑がミドルに攻めた回り込みドライブを樊振東がボディーワークで防ぎ切り、このゲームを競り勝った。
 これでリズムをつかんだ樊振東が抜群のリカバリー力を見せて攻守で優勢に立つ。第4ゲームは序盤からリードを保ってラリーを展開し、ゲームカウント3対1として決勝行きに王手をかけた。しかし、3回続けて準決勝で止まりたくない梁靖崑が意地を見せる。第5ゲーム中盤のタイムアウトで戦術を整え、ボールを待って樊振東に上からかぶせられる展開を避け、リスクを取った攻めに転じて8対11でもぎ取り、ゲームカウントを2対3とした。
 第6ゲーム、ここで追いつかれると連覇に暗雲が立ちこめる樊振東が渾身の動きを見せてラリー戦で押し込むが、なんとか食らいつきたい梁靖崑も粘りの攻守で譲らず、5対5と競り合う展開。ここで樊振東が素早い動きから両ハンドのコンビネーションを見せる。樊振東は8対6でタイムを入れて頭を整理すると、緩急を付けたラリーで押し切った。
 最後は10対8からバッククロスにバックハンドで打ち抜いて、樊振東がゲームカウント4対2で梁靖崑を下し、2大会連続での決勝進出を決めた。
 敗れた梁靖崑は、2019年ブダペスト大会、2021年ヒューストン大会に続き、またも銅メダルに終わった。

 第2試合は初制覇を狙う第2シードの王楚欽と、王座返り咲きを目指して2大会ぶりの個人戦出場となった東京オリンピック金メダリストの馬龍が対戦した。
 この試合は第1ゲームの勝敗がカギを握った。3回世界を制している馬龍との対戦で硬さが見える王楚欽に対し、馬龍が堅実な攻守で得点を重ねて7対9とリードする展開。追い込まれて目が覚めた王楚欽が怒濤の攻撃で10対9と逆転すると、3球目でバックハンドドライブをクロスに打ち込んで4本連取し、貴重な第1ゲームを先取した。
 これで流れをつかんだ王楚欽が、第2ゲームも主導権を握る。全盛期ほどのキレがない馬龍を球威で上回り、9対8からフォアハンドドライブをドスンと2本決め、第2ゲームも連取。すると、第3ゲームは序盤からフルスイングの両ハンドを左右に打ち抜いて11対3で圧倒し、一気に王手をかけた。
 王楚欽のパワープレーに後がなくなった馬龍だが、世界卓球の男子シングルスでは2013年パリ大会の準決勝以来負けていないレジェンドが意地を見せる。5対5から王楚欽の凡ミスからの隙を見逃さず、カウンター気味のバックハンドで押し込んで引き離し、6対11で1ゲームを奪い返した。
 第6ゲームは、馬龍に流れを引き戻されたくない王楚欽がスパートをかけて4対0とする。馬龍も懸命の粘りを見せて5対5と譲らない。ここから王楚欽が足を使って馬龍を防戦に追い込んで9対6と再びリードを奪うと、最後は王楚欽がドライブで粘って馬龍のブロックがオーバーし、11対8で勝利を収めて、自身初の決勝進出を決めた。

 これで男子シングルス決勝は樊振東対王楚欽という、第1シードと第2シードで争うことが決まった。
 前回王者の樊振東は、連覇への挑戦権を得た。これまで中国勢で男子シングルスを連覇している選手は6人(荘則棟、郭躍華、江加良、王励勤、張継科、馬龍)。いずれも伝説として名を残す名選手ばかりだ。
 一方の王楚欽は左利き選手として、中国史上2人目の決勝進出を果たした(1981年と1983年の蔡振華)。これまで中国勢の世界チャンピオンは12人で、全員が右利きだ。
 果たして、樊振東と王楚欽のどちらが歴史に名を刻む栄光を手に入れるのか、2人の熱戦に注目だ。

世界王者・樊振東が競り勝って、連覇への挑戦権を得た

梁靖崑はまたも準決勝でストップし、3大会連続で銅メダルに

サウスポーの王楚欽が伝説の金メダリストを下した

馬龍は力及ばず。2013年パリ大会以来の敗戦となった

(まとめ=卓球レポート)

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