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2023 全農CUP大阪大会 女子は張本美和が初優勝


 11月25〜26日、Asueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で「2023 全農CUP 大阪大会」が開催。この大会は2024パリオリンピック選考会の第6回として行われ、男女各16名のトップ選手がトーナメント方式で優勝を争う。そして、順位に応じてパリオリンピック選考ポイントが付与される。
 大会最終日の本日11月26日は女子シングルスの準決勝〜決勝と5位〜8位決定戦が行われ、張本美和(木下アカデミー)が初優勝を果たした。

早田の厳しいフォア攻めに食らいついた張本

念願の早田越えを果たし、会心の笑顔

ベンチで支えた父・張本宇氏と歓喜の抱擁

モデルチェンジ中の早田は惜しくも優勝ならず


▼女子シングルス5位-6位決定戦の結果
大藤沙月(ミキハウス) 7,-7,10,-8,6,-6,7 平野美宇(木下グループ)

▼女子シングルス7位-8位決定戦の結果
伊藤美誠(スターツ) -8,8,-11,9,3,-7,5 横井咲桜(ミキハウス)

▼女子シングルス準決勝の結果
早田ひな(日本生命) 8,4,4,-7,8 木原美悠(木下グループ)
張本美和(木下アカデミー) 8,4,-8,8,-2,5 長﨑美柚(木下グループ)

▼女子シングルス3位-4位決定戦の結果
木原美悠(木下グループ) 2,7,8,9 長﨑美柚(木下グループ)

▼女子シングルス決勝の結果
張本美和(木下アカデミー) -7,8,7,-10,12,9 早田ひな(日本生命)

 女子シングルスは、張本美和(木下アカデミー)が制し、全農CUP初優勝を果たした。
 準決勝で長﨑美柚(木下グループ)との同士打ちを制すと、決勝ではパリ五輪選考レースを独走する早田ひな(日本生命)と対戦。
「負け続けている早田と当たるまで負けないようにし、対戦が実現したら全力を尽くす」という決意で今大会に臨んだという張本は、早田の厳しいフォア攻めに必死に食らいつくと、チキータからの両ハンドで早田と互角のラリーを展開する。要所ではストップを使って、チキータを警戒する早田の裏を突くシニア顔負けのプレーも織り交ぜ、ゲームカウント4対2で勝利して念願の早田越えを果たすと、15歳らしい笑顔をはじけさせた。
「見るたびに強くなっていて、負けを受け入れるしかない」と、今や日本の大エースに君臨する早田に言わしめた張本。驚異の15歳は、この先どこまで強くなるのか。その成長曲線を見上げることができることは、我々取材陣はもちろんのこと、卓球ファンにとっても僥倖だろう。
 
■張本美和選手のコメント
 率直にうれしいですし、最後の選考会で優勝できて本当に本当にうれしいです。(ずっと勝てなかった早田に勝利して)本当にうれしいですし、自信につながります。 
(対早田で強化した部分は)これというのはないのですが、戦術の組み立てが良かったのかなと思います。最近早田選手と試合をして競って負けることが多かったので、今回も負けちゃったかと1ゲーム目思ったんですけど、もちろんあきらめずに(ゲームを)勝って負けてを繰り返して勝つことができて成長していると思います。5ゲーム目のジュースを取れたことが勝因の1つだと思いますし、チキータを終盤は狙われたのでストップもうまく使いながら試合をしました。
(張本選手にとって早田選手は)今まで全日本だったり選考会だったり国際大会だったり、本当にいろんなところで負け続けた早田選手に選考会の決勝という舞台で勝てたことは自信になりましたし、優勝も自分の中ではあまりないので、乗り越えることができたことは良かったと思います。まだ対戦したことがない選手もいますが、対戦して唯一勝てていなかったのが早田選手だったので、早田選手と当たるまで負けない気持ちで臨んで、早田選手のところまでいったら全力で頑張ろうという気持ちだったので、越える存在が早田選手だったと思います。早田選手には去年で7回、全部合わせると9回負けていて、チームメイトには「二桁の10回いくまでに1回勝ちたい」と話していました(笑)
 本当に今日の試合は自信になりましたし、戦術もうまくいったと思いますが、実力は早田選手の方がまだまだ上なので、実力や1本1本の質を上げて、どんな状況でも得点につながるようなものをこれから見つけていきたいと思います。
(パリ五輪については)現状を見ると平野選手か伊藤選手が可能性があるので、私自身はそんなに意識していなくて何番手を狙うというのはないんですけど、1つ1つランキングを上げたい気持ちはあるので、行けるところまで行けたらいいなと思います。

 
 惜しくも優勝を逃した早田ひな(日本生命)は、敗戦後、「(張本は)見るたびに強くなっていていつ負けるか分からない状態でいつも試合をしていたので受け入れるしかない。一度負けることでチャレンジできるので、受け入れて頑張りたい」と張本を認めつつ、前を向いた。
 WTTチャンピオンズ フランクフルトの準決勝で王曼昱(中国)に敗れた際、「このままでは中国に勝ってメダルを取れない。一度自分のプレーを壊して作り直しているところ。具体的には回転よりもスピードの質を追求している」と自身のプレーを大幅にアップデートしている中、今大会に臨んだことを明かした早田。その過程での決勝進出に一定の手応えはつかんだようだ。来夏では「ニュー早田」の完成を心待ちにしたい。

 3位は得点率の高い速攻を見せた木原美悠(木下グループ)、4位は切れ味鋭い両ハンドで勝ち上がった長﨑美柚(木下グループ)の順位となった。

 また、注目のパリ五輪シングルス二枠の争いは、早田がほぼ確定し、もう一枠の争いは平野美宇(木下グループ)か伊藤美誠(スターツ)が有力だ。
 今大会を迎えるまで選考ポイント2位につけていた平野は6位で50ポイントを獲得し、合計486ポイント。同3位の伊藤は7位となり、40ポイントを獲得して合計451.5ポイント。今大会を終えて両者の差は10ポイント開いて平野が34.5ポイントのリードとなったが、伊藤は12月中旬に名古屋で開催されるWTT女子ファイナルズに出場できるため、「中国トップ3に勝利(7ゲームスマッチ15点、5ゲームスマッチ10点)」という勝利ポイントを得られる可能性がある。
 いずれにしても、残り一枠は、最終の選考会となる2024年の全日本(優勝で120点、ポイントが得られる最初のラインがベスト32で10点)に委ねられることになる。

■2023 全農CUP 大阪大会を終えてのパリオリンピック選考ポイント獲得状況(6位以下は省略)
1位 早田ひな(日本生命) 790.5ポイント
2位 平野美宇(木下グループ) 486ポイント
3位 伊藤美誠(スターツ) 451.5ポイント
4位 木原美悠(木下グループ) 354ポイント
5位 張本美和(木下アカデミー) 330.5ポイント

詳しい記録は公益財団法人 日本卓球協会の大会ページまで
https://jtta.or.jp/tour/13250

(取材=卓球レポート)



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